獣医師・宿南章開発!ドッグフード・療法食の販売はこちら 販売サイトへ

犬を多頭飼いする時のメリットと注意点まとめ

  • URLをコピーしました!

犬を飼い始めると、その可愛らしい仕草に「もう一頭欲しいな」と考える飼い主さんも多いと思います。犬が好きな方にとっては憧れの多頭飼いですが、飼い主や先住の愛犬にとっても大きなメリットがあると言われています。互いに、どんなメリット、デメリットが考えられるのでしょうか?

今回は、そんな多頭飼いの利点と多頭飼いするときに、ケージやトイレ、ストレスケアや先住犬との関係など、飼い主が気を付けるべき注意点について詳しく見ていくことにしましょう。

目次

多頭飼いのメリット

先住の愛犬1匹で飼い続けるよりも、たくさんのメリットがあると言われる多頭飼いですが、具体的にはどんなメリットが考えられるのでしょうか?まずはその利点から見ていきます。

犬目線、飼い主目線でそれぞれ考えていくことにしましょう。

 

犬にとってのメリット

 

本来あるべき環境で暮らせる

犬は人間と長く暮らしていますが、本来は集団行動をしていたオオカミがルーツとなっています。そのため、一人で生活するよりも多くの仲間がいることに喜びを感じます。

1匹しか飼っていない場合、もちろん飼い主である人間も仲間と認識しますが、同じ犬がいる環境はもっとも理想的な姿と言えます。

 

社会性を学べる

単独で犬を飼っている場合、散歩やドッグランなどで犬としての社会性を学ぶことになりますが、多頭飼いの場合、毎日の暮らしの中で犬の社会性を学ぶことができます。犬と犬の付き合い方、遊び方を覚えることができるのです。

散歩中に他の犬を見ただけで興奮してしまったり、吠えたりしてしまう犬は、この社会性がきちんと学べていないから。多頭飼いを始めることで、こうした犬との付き合い方が自然と身に付き、他の犬との交流もスムーズになります。

 

ストレスを感じない生活ができる

人間の暮らしは、犬との生活を優先できる時ばかりではありません。犬が遊んで欲しい時、いて欲しいと思う時にその要望に応えてあげられないこともたくさんあります。

また、単独で犬を飼っている場合、長時間家を留守にしなくてはならない時もあるでしょう。愛犬の性格によっても異なりますが、こうした我慢の積み重ねが、やがてストレスとなって蓄積されていきます。「うちの子もストレスを感じているのでは?」と悩んでいる飼い主さんも少なくないと思いますが、多頭飼いの場合、留守中でも寂しさを感じることはありません。犬同士で遊びたい時に遊ぶことができ、犬同士寄り添うことで、寂しさを埋めることができるのです。

やはり、こうしたストレスレスな暮らしも多頭飼いのメリットと言えるでしょう。

 

人間とはできない遊びが経験できる

愛犬のために「飼い主自らが、遊んであげている」と言う方も多いと思います。しかし、飼い主との遊びはしょせん人間と犬の遊びに過ぎません。

ドッグランなど犬同士が遊べる施設に出向くと分かるように、犬は犬同士で遊んでいる時とても嬉しそうな表情を見せます。なぜなら、犬が本能的に遊びたいと思える遊びができるからです。これも多頭犬飼いのメリットとなります。

じゃれたり、噛み合ったり、飛びついたり、舐め合ったりと犬同士でしかできない遊びはたくさんあります。それを十分にさせてあげることができる点は多頭飼いならではと言えるでしょう。

 

飼い主にとってのメリット

 

大好きな犬たちに囲まれて暮らせる

犬が大好きな方であれば、たくさんの犬に囲まれて暮らせる生活は本当に楽しいものです。可愛い愛犬が、互いにちょっかいを出したり、じゃれ合っている姿は見ているだけで、幸せをもたらしてくれます。

もちろん1匹の時と比べ、生活費や医療費などは多くかかってきますが、それを上回る幸せな日々を手に入れることができます。

 

外出が安心してできる

1匹で留守番させていると「可哀そう」「寂しくないかな?」などと、どうしても考えてしまいますが、そうした心配が減ることも飼い主側から見た、多頭飼いのメリットです。寂しさや不安、物足りなさを感じることなく、留守番ができるようになりますので、これも大きな利点と言えるでしょう。

 

遊んであげたり、散歩の時間が減らせる

多頭飼いの場合、単独で犬を飼うのと違い、互いにじゃれたり、走り回ったりすることが多くなります。そのため、わざわざ飼い主が遊んであげたりしなくても、十分遊びを満喫することができるようになります。

また、小型犬などで、もともと多くの運動量を必要としない子の場合、みんなで遊ぶことで十分な運動量を得ることができるようになりますので、散歩の回数を減らすこともできます。雨が降った日でも、満足するまで家で遊ぶことができるようになります。

これらが犬と飼い主さんに考えられるメリットです。メリットだけ見ていると早く「たくさんの犬と暮らしたい」と思ってしまいますが、多頭飼いにはやはり1匹で飼う時と違い、多くの注意点が出てきます。まずは、飼い主さんが多頭飼いの注意点を理解することが大切です。

愛犬たちの環境面、安全面、健康面、精神面を守ることにもつながりますので、しっかりこれらのポイントを押さえておくことから始めてみましょう。

 

多頭飼いするときの注意点とは?

多頭飼いをするときの注意点を一つずつ見ていくことにします。

多頭飼いを始める前に、まずは本当に多頭飼いのステップアップが可能かどうか、チェックするところから始めてみましょう。注意点がクリアできない場合には多頭飼いをあきらめることも大切です。

 

家の広さと生活費は?

多頭飼いとなると家でじゃれ合ったり、走り回ることも多くなりますので、ある程度の部屋の広さが必要となります。多頭飼いに適した広さがあるかどうか、まずはチェックしてみましょう。

他にも多頭飼いする場合、生活するための費用も考慮しなくてはなりません。ワクチン代や食費、医療費、トリミング代、ペットシーツ代などすべてが増えることになりますので、まずは飼えるかどうか飼い主自身で考えてみてください。

 

住環境も考えよう

多頭飼いとなると、犬も活発に動くことになりますので、住環境についても考えてみることが大切です。吠えたり、暴れたりすることも今まで以上に多くなります。近所に迷惑と感じられたり、苦情が出ると多頭飼いができなくなることもあります。

留守番をさせる時の部屋の配置なども考えながら、本当に多頭飼いに向いている環境かどうか確認してみましょう。

 

 

介護についても考慮

先住犬の方が先に老いることになりますので、その介護についても考えておく必要があります。新たに数匹迎える場合も同様です。例え犬であっても排泄から食事に至るまで、シニア期はどうしても手間がかかります。

飼い主がしっかりサポートできるかどうか、しっかり考えた上で多頭飼いを検討してみましょう。

 

先住犬のしつけは大丈夫?

無駄吠えやマウンティング、トイレや留守番のいたずらなど、先住犬のしつけは大丈夫でしょうか?多頭飼いする場合、先輩である犬の行為を正しい行為と学んでしまうため、しつけが上手くいかないことも少なくありません。多頭飼いする場合には先住犬のしつけがきちんとされていることも大切です。

しつけについて改めて見直しを行ってから、新たな犬を迎えるようにしましょう。

 

先住犬との相性

多頭飼いするとき、考えてあげなくてはならないのが先住の犬との相性です。犬はネコなどと違い、他の犬との生活にも慣れやすいと言われていますが、やはりその子の性格によっては難しいこともあります。

まずは、先住犬の性格を見ながら考え、新たに飼う犬との相性を十分に考慮していくと良いでしょう。

 

先住犬の性格で多頭飼いを検討しよう

先住犬の性格によっては、多頭飼いに向いていないこともあります。他の犬に対し、攻撃的だったり、反対に奥手すぎると言う場合には多頭飼いを慎重に考えてみることが大切です。

攻撃的な性格を持っている場合、新しい犬が来ても必要以上に攻め立ててしまい、仲良くできないケースが多くなります。攻撃する先住犬をその度に叱ると言うのも、あまり良いこととは言えませんよね。結果的に飼い主、先住犬、新入りのすべてにストレスが生じてしまうことになりますので、多頭飼いあきらめた方が賢明です。

また、奥手の性格だと言う場合にも、多頭飼いをよく検討してみると良いでしょう。こうした性格の子は新入りを受け入れることも簡単ではありますが、新入りの性格によっては、我慢を強いられることも少なくありません。それがストレスに発展してしまうことも考えられますので、似たような性格の子を選んだり、多頭飼いを見送ることも必要と言えるでしょう。

 

相性を見極める

種類や犬種なども考慮する必要となってきますが、やはり多頭飼いには犬同士の相性を見極めてあげることが大切です。飼う前に先住犬との相性を必ず確かめてみると良いでしょう。

飼おうか検討している犬を自宅に連れて帰ることのできるペットショップも少なくありませんので、そうした方法を利用して相性を確認し、先住犬と一緒に生活可能な新入りを見つけるようにしてくださいね。

 

性別も大切

ケンカやトラブルが比較的おきにくいとされているのが、メスとオスの組み合わせです。オス同士で多頭飼いする場合、順位付けなどで頻繁にトラブルも起こりやすいため、初めてと言う方には向いていません。繁殖を望まない場合には、メスで統一するのも良いでしょう。

メスはオスより落ち着いた子が多く、多頭飼いに適しています。先住犬の性別にも着目し、受け入れる子の性別を選んでみましょう。

 

体の大きさにも配慮して

多頭飼いは、じゃれ合って遊んでいても、ケンカに発展することがあります。ケンカするとその力の差を互いに示すために首をかんだり、飛びかかることもあり、体の大きさによっては大きな怪我を招いてしまうことに・・・。

先住犬とのバランスを考えて、新たに迎える犬の犬種、サイズを選んでみると良いでしょう。

 

多頭飼いを始めてからの注意点

受け入れようと思える子が見つかったら、その後のことも考えなくてはなりません。多頭飼いならではの細かな注意点についても見ていきましょう。

 

先住犬との接し方は?

後から子犬を飼う場合、どうしても先住犬のことがおろそかになりがちです。先住犬は1匹の悠々自適な環境から、急に多頭飼いの状況に放り込まれるわけになりますので、ストレスと感じてしまうことも多くなります。できる限り先住犬の気持ちに立って、飼い主が先住犬を優先させてあげましょう。「食事」「散歩」の順番などでもめることも多くなりますので、そうした場合には、先住犬を先にしてあげると良いでしょう。

トラブルに発展したときは、手を差し伸べてあげることも必要となるかもしれません。犬同士は上下関係を自分たちで作るため、ほったらかしにしておくと言う飼い主の方もいますが、先住犬にとってはあまり良い選択とは言えません。

飼い主と接する時間も、先住犬を先に抱っこしてあげたりと、コミュニケーションについても特に密に取るよう心がけてあげましょう。

 

ケージやトイレは個数分用意してあげよう

多頭飼いの場合、特に気を付けてあげたいのが個別で過ごす時間です。犬にとって落ち着くことのできるケージは、やはり個体数分揃えてあげる必要があるでしょう。一つのケージに何匹も入れてしまうと大きなストレスとなりますので、避けるようにしてください。

また個別のケージは病気で具合の悪い子が出た時にも役立ちます。トイレも頭数分用意してあげる必要があります。排泄するたびに交換すれば大丈夫と思うかもしれませんが、犬は縄張り意識の強い動物です。そのため、特にトイレは個別に用意してあげてください

スペースなどの問題も出てきますが、分けて用意すべきものは、しっかり準備してあげましょう。

 

万一の病気の備え

多頭飼いの場合、ちょっとした病気でもすべての犬が感染してしまう可能性が増えます。そうなるとお世話も大変ですが、一番頭を悩ますのがその医療費です。すべての子の治療を一度に行わないと完治しないこともあり、費用がどうしてもかさみます。

ペット保険など万が一に備え入っておくことも大切と言えるでしょう。

 

まとめ

多頭飼いは犬好きにとって、憧れの生活ですが、メリットだけという訳でなく、感染症が早く広がってしまったり、散歩が大変など、デメリットもたくさんあります。それにかかる手間や費用も頭数分かかってきます。

そのため、飼い主が注意すべきこと、気を付けておくことも、少なくありません。新たな犬の選び方から、新入りが来ることで、先住犬の受けるダメージにもしっかり目を向けてあげる必要があります。先住犬を優先し、大切に扱うことは、犬同士満足できる生活が送れることになり、仲良く暮らせることにもつながりますので、ぜひ心掛けて見てくださいね。

また、万が一に備え、金銭の負担を減らすために備えておくことも大切です。多頭飼いならではの注意点を理解した上で、犬との生活をエンジョイしていきましょう。

犬の多頭飼い

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

ショッピングサイトはこちら

獣医師が犬の進化の歴史を研究。
進化栄養学など、様々な角度から
ドッグフード&療法食を作りました。

興味の多いテーマ

記事を書いた人

宿南 章(しゅくなみ あきら)
獣医師
【文責】 獣医師・宿南 章(しゅくなみ あきら)
【資格】 獣医師免許(1993年取得)
【所属団体】
The Royal Society for the Protection of Birds 会員
日本盲導犬協会 会員
野生動物救護獣医師協会 正会員

【プロフィール】
1969年生まれ 兵庫県養父(やぶ)市出身。
日本大学農獣医学部(現日本大学生物資源科学部)獣医学科卒業。 獣医師。
横浜で犬猫の動物病院に勤務。その後、米国のCAM( Complementary and Alternative Medicine )を日本に導入している 研究所に移籍。北海道の農協の依頼を受け、牛のサルモネラダブリン症の治療を行い、当時抗生物質も効かない病気を治癒させるなど、数多くの治療実績を持つ。
その後、予防医学に特化した自然療法動物病院を設立し現在に至る。


【研修・研究内容】
1983年…アメリカ ウィスコンシン州、400エーカーの酪農家で住み込み実習
1985年…北海道 中標津 200頭飼育の酪農家で住み込み実習
1988年…獣医薬理学研究室にて薬草の薬理作用の研究(3年間)
1993年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(1回目)
1994年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(2回目)
2006年…オーストラリア メルボルン イアンゴウラー財団でガン医療研修

【論文】
Efficacy determination test for the Vibrational therapy in case of the skin ulcer induced on mice A.SHUKUNAMI Eastern Medicine 2004

【著書】
「薬いらずで愛犬の病気は治る」WAVE出版 は、17部門で1位を獲得するベストセラーとなり高い評価を得ている。
記事の目次
ページTOP
目次
閉じる