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子犬のしつけ|食事・無駄吠え・散歩・噛む・トイレ別5つのポイント

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犬のしつけは言葉ではダメと知っていますか?犬は人間と違い、言葉の意味を理解して行動するわけではないからです。人間に教わった行動を学び、それを繰り返すことで覚えていきます。時にはご褒美などを与えながら、訓練していく必要があるのです。もちろん行動を覚えれば、トイレトレーニングや座れ、伏せなども身に付きます。

まずは犬の能力や行動を飼い主が理解してあげることが大切です。今回は、そんなしつけとそのポイントについて見ていくことにしましょう。

目次

犬へのしつけは叱らないことが大切

しつけ=叱ることと勘違いしている方も多いと思いますが、しつけは犬の行動を制御するために行う行為で、決して怒ることではありません。よく犬がいたずらをしたため、怒っている飼い主さんを見かけることがありますが、これはしつけではありません。怒った声にビクッとして一時的にいたずらを止めているだけなのです。その理由は犬が言葉を理解できないから。

また、犬は言葉の意味が分からないため、反省することもありませんし、飼い主のために行動を変えることもありません。「叱られたことで反省している表情を見せるのに・・・本当に?」と思っている飼い主さんもいると思いますが、同じいたずらを何度も繰り返してしまうのはこのためです。

ではどんなしつけが良いと言えるのでしょうか?その答えは、始めから覚えさせないことです。

 

悪いことを覚えさせてはいけない

ゴミをあさったり、人間の食べ物を食べてしまうなど犬の行動に困ってしまうことはたくさんありますが、これは一度してしまったがために、楽しい、おいしいと記憶してしまうから出てしまう行動なのです。

しかし、その行動そのものを知らなければ、犬はいたずらをすることもありません。ゴミ箱をはじめから犬の届く場所に置かないようにしたり、人間の食べ物を与えなければ、しつけができてしまうのです。

犬は賢い動物です。一度記憶したものを排除することはできません。そのため、何度叱られても、同じ行動をとることになります。犬の行動をリサーチし、悪いことを覚えさせないよう、まずは飼い主さんが努力してみましょう。反対に行動することで覚える犬ですので、良いことを繰り返させれば、覚えて欲しいしつけもすんなりできるようになります。

これがしつけの鉄則です。悪いことは覚えさせない、良いことはどんどん覚えさせる、この2つのルールを守って、犬のしつけに取り組んでいきましょう。

 

 

しつけは犬の行動パターンに従って進めていこう

犬をしつけるために大切なのが、犬の行動パターンを理解することです。犬は嬉しいと嫌と言う感情によって行動が分かれます。嬉しいことが起こればそれを繰り返そうとしますし、嫌なことが起こればその行動をしなくなります。この犬の行動パターンを元にしつけを進めていけば、苦労なくしつけができると言う訳です。

その行動パターンは大きく4つに分かることができます。まずはその行動の仕組みから見てみることにしましょう。

 

嬉しいから取る行動

犬も人間に褒められると嬉しいと感じます。トイレができたり、待てやお座りができた時人間に褒められれば、嬉しいと感じるためこの行動を繰り返すようになります。

これは、犬のしつけでも最も大切なポイントです。「嬉しいから、取る行動」のパターンを利用して良いこと、覚えてほしいことをどんどんしてくれるよう誘導していきましょう。

 

嫌だから、取らない行動

他の犬にちょっかいを出し、かまれたり吠えられたりすると、それは嫌な記憶として残ることになり、同じ行動を繰り返さなくなります。この行動パターンは悪いことを覚えさせるために使っていけると良いでしょう。軽い罰などを与えてみるのも効果的です。大きな音を鳴らしたり、ペットボトルを犬の側に投げる、リードを引っ張るなどしてみると効果的にしつけができます。

ただし、毎回、すぐに罰を与える必要があります。悪い行動をしたら、行動後すぐに罰を与えるのがポイントです。罰を選びたくないと言う場合には3番を試してみましょう。

 

嬉しくないから、取らない行動

人間にとって悪いことをした時、目線を合わせなくしたり、無視を続けると犬は嫌だ、構って、寂しいと感じます。つまり同じ行動を取らなくなるのです。

この犬の行動パターンは散歩中の飛びつきや、無駄吠えをなくすためにも使うことができます。無視を続け、どんなに要求を訴えても、嬉しいことは起きないと記憶させ、悪い行動を制御していきましょう。

 

嫌なことがなくなるから、取る行動

犬にとって嫌なことをしたとき、それをやめて欲しいがあまり、人間に向かって吠えたり、かんだりすることがあります。例えばシャンプーやブラッシングなどです。嫌いな子にとっては苦痛と感じますので、飼い主にさえ反撃してくる子もいますが、反撃の行動をとることによって、一度嫌なことをしなくて済むと学習してしまうと、他の嫌なことがあった時にも、また吠えたり噛んだりするようになってしまうのです。犬が嫌がるそぶりを見せることに対しては、無理強いするのではなく、ゆっくり慣らしていくことも大切と言えるでしょう。

人間にとっては「理解できない、どうやってしつければいいの?」と思うこともありますが、その仕組みは単純です。まずは犬の行動パターンを理解し、しつけを行っていくようにしましょう。

 

褒めて、育てるしつけを!

犬は賢い動物です。良い行動をした時、人間が褒めるよう育てると、必ずその良い行動を理解していきます。叱るしつけではなく、褒めるしつけをしていくようにしましょう。

もちろん言葉で褒めてあげることも大切ですが、言葉を理解できない犬には、やはりご褒美の方が高い効果を発揮してくれます。ご褒美となるおやつやフードを上手に活用し、褒められること=嬉しいことと記憶させていきましょう。

特に仔犬の場合、言葉で褒めても何の意味もありません。誉め言葉を理解させるためにもご褒美と誉め言葉を組み合わせて、しつけをしていきましょう。

 

行動を覚える犬の能力を生かしたしつけを

飼い主が化粧をし始めると、外出してしまうと悟ったり、リードを出してくると散歩に行けると喜びます。このように、犬は行動を覚える能力に長けていますので、言葉だけでなく行動、つまりジェスチャーなどを使ってしつけを行うとスムーズに記憶してくれます。お座りや伏せ、待ても手でサインを決めながら言葉と共にしつけるのが一番です。

犬が記憶しやすいよう、曖昧なサインは避け、家族みんなで共有しながらしつけしていきましょう。

 

シチュエーションごとのしつけのポイント

犬が人間と共存していくためには、生活の中で色々なことを覚えていく必要があります。そのシチュエーションごとに、仔犬のしつけのポイントを紹介していくことにしましょう。

 

食事

一番大切な食事のポイントは、人間の食事と犬の食事をきちっと分けることです。人間のごはんを犬に与えることはもちろんのこと、人間より先に食事を与えないよう徹底していきましょう。犬は本能として、食事の順番で、群れの順位を理解する生き物ですので、間違っても人間より先に食事を与えないようにしましょう。

また、食事の前におあづけを覚えさせようとする飼い主さんもいるようですが、ご褒美を使ったしつけを行っていく場合、この行動は逆効果となってしまいます。食事(ご褒美)が我慢の(嫌な)時間となってしまうため、言うことを聞かなくなってしまうからです。

お座りをさせ、すぐに与えて構いませんので、食事の時間は楽しい気持ちのまま与えてあげるようにしましょう。食べている時に触ることもしつけになります。

触られても、決して取られない、嫌ではないと覚えさせることができますので、小さな頃から度々実践してみましょう。

子犬にはどんな食事内容がいいのかということについては、獣医師である宿南章が子犬の成長期に必要な栄養素を考えて開発した「デイリースタイル プレミアムフード子犬用」も参考にしてみてください。

関連記事:子犬のドッグフードの選び方とは?ふやかす時の方法と注意点

 

 

社会性を教える

人間と生活するようになると色々なものや音に過剰すぎたり、攻撃的な反応をしてしまうことも。無駄吠えが多い犬や臆病な犬にならないよう、しっかり社会生活を教えていきましょう。

仔犬のうちから、車のクラクションや掃除機の音など、うるさい音や驚く音に慣れさせたり、様々な場所に連れていき、落ち着いた行動が取れるようにしつけましょう。

他の犬と交流を持つことも忘れてはいけません。散歩をスムーズにできるようになるためにも、ドッグランなどに早いうちから連れていくよう心がけましょう。何度も繰り返し、行動で覚えさせることが早く社会性を身につけさせる近道になりますよ。

 

トイレ

排泄場所をしっかり身につけていないと、そこら辺でされる度に飼い主もストレスになってしまいますよね。そのストレスが原因となり、犬を叱りつけてしまうこともあるでしょう。

なかなか覚えてくれないと飼い主も確かに大変ではありますが、トイレのしつけでも決して犬を怒らないようにしましょう。なぜなら、排泄を我慢してしまうことがあるからです。

散歩に行かないとおしっこやうんちをしなくなり、飼い主の散歩の負担も増えることになります。1日何度も散歩に行かなくてはならないと、尚更ストレスになってしまいますよね。おしっこのタイミングを見計らって、トイレに連れていくトレーニングをしてみましょう。

トレーニングは2日から3日十分な時間を設けて行うことがポイントです。1日教えて休むを繰り返しては、しつけになりません。愛犬のしつけのために十分な時間が取れる時を見計らって、しつけを行いましょう。

また、なかなか時間が取れないと言う人は、サークルの中にトイレシートを敷いてみるのも良いでしょう。犬は自分の寝床となるサークルの中におしっこをしたがらないので、嫌なことはしないと言う行動をとるようになり、自らトイレを覚えてくれます。外に出すタイミングは排泄後と決めて、徹底的にシートの上での排泄を体で覚えさせましょう。

関連記事:失敗しない子犬のトイレトレーニング!しつけのコツ

 

散歩

予防接種が終了すると、ようやく散歩デビューできますが、その散歩中、犬がグイグイとリードを引っ張ってしまうと言う方も多いのではないでしょうか?

そんな散歩のしつけは、犬が前に出たら止まるのがポイントです。犬が少しでも前に出たからと言って、それについて行く散歩は止めましょう。止まれば、犬も歩みが止まることになりますので、いけないと行動で学ぶことができます。

 

噛みつき癖や吠え癖

噛みつき、吠えをなくさせるためには、徹底的に無視することが一番です。やめなさいなどと飼い主が構えば構うほど、楽しいことと覚えてしまうため、こうした行動がエスカレートしてしまいますのでやめましょう。

しかし、犬は本能的に噛みたい、吠えたいと言う衝動に駆られることも少なくありません。噛みたい犬の本能を満足させてあげるためにもおもちゃを与えたり、運動を十分させてあげるようにしてくださいね。

関連記事:子犬の甘噛みの意味を知り、叱ることなく痛い癖を治す対処法

 

 

遊びながらしつけをしていく

仔犬にルールを覚えてもらうためには、前述したように嬉しいと言う気持ちが大切になってきます。その行動パターンを活用するためにも、ぜひ遊びの中でしつけをしていくようにしましょう。

例えばしつけに使えるのがコングと言うおもちゃです。中が空洞になっており、犬の好物などの食材を入れられるようになっています。少し詰めたものが取りにくい構造をしているため、しつけにも使うことができるおもちゃです。毎日のケアや留守番、リードを付ける時、いたずら防止のためにも使えますので、ぜひしつけと遊びのアイテムとして購入してみると良いでしょう。

コングの中にはクリームチーズやフードを入れてみるのがおすすめです。簡単に取ることができないよう、工夫して色々なものを詰めてみてくださいね。舐めたり、噛んだりしている間に犬が嫌がるケアをしたり、気を紛らわさせることができますので、飼い主さんのアイディア次第で、使い方も色々です。

楽しい、嬉しいと言う犬の気持ちを大切にしながら、上手なしつけをしていってくださいね。

 

まとめ

犬のお世話やしつけを覚えさせるためには、犬の行動パターンを理解することが重要になってきます。どんなに叱りつけたからと言って犬はそれを理解できないからです。

犬の嬉しい気持ち、嫌な気持ちを上手く誘導しながら、行動で教えさせていくと良いでしょう。お世話やしつけに使うサインも言葉だけではなく、手などで指示してあげるようにしましょう。

犬が分かりやすいサインを出してあげるだけで、早く理解してくれることも増えてきますので、ぜひ世話、しつけの方法として取り入れてみてくださいね。ぜひ楽しみながら、犬のお世話、しつけに取り組んでいきましょう。

子犬のしつけ

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獣医師が犬の進化の歴史を研究。
進化栄養学など、様々な角度から
ドッグフード&療法食を作りました。

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記事を書いた人

宿南 章(しゅくなみ あきら)
獣医師
【文責】 獣医師・宿南 章(しゅくなみ あきら)
【資格】 獣医師免許(1993年取得)
【所属団体】
The Royal Society for the Protection of Birds 会員
日本盲導犬協会 会員
野生動物救護獣医師協会 正会員

【プロフィール】
1969年生まれ 兵庫県養父(やぶ)市出身。
日本大学農獣医学部(現日本大学生物資源科学部)獣医学科卒業。 獣医師。
横浜で犬猫の動物病院に勤務。その後、米国のCAM( Complementary and Alternative Medicine )を日本に導入している 研究所に移籍。北海道の農協の依頼を受け、牛のサルモネラダブリン症の治療を行い、当時抗生物質も効かない病気を治癒させるなど、数多くの治療実績を持つ。
その後、予防医学に特化した自然療法動物病院を設立し現在に至る。


【研修・研究内容】
1983年…アメリカ ウィスコンシン州、400エーカーの酪農家で住み込み実習
1985年…北海道 中標津 200頭飼育の酪農家で住み込み実習
1988年…獣医薬理学研究室にて薬草の薬理作用の研究(3年間)
1993年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(1回目)
1994年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(2回目)
2006年…オーストラリア メルボルン イアンゴウラー財団でガン医療研修

【論文】
Efficacy determination test for the Vibrational therapy in case of the skin ulcer induced on mice A.SHUKUNAMI Eastern Medicine 2004

【著書】
「薬いらずで愛犬の病気は治る」WAVE出版 は、17部門で1位を獲得するベストセラーとなり高い評価を得ている。
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