あなたは、愛犬にどのくらいの量の食事を与えていますか?食事はワンちゃんに欠かすことのできない栄養源です。食事の量や与え方が愛犬の寿命にも大きく関わってきますので、愛犬にとってベストな量の食事を的確な頻度で与えることが非常に大切になります。また、「ご飯を与える時間は決めた方が良いの?」など、食事について良いことかどうか、分からないことも多いですよね。ここでは、そんな愛犬のためのベストな食事の与え方についてご紹介します。
正しい食事は、どの子でも同じと言う訳ではない!
犬は、大型犬、小型犬などがいるように、体の大きさもその子によって異なります。そのため、犬種が違えば、当然ながら食事の与え方も異なります。その子によって、必要となる食事の量が違うと言うことです。
また、同じ犬種でも成長に応じて、食事の量や回数も変化します。例えば仔犬のうちは、1回の食事でたくさんの量を食べることができないため、数回に分けてご飯をあげる必要があります。そして、たくさんの量を食べられるようになる成犬期には、食事の回数も減らすのが一般的です。食事の内容などもその成長に応じて変えていくことが大切です。
ドッグフードを与えることが大切
手作りの食事や人間と同じ食事を与えていると言う飼い主さんも少なくないと思いますが、こうした食事は犬にとって必要となる量やカロリーの調節が難しくなります。正確に肉の分量や野菜の量を計量し、与えているのであれば一定の食事内容をキープすることもできますが、やはりそうした手間暇は簡単なことではありません。
そのため、できることであれば、食事はドッグフードをメインとし、与えていくようにすることが大切です。ドッグフードは、グラム数によって必要なカロリーの計算も楽にできますし、一度分量を覚えておけば、カロリーオーバーしてしまうこともなくなります。常日頃の食事は、ドッグフードを主として与えるようにしましょう。
食事の与える量は?
ドッグフードを食べさせるのであれば、成長に合わせたドッグフードを用いるのがベストと言えるでしょう。仔犬の場合は、成長過程に必要な栄養が豊富に配合されたパピー用ドッグフードを食べさせるようにしましょう。
また、老犬の場合も消化機能が衰え始めますので、消化吸収の良いフードが売られています。ライフステージにマッチしたドッグフードを与えるようにしましょう。ただし、品種やメーカーなどによって、適切な食事の量も変わりますので、そのドッグフードの内容に適した量を与えるようにしましょう。
一般的にドッグフードの袋にはその子に適した量が表示されています。体重別に必要となる量が表記されていることが多くなっていますので、その量を守って与えてあげると良いでしょう。ただし、与えすぎには十分注意してください。ドッグードの表記は大抵一日の目安量となっていますので、1回あたりの与えるべき量ではありません。2回与える場合には÷2を、3回与える場合には÷3をして、1回あたりの目安量としてみるようにしましょう。
その子に応じて量を判断することも大切
愛犬が一般的な犬と比べ極端に運動量が多い場合、ドッグフードに書かれている食事量の目安と大きく異なることもありますし、体格などによっても食事量は変わってきます。与えるべき食事量を与えたにもかかわらず空いた食器を舐めているようであれば、食事量が足りないのかもしれません。逆に、与えても残す場合なども食事量が多い可能性が出てきます。そのような場合には、量を調節してみても良いでしょう。
また、食事が足りているか、いないかは、便の様子を観察してみましょう。正常な硬さの便が出ている場合、量も適量であると考えられます。極端に柔らかい便は消化不良を起こしており、食事量が多い場合が多く、硬い便は食べる量が足りていないことが考えられます。この辺りを目安に愛犬の食事の量を調節してあげると良いでしょう。ベストな食事量を獣医師に相談してみるのも良いですね。
食事の回数は?
食事の回数はやはりワンちゃんのライフステージによって変えていくことがポイントになります。大きく仔犬期、成犬期、老犬期に分けて解説していきます。
仔犬の食事回数
消化器系の発育が未熟な仔犬にとって、一度にたくさんの食事を摂ることは健康にとっても良くありませんし、無理があります。そのため、食事を少量ずつ、回数を増やして与えてあげることが大切です。仔犬の食事の回数の目安は3回から5回と覚えておくと良いでしょう。月齢が小さなうちは食事の回数を増やし、徐々に回数を減らしていくのが理想的です。
・生後3か月までは・・・3回から5回
生後3か月まではミルクと並行して、離乳食を与える時期です。離乳食ですので、ふやかしてフードを与えることになりますので、量が増えた分、一度にたくさん食べることが難しくなります。しかし、ふやかしたフードと言うこともあり、腹持ちはしません。
つまり、一日の必要となる量をしっかり与えるためにも、回数を多く設けてあげることが大切です。始めのうちは3回ですと無理がありますので、5回から徐々に回数を減らしていくと考えておきましょう。
・生後6か月までは・・・3回から4回
6か月頃になると食べる量も安定してきます。離乳食から徐々にふやかすお湯の量も減らしていき、ドライフードに切り替えていく時期にもあたりますので、食事の回数も離乳食の進み具合に応じて変えていくことが大切です。しかし、与える量に関してはあまり制限を設けない方が良いでしょう。ドッグフードに書かれている量をあまりにも気にしすぎる必要はありません。多少増えても構いませんので、仔犬の欲しがる量を与えてあげると良いでしょう。
中には成犬になってからのサイズなどを気にして、食事量を勝手に減らしてしまうと言う飼い主さんもいるようですが、仔犬のうちは、まず健康に大きくなってくれることが一番大切ですので、あくまでも量は目安と考えてあげるようにしましょう。
・生後1歳までは・・・3回
子犬用のパピーフードから、成犬用フードに切り替わる時期になってきますので、食事の量も3回にできることが理想となってきます。成長用フードを今までのフードに混ぜながら徐々に慣らしていくことも大切になります。便やお腹の具合などを見ながら、健康に問題がないようであれば、成犬用フードにトライしてみると良いでしょう。
以上を仔犬の食事回数の目安としてみましょう。ただし、その子の体質や、成長の具合によって必要となる回数はまちまちです。愛犬が必ずこの通りが良いとは限りません。その子の成長に合わせて飼い主さんが最も良いと思える回数に調節していくようにしましょう。
成犬の食事回数
成犬の場合、もちろん成犬用フードを与えることになりますが、基本的にその回数は2回です。その昔は1回などと言われていることもありましたが、最近では2回がベストと言われています。その理由は内臓への負担軽減です。食事を1度だけにしてしまうと、あまりにもお腹が空いてしまうため、どうしても早食いしやすくなってしまいます。また、空腹にもかかわらず、いきなり食事を詰め込んでしまうため、内臓に大きな負担がかかってしまうのです。そうならないためにも、最低でも食事の回数は2回としてみると良いでしょう。
もちろん3回でも構いませんが、その際は、一日取るべきカロリーをしっかり守るようにしましょう。ただし、3回の食事は2回の食事と比べ、食事を与える側の飼い主さんにとっても面倒なもの。一度3回としてしまうと2回に減らすことは、より難しくなってしまいます。日中与える手間を省くためにも2回と言う回数に調節していくと良いでしょう。
老犬の食事回数
消化機能が衰え、運動量の減ってしまう老犬には、消化が良い、高たんぱく低カロリーの食事を与えるようにしましょう。老犬用フードに変えるのが理想ですが、通常与えていた成犬用フードを続けて使う場合には、食事の量を減らしてあげましょう。一度に食べられる食事の量も減ってしまうようであれば、回数2回から3回に増やしてあげることが大切です。愛犬に応じて回数なども工夫してみると良いでしょう。
ご飯を与える時間
ご飯を与える時間は一定の間隔を設けてあげることが大切です。2回と言う場合には朝と夜に分ければ問題ありませんが、仔犬の間4回、5回と分ける場合には、起きている時間を目安に与える時間を定めてあげるようにしましょう。朝、昼、3時のおやつ頃、夕方、夜と分けると5回与えることができますね。4回の場合は、昼と夜の時間の間、3時ごろに食事を与えてあげると良いでしょう。
ご飯の時間は決めた方が良いの?
ご飯の時間については様々な意見があります。飼い主さんとの生活リズムを整えるために、ご飯の時間はしっかり決めた方が良いと言う意見もありますが、やはりメリットだけとは言えない部分もあるようです。そんな愛犬のごはんの時間についても見ていくことにしましょう。
ご飯の時間を決めると・・・?
ご飯の時間は成犬の場合2回となりますので、大方朝と夕方になると思います。ですが、その時間を決める必要はあるのでしょうか?ご飯の時間を決めることで、犬はその時間になるまで待ってくれるようになります。その日の運動量によっては時間前からお腹が空いてしまうこともあると思いますが、そのような場合でも時間になればもらえることが分かっているため、特にその時間前に騒ぐこともなくなります。
また、ご飯を一定の時間に与えることで、生活リズムも整ってきます。寝る時間や起きる時間に悩まされることもなくなります。飼い主さんにとっても生活のタイミングを乱されなくなりますので、とても良いことと言えそうです。もし他人が与える必要があっても、時間が決まっているため、理解しやすく食べてくれるケースが多くなります。
しかし、その反面時間が少しでも遅れてしまうと吠えると言う行動が見られることもあるようです。もちろん愛犬の性格などによっても異なりますが、時間を過ぎてももらえない場合、犬にとって大きなストレス要因となってしまうことがあります。
ご飯の時間を決めないと・・・?
ご飯の時間が定まっていないと、良くないと言われることもありますが、要求吠えを防止することができると言うメリットもあります。時間が決まっていないため、いつくれるかと待つことは増えると思いますが、吠えたり興奮したりすることは、あまり見られないことが多いようです。餌をあげるタイミングを常に同じ時間にできないと言う方は、あえて時間を定める必要はないと言えるでしょう。ただし散歩の後や人間のごはんのタイミングなどと、その家ごとにルールを決まってくると思いますので、犬もだいたいのタイミングを覚えることができます。各家庭に応じたタイミングで、ご飯の時間を決めても特に問題はないでしょう。
食事をあげる時には?
愛犬に食事を与える時には、そのスペースなども食事に適しているか考えてあげましょう。人の往来が多い場所では、犬も落ち着いて食べることができません。また、待てやおあずけを食事の前に行う飼い主さんもいるようですが、決しておあずけはしないようにしましょう。普段の待ての号令を聞いてくれない原因になったり、食事への執着心が強くなり、飼い主は食事の楽しみを奪う人と言う悪イメージを持つことになります。楽しい食事の時間を取り上げてしまうことは止めましょう。
しつけのためにも、人間に慣れさせるためにも、仔犬のうちから人間の手で食べさせたり、食事中になでられることにも慣れさせておけると良いでしょう。人間は食事を取る敵ではなく、安心して良い存在であることを教えてあげるよう心がけましょう。
まとめ
愛犬の食事は、ライフステージや体格などによって変化します。小型犬よりも大型犬の方がはるかに食事の量も多くなりますし、運動量が多い子の場合、更に食事の量は増えることになります。また、仔犬と成犬、老犬などによっても食事の回数が大きく異なります。食事は消化機能に応じて回数を変えてあげ、体に負担がかからない回数を選んであげるようにしましょう。
食事の時間はあえて正確に決めなくても良いでしょう。時間を決めえしまうと、その時間を遅れた時に要求鳴きやストストレスの原因になってしまいます。飼い主にとっても負担となりますので、大まかに時間を把握し、人間同様無理のない食事のスタイルにしてあげましょう。犬にとって食事は、健康を維持するためも大切なものです。量や回数と言ったことだけでなく、栄養面、質などにも目を向けてあげるようにしてくださいね。