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愛犬の後ろ足が震える原因は?対処法と注意すべき病気

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愛犬の足が震えていたら何か悪い病気かケガでもしたのかと飼い主さんは心配になりますが、犬の足が震えるのには原因があります。

重大な病気の可能性もありますので愛犬の足の震えの原因を知って、その対策をしっかり考えて世話をしてあげることが大切です。

犬の足の震えの原因と対策について見ていくことにしましょう。

目次

犬の足が震える原因とは?

犬の足が震えている場合、いくつかの原因が考えられます。
では、どのような原因が考えられるのでしょうか?
主な原因は以下になります。

  • 老化が原因
  • 心理的要因
  • 寒くて震えている
  • ケガからくる震え
  • 吐き気がある
  • 発熱
  • 病気になっている

では、ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

老化が原因

犬も高齢になると人間と同じように老化によって足が不自由になってきます。
筋肉が老化してきて歩くと足がガタガタ震えたり、立っているだけで踏ん張る足の力がないので震えてしまうこともあります。老化により筋肉が衰えた結果、足が震える場合は後ろ足から症状が出ることが多いです。

心理的要因

人間も恐怖を感じたり、極度に緊張すると足がガクガク震えてしまいますが、犬も心理的な不安や恐怖などが原因で足が震えます。
突然大きな音がしたり、騒音が続いたり、脅かされたり、怖いことに遭遇したり、嫌いなことをされたり、苦手なことを強要されたりすると精神的に過度にストレスがかかり、足が震えます。

寒くて震えている

犬は元来寒さには強い動物です。
冬になって寒くなると毛が伸びて暖かくなるように体を守りますので普通の冬の寒さであれば問題はないはずですが、例えば夏でも冷房がかなり強く効いている場合は、犬も寒さを感じていることがあります。

特に冷たい空気は部屋の中でも犬の生活空間である下部に循環してきます。
このため、寒い空間では、犬は体を震わせることで体温を上げて寒さから体を守ります。
部屋の中で飼われているチワワやパピーなどの小型犬や老犬は、体温調節をするのが苦手ですので、寒くないのかチェックしてあげることが大切です。

ケガからくる震え

足を怪我していることで足が震えていることがあります。
足をどこかにぶつけたりして怪我をした結果、足が痛くて震えることがあります。

吐き気がある

食べすぐなどで吐き気がある場合足が震えることがあります。
吐き気だけでなく酷い下痢の時も足が震える場合があります。
また、乗り物酔いや中毒、薬の副作用が原因で痙攣していることがあります。

発熱

高熱があったり、高熱が続いていることで足が震えます。
また、感染症や熱中症などが原因であることもあります。

病気になっている

老化で筋肉が弱っているからでもなく、何か心理的に恐怖や不安によって足が震えているわけではないというように、飼い主さんが思いつく直接的な原因がない場合は、何か他に体に疾患があることが原因で足が震えている可能性があります。

病気が原因で足が震える場合に考えられる事

老化や心理的なものではなく、病気が原因になって足が震えている場合には以下のような事が考えられます。

  • 椎間板ヘルニアが原因の場合
  • 低血糖(糖尿病)が原因の場合
  • てんかんが原因の場合
  • 水頭症が原因の場合
  • トキソプラズマ症が原因の場合
  • 脳腫瘍が原因の場合
  • 犬ジステンパーウィルス感染症が原因の場合

それではひとつずつ詳しく見ていきましょう!

椎間板ヘルニアが原因の場合

症状

椎間板ヘルニアになると足が震えます。
他にも足がもつれたり、痛みの症状があるのが椎間板ヘルニアの初期症状です。

椎間板とは、犬の背骨と背骨の間に挟まっているクッションのようなものです。
ヘルニアはそのクッションがつぶれて変形してしまった状態です。

原因は様々ですが、主に事故などによる外傷や食べ過ぎなどによる肥満、また老化によっても起こります。
椎間板が外傷を受けると、中の髄核が外に飛び出してしまい神経を圧迫します。

背中や腰に痛みが出ますので散歩が好きな犬でも散歩に行きたくなくなったり、運動をしたがらない、ヨロヨロと歩く、ゆっくりした速度でしか歩けないという症状があります。

椎間板ヘルニアの症状が進みと麻痺を起こし、次第に痛覚も感じなくなり、足を引きずって歩いたり、立ち上がりにくくなります。

治療法

初期段階である場合は、薬で痛みを抑えます。
非ステロイド系の薬や抗炎症薬などを使いますが、ヘルニアの治療で大切なことは今の状態が悪化しないように安静にすることです。
散歩にも行きませんし、運動もさせないのでかわいそうですが、ケージから出ないように管理して安静にさせます。

肥満による体重増加が原因である場合は、体重を減らすことが重要になってきますので食事制限も必要です。
薬による治療や安静、減量でも症状がよくならない場合や、発見時にすでに椎間板ヘルニアの症状がかなり進んでしまっている場合は、獣医さんと相談して外科的手術を行います。
手術すると飛び出した髄核を物理的に除去します。

椎間板ヘルニアになりやす犬種

椎間板ヘルニアというのは背骨にあるので、胴長短足の体型の犬が椎間板ヘルニアになりやすいです。
ブルドッグ、ダックスフント、ビーグル、ウェルシュ・コーギ、アメリカンコッカースパニエルなどは胴長短足なので、愛犬がこれらの犬種で足が震える、ヨロヨロと歩くというような症状が出た場合は、椎間板ヘルニアである可能性はあるので早急に動物病院を受診するようにしましょう。

低血糖(糖尿病)が原因の場合

血糖値が下がると体が震えることがあります。
低血糖になる原因は色々ありますが、子犬や老犬の場合は食事を長時間摂らないことで血糖値が下がり低血糖の状態になります。しかし、健康で若い犬であるにも関わらず、低血糖で足が震える場合は糖尿病になっている可能性があります。

症状

糖尿病によって低血糖になっている場合の足の震えは、てんかんのような痙攣ではなく、長時間に渡って震えていますが、筋肉の収縮が激しくない震えです。
足の震えだけでなく、前足だけ突っ張ったり、ぐったりしたり、運動したがらない、元気がない、下半身の麻痺などがあります。

治療法

低血糖の場合は、血液中の血糖値が下がるのでブドウ糖を投与します。
経口投与の場合も静脈注射で行う場合もあります。
足が震えたときにすぐに砂糖水やハチミツなどを飲ませることで低血糖を回避できます。

糖尿病の治療としては、インスリン注射を行いますが、食事療法も非常に重要ですので獣医さんとよく相談して食事療法を行いましょう。

食事によって急激に食事後に高血糖になることもあるので、血糖値が上がりにくいように開発されたドッグフードを利用すると良いでしょう。

てんかんが原因の場合

てんかんは脳内の神経細胞が突然ショートしたかのように異常をきたし、震えというよりも痙攣が起こります。
脳腫瘍や水頭症など病気が原因していることもありますが、過度なストレスや遺伝的要素でもてんかんは起こります。

てんかんによる震えは足の震えだけでなく全身の場合もありますし、逆に体が硬直して動かなくなったりすることがありますので注意してください。

てんかんはなかなか予防できない病気です。
なってしまうと長期に渡って付き合っていく必要があります。

症状

単なる足の震えだけでなく、筋肉が激しく痙攣し、場合によっては顔の筋肉まで痙攣します。
意識を失って口から泡を吐いたり、失禁したり、脱糞したりして飼い主さんはびっくりしてしまいますが、痙攣が治まったたら何事も無かったかのように元気になることもよくあります。

治療法

てんかんの場合、完治させる治療薬はありません。
このため、抗てんかん薬でてんかんを起こさないように、上手に抑えながら生活する必要があります。

重篤な症状の場合は命に関わる病気なので、足の震えや全身の痙攣があった場合は早急に動物病院を受診してください。

水頭症が原因の場合

水頭症は脳や脊髄の脳脊髄液が増えて脳室という場所が異常に大きくなり、脳を圧迫することで起こります。

症状

何となくぼんやりしていたり、元気がなかったり、眠っている時間が長くなったり、動作が遅くなるという症状から、認知症のようになり、急に吠えたり、興奮したり、過食になったり、食欲不振になります。
斜視になったり、目が見えなくなるほか、足の震えだけでなく全身が震えたりします。

治療法

水頭症は脳内の圧力を下げる薬を投与したり、副腎皮質ホルモン薬を使用しますが、重症になると外科的手術を行います。
残念ながら水頭症を完治させる治療法は今のところありませんので、一生付き合っていく病気になります。

トキソプラズマ症が原因の場合

トキソプラズマという寄生虫によって感染する病気です。
トキソプラズマに感染している猫の糞を舐めたり、鼻に触れることによっても感染します。
大型犬や中型犬で毎日散歩をする場合は、散歩中に感染させないように飼い主さんは管理しておくことが大切です。

症状

犬が感染しても無症状であることもありますが、発熱したり、足や体が震えるということがあります。
免疫力の低い犬が感染すると、肺炎や肝炎などの内臓疾患を起こすこともあります。

治療法

サルファ剤や抗生剤の投与をします。
発熱している場合はその治療も行います。

脳腫瘍が原因の場合

脳内に腫瘍が出来ることで体に様々な症状が出ます。
脳内のどこに腫瘍ができるかによってその症状が様々です。

症状

てんかんのように、全身が激しく痙攣したり、首が一定方向に傾いたり、足元がフラフラします。
動くことができなくなったり、一日中ぐったり眠っていることもあります。
また、視覚や聴覚が麻痺したりする一方、痴呆症のように徘徊する犬もいます。

治療法

腫瘍の大きさや症状などによって治療方法は変わってきますが、外科的な手術や化学療法、放射線治療などがメインとなります。
高度医療が多いので治療がかなりかかる可能性があります。

犬ジステンパーウィルス感染症が原因の場合

犬ジステンパーウィルスに感染することで起こります。
ジステンパーウィルスは感染力が強く、感染すると呼吸器や消化器、神経系に損傷を与えます。

症状

最初は目やにや鼻水、40度ほどの発熱、食欲不振、咳、くしゃみなどの風邪に似た症状ですが、病気が進行すると結膜炎や角膜炎、嘔吐、下痢、肺炎などを起こします。

更に病気が進行するとウィルスが脳脊髄などで炎症を起こし、足が震えたり、麻痺、網膜はく離、視神経の炎症で失明、化膿性皮膚炎、鼻や肉球が硬くなるハードパッドになります。

治療法

特効薬や治療法がないので感染してしまうと命に関わる病気です。
病気にかかったときの犬の体力や免疫力によって症状が変化しますので、感染が分かったら病気の犬を隔離して徹底的に消毒します。
治療薬はありませんが、ワクチンはありますのでかからないように予防することが大切です。

尿毒症

腎機能が下がり、老廃物が体外に排出されないことによって他の臓器に影響します。
元気がなくなり、食欲不振になり、下痢、嘔吐になり、足が震えたり、全身が痙攣します。

中毒

犬は玉ねぎやチョコレート、殺虫剤や除草剤などの薬品が体内に入ることで中毒症を起こします。
中毒になると足が震えたり、痙攣を起こします。

足が震えるときの対処法

「足が震えているのでは?」と思った時、愛犬にはどのような対処をしてあげればいいのでしょうか?
病気以外の理由で足が震えた時の対処法を紹介していきます。

主な対処方法としては以下の点になります。

  • 適度な運動
  • マッサージ
  • 室温を調節する
  • ストレスを溜めない
  • 病院に連れて行く
  • 食事に気をつける

それぞれ見ていきましょう!

適度な運動

老化によって筋肉が衰えて足が震える場合は、適度に運動して筋力を落とさないようにすることが大切です。
老犬になると散歩に出たがらない犬もいますが、毎日散歩をして筋肉をして運動させましょう。

マッサージ

血流やリンパの流れが悪くなっていることで筋肉が硬くなることもあるので、愛犬が気持ちよいと感じる程度に足をマッサージしてあげましょう。

室温を調節する

寒いことで足が震えているならば、まず室温をあげて適温にしてあげましょう。
また、小型犬などは自分で体温をなかなか調節できないのでお洋服を着せたりしてあげるのも良い方法です。
体を暖かくしてあげることで足の震えがおさまります。

ストレスを溜めない

心理的に恐怖や不安があると足がガタガタ震えるので、安心して生活できるような環境や飼い主さんは愛犬に優しく接してあげてください。
心が穏やかで精神が安定することで震えはなくなりますし、健康状態もよくなります。

病院に連れて行く

愛犬の足が震えている時に、原因がよく分からない場合はできるだけ早急に動物病院を受診して的確な診断をしてもらってください。
足の震えには大きな病気が隠れていることもあるので注意しましょう。

食事に気をつける

足が震えている原因に合わせてしっかりと日頃の食事内容を見直す必要があります。
大きな疾患がある場合は、獣医さんに相談してその病気に適した食事をさせてあげましょう。

基本的には栄養バランスの良い食事が大切ですが、糖尿病などの場合には、食事内容もその犬それぞれによって気をつけるポイントが違うのでしっかり獣医さんに確認してください。

高品質なドッグフードを利用することで長期間に渡って安定した健康的な食事を与えてあげることができます。

まとめ

獣医師・宿南章

犬の足の震えには様々な原因があります。
老化、寒いこと、ストレスなど飼い主さんにある程度原因が分かるものもあれば、大きな病気のせいで足が震えていることもあります。
原因がはっきり特定できずに足の震えが頻繁にある場合は早めに動物病院を受診しましょう。

犬 後ろ足の震え

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獣医師・宿南章の愛情ごはん療法食

獣医師が犬の進化の歴史を研究。
進化栄養学など、様々な角度から
ドッグフード&療法食を作りました。

興味の多いテーマ

記事を書いた人

宿南 章(しゅくなみ あきら)
獣医師
【文責】 獣医師・宿南 章(しゅくなみ あきら)
【資格】 獣医師免許(1993年取得)
【所属団体】
The Royal Society for the Protection of Birds 会員
日本盲導犬協会 会員
野生動物救護獣医師協会 正会員

【プロフィール】
1969年生まれ 兵庫県養父(やぶ)市出身。
日本大学農獣医学部(現日本大学生物資源科学部)獣医学科卒業。 獣医師。
横浜で犬猫の動物病院に勤務。その後、米国のCAM( Complementary and Alternative Medicine )を日本に導入している 研究所に移籍。北海道の農協の依頼を受け、牛のサルモネラダブリン症の治療を行い、当時抗生物質も効かない病気を治癒させるなど、数多くの治療実績を持つ。
その後、予防医学に特化した自然療法動物病院を設立し現在に至る。


【研修・研究内容】
1983年…アメリカ ウィスコンシン州、400エーカーの酪農家で住み込み実習
1985年…北海道 中標津 200頭飼育の酪農家で住み込み実習
1988年…獣医薬理学研究室にて薬草の薬理作用の研究(3年間)
1993年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(1回目)
1994年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(2回目)
2006年…オーストラリア メルボルン イアンゴウラー財団でガン医療研修

【論文】
Efficacy determination test for the Vibrational therapy in case of the skin ulcer induced on mice A.SHUKUNAMI Eastern Medicine 2004

【著書】
「薬いらずで愛犬の病気は治る」WAVE出版 は、17部門で1位を獲得するベストセラーとなり高い評価を得ている。
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