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老犬に飼い主がしてあげるべき食事や介護8つのポイント

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犬も高齢になると若いときには当たり前にできたことが徐々にできなくなったり、食事もドッグフードをそのまま食べられなくなったりします。人間が老人になって介護が必要になってくるように犬も高齢になることで飼い主さんの介護が必要です。

老犬と言っても個体差があるので、全員同じように介護が必要になるとも限りませんし、必要なお世話の種類も違ってきます。この記事では、犬は何歳ぐらいから老犬でどんなことに気をつけたほうがいいのか、愛犬が老犬になった時、飼い主としてしてあげるべきポイントについてみていきます。

目次

犬は何歳から老犬か?

人間でも何歳から老人ですか?と言われるとはっきりした年齢はないので答えられません。ただ、一般的には仕事を退職した60歳前後から老人の仲間入りと考えるのが今は一般的です。

人間で言う60歳くらいの年齢は犬の場合、小型犬で9~11歳、中型犬で8~9歳、大型犬では中型犬より少し早くなります。小型犬は成犬になるのは早いのですが、老犬になるのは比較的遅いです。

また、大型犬は成犬になるまでには時間がかかりますが、老犬になるのは小・中型犬に比べて早くなります。人間の平均寿命が上がっているように、犬の世界でも寿命は徐々に上がっていますので、愛犬が老犬になってからの期間は長くなっていると考えられます。

老犬と言うものはある日突然そのような状態になるのではく、徐々に体の機能が下がってきます。徐々に老犬としての衰えを感じるようになるのは7~8歳過ぎのことが多いようです。しかし、これには個体差がありますので元気でも歳をとっている犬もいれば、若くても老犬のような体調である犬もいます。

飼い主さんが老犬になっても、しっかりと飼育することで愛犬の健康である時間は延びますし、体力の衰えを感じるのが遅くなります。

老犬になるとどんな症状があるか?

犬も高齢になってくると今までとは違った症状や行動がみられるようになります。老犬に多い症状について述べますので、愛犬が同じような症状や行動がないか注意してあげてください。

 

食欲がなくなってくる

犬も老化が進むと、徐々に代謝も落ちてくるのであまり食事を食べなくなってきます。一度にたくさん食べられないので、少しずつ1日何度も食べるということもあります。また、老犬になって今までと食の好みが違ってくることもありますし、食べることに興味が出てきてたくさん食べ始める犬もいます。

関連記事:愛犬がドッグフードを食べない時の原因はどれ?原因と7つの対策

 

 

痴呆症になると徘徊する

犬でもアルツハイマーや痴呆症になって色々な症状が出ます。人間の痴呆症と同じように徘徊してどこかに行ってしまうということや、自分の家がどこか分からなくなって迷子になることもあります。

関連記事:【犬の痴呆症】原因や症状、有効な対処、予防法とは?

 

 

夜鳴きする

夜鳴きで多いと言われているのは、痴呆が原因になっているものです。時間的な感覚もないのか夜鳴きだけでなく、昼間もずっと鳴いているということもあります。鳴き声がずっとするので飼い主さんは本当に困ってしまいますが、痴呆症が原因となっているので飼い主さんは耐えるしかありません。

夜中ずっと犬が鳴いているとなると、近所間でトラブルに発展してしまうこともあるので注意が必要です。

 

散歩の時間や距離が減る

運動能力が下がるので散歩の距離が少なくなり、スピードも遅くなります。ちょっとした段差でもつまずいたり、階段の上り下りにも時間がかかります。

 

病気にかかりやすくなる

免疫力が下がることで病気になりやすくなりますし、ちょっとした症状でもすぐに重症化してしまうようになります。代謝も落ちていますし、各臓器の機能も低下してきますので慢性疾患になりやすくなります。

 

睡眠時間が長くなる

睡眠時間が長くなるので夜だけでなく日中でもうとうとと眠っていることが多くなります。感覚も鈍くなっているのでちょっとした音や光では目覚めなくなります。また、痴呆などの症状があると昼夜が逆転して昼間は寝て、夜は起きるという夜行性の動物のような行動をすることもあります。

 

排泄で粗相をする

おしっこやうんちを我慢できずにトイレ以外でしてしまうことがあります。頻尿になるとトイレまで我慢できなくなることも多くなり、粗相をしても大丈夫なように犬用のオムツをさせることもあります。

 

排泄できない

臓器の機能低下のために、おしっこが出なくなったり、腸の運動が落ちてくることで便秘になったりします。

 

老犬を飼う時の飼育ポイント

愛犬が老犬になったとき、飼い主さんがしてあげられることはたくさんあります。ここではそのポイントについてご紹介します。

 

1,適度に運動をさせる

若いときは散歩や遊びが大好きだったという犬でも老犬になると運動が疲れるので、あまり外に出かけたくなくなります。家の中でのんびりと過ごすことが多くなりますが、犬も筋力が衰えてくると歩けなくなるのです。

筋力が衰えてくると体全体の老化に繋がりますので、無理のない程度に適度に運動を続けることが大切です。特別な運動をさせる必要はありません。毎日の散歩で運動をすることで充分ですが、老犬を散歩させるに当たっては、コースや時間、時間帯などに気を使ってあげることが必要です。歩くことが若い時よりも苦手になっているので、なるべく坂道のアップダウンの少ない平坦な道を選んであげましょう。

時間も愛犬の体力に合わせて嫌がらない程度、毎日続けられるほどに止めておくことが大切です。ただ、運動も大切ですが、散歩に出る日は天気や気温なども充分考慮してあげましょう。老犬ですので気温が高すぎたり、低すぎたりすると体調が悪くなります。

犬は元々寒さには強い動物ですので、真夏の昼間などの散歩は絶対に避けましょう。夏の暑い時期などは早朝や夜間の気温が低い時に行うと無理なく運動できます。

 

2,食事の内容と量に注意する

老犬になると代謝機能や消化機能が下がりますので若いときよりも食事の量が減ります。食事の量が減っても、しっかりと必要な栄養が足りていれば問題ありませんが、若いときと同じような食事やドッグフードを食べていると明らかに栄養不足、カロリー不足になってしまいます。

老犬に必要な栄養を考えて作られたドッグフードを利用すると老犬に必要な栄養素とカロリー摂取ができるようになります。獣医である宿南章が老犬用に高タンパクな鹿肉をベースとして開発した「デイリースタイル プレミアムドッグフード シニア犬用」も参考にしてみてください。

また、老犬になると食の嗜好が変わる犬もいますし、急に食に目覚めて食べ過ぎるという場合もあります。犬でも太りすぎは健康のために良くありませんので、必要以上に食べ過ぎている場合はドッグフードを変えたり、おやつを控えたりしてあげましょう。肥満気味の犬にはダイエットフードなどをあげてみるのもよいでしょう。

⇒ 愛犬の健康的なダイエットをケアするドッグフード「デイリースタイル満腹感サポート」

 

歯などが弱って硬いドッグフードを食べ難そうにしていたら、お湯でドッグフードをふやかして柔らかくしてあげると食べやすくなります。お湯でふやかすことによって水分も多く摂取できるので脱水症状の予防にもつながりますのでオススメです。

 

3,犬のためのバリアフリー

人間でも老人になると家の中をバリアフリーにしますが、犬の場合も足が弱くなった愛犬のために生活しやすい環境を作ってあげると良いでしょう。愛犬の動く範囲で段差や滑りやすい状況がないのかしっかりチェックして、できるだけストレスのない環境に整えてあげてください。

フローリングの状態よりも、マットやじゅうたんがある方が滑りにくくなりますが、じゅうたんに爪が引っかかることもありますので素材にも気をつけましょう。段差や階段は転倒の危険がありますので、スロープにしたり、柵をつけるなどして工夫します。

部屋も歩行中の障害物がなるべく少なくなるように、邪魔なものは床の上に置かないように心がけましょう。

 

4,愛情や刺激を与えてあげる

老犬になると行動範囲も狭くなったり、知的好奇心が犬でもなくなってきます。痴呆などになることもあるので、飼い主さんはできるだけストレスのない生活、愛情のある接し方、知的好奇心を刺激する遊びを与えてあげることが大切です。

ずっと部屋の片隅で寝ているだけでは足も脳も弱ってきます。そこで、興味の出る楽しい新しい遊びをしてあげたり、ちょっと違う味ものを食べさせてあげたり、できるだけ話しかけたり、一緒に過ごすというような接し方の工夫をします。

 

5,体の不調や異変に、いち早く気付いてあげる

老犬は体調が崩れやすく、色々な病気にかかる、または持病が老犬であることで悪化することも多くなります。病気になると、その病気特有の症状があったりしますが、毎日身体の状態をチェックしたり、排泄物をチェックしたり、食べ物の食べ方を観察することによって、体調に変化がないのか常に気にかけてあげることが大切です。

少しでも様子がいつもと違うと感じたら、できるだけ早く動物病院を受診して健康に問題がないか診てもらうと良いでしょう。また、定期的に健康診断などを受けていると体調の変化に気が付きやすくなります。

 

6,飼育環境を温度を適温にする

老犬は体温調節機能が下がってきますので室内の温度や外気の温度の影響を受けやすくなります。若い時よりも飼育環境を適温にコントロールしてあげることが重要です。

エアコンで季節ごとに犬にとって快適と思われる温度に調節してあげると共に、犬自身でも体温調節がしやすいように毛布を置いたり、冷却マットを敷いてあげるなどの工夫をしてあげると良いでしょう。

また、暑い時期などは太陽の当たる場所に犬のスペースを限定しているとエアコンがかかっていても室内でも熱中症になりますので、犬が自分で居心地の良い場所に探し、暮らせるような環境にしてあげましょう。

 

7,睡眠時間

睡眠時間は犬に違いますが、老犬になると食べている間はずっと目を閉じて寝ているという犬もいます。また、痴呆症などが原因して体内時計が狂い、昼夜逆転の状態になっている犬もいます。

愛犬に無理をさせるものかわいそうなので、できるだけ自由にしてあげたいのですが、昼間は散歩に連れて行ったり、話しかけたり、遊んであげることで刺激して眠らない状態を作ってあげましょう。昼間にしっかり活動して起きていると夜にしっかり眠れるようになります。

新しいおもちゃや環境というのは老犬にとって疲れることかもしれませんが、脳を刺激したり、好奇心からやる気が出たりして痴呆症の予防にも有効です。昼間ずっと寝ていることに対して老化という言葉で片付けないで、積極的にコミュニケーションを取ってあげましょう。そのことによって夜もしっかり眠ることができます。

 

8,排泄について細かく対応する

老犬になると排泄で失敗してしまうことが多くなります。犬も元来清潔を好む、頭のいい動物ですので、排泄が上手くできなかったことで落ち込んだり、生活環境を汚してしまったことを悔いています。

排泄を失敗しやすくなったことを老化だけの問題にするのは危険ですので、排泄の失敗が多い場合は一度しっかりと何か排泄ができない問題がある病気がないとかと言うことを動物病院でチェックしてもらってください。健康上特に問題がないのに排泄の失敗をする場合は、出きるだけ失敗をしないようにサポートしてあげることが大切です。おしっこやうんちを漏らさないように、食事の後や散歩の後などにしっかりとトイレに連れて行って、排尿に失敗しないようにしてあげましょう。

また、排泄しているときの体勢を維持できないという場合は、飼い主さんが身体を支えてあげるようにします。排泄に失敗した場合でも早くふき取って清潔にしてあげましょう。犬は清潔な場所が好きですし、おしっこの匂いが色々な場所で臭っているとトイレの場所が分からなくなります。

頻尿になった場合は、トイレを複数にしてすぐにトイレでおしっこができる状態にしてあげると粗相はしません。ケージから近い位置に数ヶ所トイレを設置してあげると良いでしょう。

色々とトイレの工夫や粗相をしない工夫をしてもだめな場合は、犬用のオムツで対応します。粗相は確実になくなりますが、犬の中にはオムツを嫌がる子もいます。そのため24時間つけているのではなく、食事を取った後など排泄するであろう時間に限定してオムツを利用すると良いでしょう。粗相は少なくなりますが、オムツでお尻が不潔になることもあるのでこまめに洗ってあげたり、ふき取ってあげてください。

 

まとめ

犬は10歳ころになると老犬になり、身体にもその特徴があらわれます。歩行が困難になったり、内蔵機能や免疫機能が下がることで病気にかかりやすくなります。

また、排泄で失敗することが多くなったり、睡眠時間が増えたり、犬によっては痴呆症の症状で徘徊することもあります。飼い主さんは愛犬が老犬になっても、その犬が安心して暮せるようにしっかりと環境を整えたり、コミュニケーションをとって最期までサポートしていってあげましょう。

老犬 食事 介護

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獣医師が犬の進化の歴史を研究。
進化栄養学など、様々な角度から
ドッグフード&療法食を作りました。

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記事を書いた人

宿南 章(しゅくなみ あきら)
獣医師
【文責】 獣医師・宿南 章(しゅくなみ あきら)
【資格】 獣医師免許(1993年取得)
【所属団体】
The Royal Society for the Protection of Birds 会員
日本盲導犬協会 会員
野生動物救護獣医師協会 正会員

【プロフィール】
1969年生まれ 兵庫県養父(やぶ)市出身。
日本大学農獣医学部(現日本大学生物資源科学部)獣医学科卒業。 獣医師。
横浜で犬猫の動物病院に勤務。その後、米国のCAM( Complementary and Alternative Medicine )を日本に導入している 研究所に移籍。北海道の農協の依頼を受け、牛のサルモネラダブリン症の治療を行い、当時抗生物質も効かない病気を治癒させるなど、数多くの治療実績を持つ。
その後、予防医学に特化した自然療法動物病院を設立し現在に至る。


【研修・研究内容】
1983年…アメリカ ウィスコンシン州、400エーカーの酪農家で住み込み実習
1985年…北海道 中標津 200頭飼育の酪農家で住み込み実習
1988年…獣医薬理学研究室にて薬草の薬理作用の研究(3年間)
1993年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(1回目)
1994年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(2回目)
2006年…オーストラリア メルボルン イアンゴウラー財団でガン医療研修

【論文】
Efficacy determination test for the Vibrational therapy in case of the skin ulcer induced on mice A.SHUKUNAMI Eastern Medicine 2004

【著書】
「薬いらずで愛犬の病気は治る」WAVE出版 は、17部門で1位を獲得するベストセラーとなり高い評価を得ている。
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