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犬の血液検査CRPとは?数値が高いときに疑われる病気まとめ

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愛犬の血液検査でCRP(C-リアクティブ・プロテイン)の数値が高いと言われても、普通の飼い主さんは良く分からないというのが実感ではないでしょうか?
CRPは愛犬の体になんらかの炎症が起きていないかを知るのに有効な数値です。
しっかり愛犬の健康状態を知ることで、日常生活や食事などに対する意識も変わってきます。
血液検査でのCRPはどのような病気と関係があるのかをご説明していきますので、愛犬のためにしっかり知識として身につけておきましょう。

目次

CRP(C-リアクティブ・プロテイン)とは?

CRPとはC反応性たんぱくのことで、細菌への感染や組織障害を受けることによって、血液濃度が短時間に変化するたんぱくを数値に表したものです。

CRPは主に肝臓で作られ、一部は膵臓やリンパ球で作られます。
猫はこのC反応性たんぱくに反応しないので、CRPの測定は意味がありません。

人間の場合は肺炎を患っている患者の血清の中に、肺炎球菌のC多糖体と反応して沈殿するたんぱく質です。
人間の血液検査でもCRPがありますが、犬のCRPとは別のものですので人間の血液検査をしても全く当てはまりません。

日本では、CRPの研究が進んでおり世界でもトップクラスだと言われています。

CRPの基準値

CRPは体のどこかで炎症があると6時間ほどで上昇してきて、24~48時間ほどでピークになります。CRPのピーク時から数値が半分になる半減期までも6~8時間ほどとなっており、炎症性刺激がなくなるとすぐに減少します。

獣医師・宿南章

基準値は0~1mg/dlで、軽い炎症で1~5mg/dl、やや重い炎症で5~10mg/dl、かなり重い炎症になると10mg/dl以上になります。

CRPは犬の血液検査において必ず測定するほど広く利用されています。
体のどこにも炎症がない場合はCRPは増加しませんので、体に炎症があるのかないのかを知るために非常に有効な手段になります。

治療効果を確認するために測定する

CRPは体のどこかで炎症が起きているどうかという確認のために広く使われる血液検査の数値ですが、CRPの数値を見るだけでは体のどこで炎症が起こっているかということは分かりません。
しかし、炎症が軽症なのか重症であるかということは分かりますので、何かの炎症があって治療を行った場合、その治療効果を測定することはできます。

CRPは、治療効果を確認するためにも継続的に測定します。
入院などをしていると1日1~2回測定するのは半減期が短いからです。
CRPの数値が減少しているということは炎症程度が低くなっているということで治療効果が出ていることが分かります。

数値に変化がなかったり、上がっていれば治療が効いていない、効きがよくないということで治療方針を変える指針にもなります。

CRP単独で炎症を見るのではなく、血液検査での負の炎症マーカーであるアルブミンと組み合わせて炎症の程度を測ることで、より正確な病気の診断に役立てます。

また、追加検査として、レントゲン検査や尿検査、超音波検査という検査を行い、その検査結果を見ながらどこに炎症性疾患や感染症や腫瘍があるのかという判断を行います。

CRPの数値が高いときに疑われる炎症は?

CRPの数値が高いときは体のどこかで炎症が起きていることを表しますが、CRPの数値だけでは具体的にどこに炎症を起こしているのかということは分かりません。

しかし、犬の場合、CRPの数値が高い場合や高いまま下がらないという場合によくある炎症があります。
そのよくある炎症が下記になります。

  1. 細菌感染による炎症
  2. 免疫介在性の炎症
  3. 皮膚炎
  4. 腫瘍
  5. 胃腸系の炎症

それではそれぞれについて詳しく見ていきましょう!

1. 細菌感染による炎症

子宮蓄膿症

子宮蓄膿症はCRPの数値が非常に上がります。
子宮蓄膿症は避妊手術をしていないメス犬の子宮内に細菌が感染して膿が溜まる病気です。

高齢で出産経験のない犬や繁殖を長期間行っていない犬がかかりやすくなっていますが、若い犬も発症します。
発情期後に発症することが多いので黄体ホルモンと関係がありますが、水を飲む量が増え、尿の回数や量が増え、感染して炎症があるので発熱します。
また、食欲が落ちたり、嘔吐するので体重が減ってきます。

子宮蓄膿症が悪化すると腎不全や敗血症を起こして命に関わることもありますし、外陰部から膿が出てくる時や出てこないものもあります。
CRPの上昇だけでなく白血球数の増加、レントゲン検査や超音波検査で膿が溜まって腫れている子宮を確認することができます。

繁殖目的がない場合には、避妊手術をすることで完治しますので手術させることをお勧めします。
手術しない場合は抗菌剤やホルモン製剤で治療しますが、再発する可能性があります。

髄膜炎

犬の中枢神経は脳と脊髄からなっていますが、それを守るのが髄膜です。
脳が炎症をおこすのを脳炎といいますが、脳と頭蓋骨の間にある髄膜が炎症を起こすのを髄膜炎と言います。

髄膜炎の原因はいろいろありますが、細菌感染による髄膜炎は、クリプトコッカス、ブラストミセス、コクシジオイデスなどに感染することで起こります。

痙攣、体の硬直、発熱、視力障害、知覚過敏、不安定な歩行などの症状があり、治療は免疫抑制剤や抗炎症薬の投与、放射線治療がなされますが、一旦髄膜炎を起こすと完治は難しくなります。

腎盂腎炎

腎臓の腎盂という部分が炎症を起こします。
腎盂は腎臓と尿管をつなぐポイントで、ここが炎症を起こすと腎臓全体が機能低下します。

急激に病状が悪くなるものを急性腎盂炎、長期に渡って症状が続くものを慢性腎盂炎と言います。
発熱したり、元気がない、水をたくさん飲み、尿の回数が増える、尿がにおう、尿がにごる、腰付近を痛がるようになります。原因は、尿路に細菌が発生することです。

治療は、細菌を殺す投薬治療ですが、尿検査で原因になっている細菌を特定して投薬されます。

歯根膿瘍

歯の根元にある歯根部が炎症を起こして膿が溜まってしまいます。
顔が腫れたり、食事を嫌がったり、口から臭うような場合は膿が溜まっている危険があります。

抗生物質を投与したり、歯根部に溜まった膿を出すために外科的手術を行います。
また、歯を抜く場合もあります。

腹膜炎

外科手後に内容物が腹腔内にもれたり胃や腸が破れた場合に、細菌感染することなどが原因で激しく腹部が痛み、発熱、嘔吐、脱水というような症状があります。
メスの場合は、卵巣炎や子宮内膜炎、流産が原因の時もあります。

体内に溜まった毒素を排出するために利尿剤や抗生剤を投与したり、腹膜内を洗浄したり、点滴して毒素を排出することもあります。

バベシア症

赤血球に寄生するバベシア原虫による感染症で、マダニによって媒介されます。
元気がなくなったり、食欲がなくなったり、貧血になったりしますが、重症化すると命の危険があります。

血液検査でCRPの増加と共に、溶血性貧血や血小板減少などが見られ、普通は白血球が増加しますが、まれに白血球が減少することもあります。
原虫を駆除し、貧血が重い場合は輸血などをおこなうことが多いです。

2. 免疫介在性の炎症

免疫介在性関節炎(関節リウマチ)

免疫は自分の体を守るためにありますが、自分自身の関節を異物として攻撃してしまう現象です。
関節を動かすと痛みがあったり、不快感がありますし、徐々に関節が腫れて来ます。
原因はまだはっきりとはしていない病気です。

炎症や過剰な免疫の応答を抑えるためにグルココルチノイドという薬が投与されますが、症状を完全に無くすことは難しく、投薬は生涯にわたって継続する必要があります。

免疫介在性髄膜炎

免疫系統の混乱で、自分自身の細胞の組織を攻撃して炎症を起こしてしまう髄膜炎です。

アレルギー性胃腸炎

食べ物や人工の食品添加物に誘発されて起こす食物アレルギーが原因で起こる胃腸炎です。
アレルゲンとしては、動物性タンパク質、食品添加物、人工着色料、保存料、小麦グルテンなどがあります。
嘔吐や下痢があり元気がなくなったり、栄養がしっかり吸収できないのでやせてくるという症状があります。

アレルギーが原因の場合は、犬のアレルギー源を特定して愛犬の身の回りから除去する必要があります。
粘膜の炎症を抑えるためにステロイドや抗炎症薬を服用します。

食事療法や生活習慣の改善が必要になってきます。
食事療法などは、しっかりアレルギー源を特定して食事などから除去してあげることが重要です。

アレルギーの原因となるものを与えないことはもちろん、添加物のない安全なドッグフードなどを利用するようにしてください。

3. 皮膚炎

重度の皮膚炎があるときもCRPが上昇します。

4. 腫瘍

腫瘍の周りの組織が炎症を起こしているので、血管肉腫やリンパ腫などは多くの場合、CRPの値が非常に高くなります。

5. 胃腸系の炎症

胃腸系の炎症の中でも、さらに下記のように炎症の要因が異なります。
異物によって腸に穴が空いて炎症を起こすことでCRPの数値が上昇します。

胃腸系の炎症の種類
  • 重度の胃腸炎
  • 胃潰瘍
  • 出血性胃腸炎
  • 急性腹症

重度の膵炎

膵臓は消化酵素を十二指腸に分泌する働きがあります。
膵臓内で消化酵素がある場合は不活性状態で存在しますが、何らかの原因により膵臓内で酵素が活性化されることで膵炎になります。
膵炎が重症化すると膵臓だけにとどまらず、全身の臓器に障害がでる重篤な症状になります。

高齢になってきた犬に発生することが多く、特にメス犬に発生が高くなります。
なりやすい犬種としては、ミニチュア・シュナウザー、プードル、コッカー・スパニエル、ウェスティなどによく発生します。

胆嚢破裂

胆のうは肝臓に付随する小さな臓器です。
肝臓から分泌される胆汁を一時的に貯蔵しておく役目がありますが、胆のうに炎症や障害が長期化すると胆のうが壊死することで胆嚢破裂を起こします。
胆嚢破裂を起こすと胆汁が腹腔内に広がることで激しい痛みを伴います。

腹膜炎を発症すると発熱や脱水症状になり、ショック状態に陥って命を落としますので、早急な治療をしてください。
胆嚢破裂を起こす前に早期発見し外科的手術で胆嚢を取り除きますが、胆嚢が破裂してしまうと腹膜炎になる前に腹部の内部洗浄をする必要があります。

炎症があるのにCRPが高くならない時

以下に上げるように、症状によっては炎症があってもCRPが高くならない場合もありますので注意してください。

  • ステロイドや免疫抑制剤を使っている場合
  • 慢性肝炎
  • 炎症が起きてから時間があまりたっていない場合
  • 低栄養状態
  • クッシング症候群
  • 膀胱炎
  • 鼻炎平滑筋肉腫
  • 中枢神経の炎症性疾患・・・壊死性髄膜脳炎 肉芽腫性髄膜脳炎

まとめ

獣医師・宿南章

CRPは、C反応性タンパクのことです。
体のどこかで炎症が起きていると短時間のうちに上昇してくるので、体の中で何かの炎症の有無を発見するために広く利用されています。

しかし、CRPの上昇だけでは具体的に体のどこで疾患があるのかということを知ることはできないので、他の検査項目や尿検査、レントゲン検査や超音波検査などの画像検査などと組み合わせて診断を行うために役に立ちます。

また、CRPを毎回の検診時に測定することで数値が減少していれば治療が上手く行っていることを表しますし、数値が増加していたり、現状維持の場合は治療方針を変えるために指針になります。

CRPの数値が高くても特に問題のある疾患がない時もありますし、逆にCRPの数値が低くても炎症を起こしていることもあります。

犬の血液検査というものは、自分の口で病状を説明できない愛犬たちにとって非常に大きな役割があります。

愛犬が少しでも元気がないなと感じたらすぐに動物病院に連れて行って、血液検査を通じて、愛犬の体調をしっかり把握てあげることが大切といえるでしょう。

犬の血液検査CRP

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獣医師が犬の進化の歴史を研究。
進化栄養学など、様々な角度から
ドッグフード&療法食を作りました。

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記事を書いた人

宿南 章(しゅくなみ あきら)
獣医師
【文責】 獣医師・宿南 章(しゅくなみ あきら)
【資格】 獣医師免許(1993年取得)
【所属団体】
The Royal Society for the Protection of Birds 会員
日本盲導犬協会 会員
野生動物救護獣医師協会 正会員

【プロフィール】
1969年生まれ 兵庫県養父(やぶ)市出身。
日本大学農獣医学部(現日本大学生物資源科学部)獣医学科卒業。 獣医師。
横浜で犬猫の動物病院に勤務。その後、米国のCAM( Complementary and Alternative Medicine )を日本に導入している 研究所に移籍。北海道の農協の依頼を受け、牛のサルモネラダブリン症の治療を行い、当時抗生物質も効かない病気を治癒させるなど、数多くの治療実績を持つ。
その後、予防医学に特化した自然療法動物病院を設立し現在に至る。


【研修・研究内容】
1983年…アメリカ ウィスコンシン州、400エーカーの酪農家で住み込み実習
1985年…北海道 中標津 200頭飼育の酪農家で住み込み実習
1988年…獣医薬理学研究室にて薬草の薬理作用の研究(3年間)
1993年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(1回目)
1994年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(2回目)
2006年…オーストラリア メルボルン イアンゴウラー財団でガン医療研修

【論文】
Efficacy determination test for the Vibrational therapy in case of the skin ulcer induced on mice A.SHUKUNAMI Eastern Medicine 2004

【著書】
「薬いらずで愛犬の病気は治る」WAVE出版 は、17部門で1位を獲得するベストセラーとなり高い評価を得ている。
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