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犬のダニが原因の病気とは?種類別の治療と予防法まとめ

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犬に寄生する寄生虫にダニがあります。
ダニが犬に寄生したり、ダニがたくさんいる環境に愛犬を放置するとダニが原因でいろいろな病気にかかります。
ダニが犬にもたらす病気やその対策、予防法を紹介していくことにしましょう。

目次

ダニって虫?

ダニには4対8本の脚があるクモ類の寄生虫で、脚が6本の昆虫とは近いですが違います。

ダニと一口に言ってもいろいろな種類のダニがおり、その種類は約2万種類ほど存在し、そのほとんどはよく知られていないというのが現状です。

犬に寄生するダニのほとんどは1ミリ以下の小さいものです。

犬に寄生するダニの種類

犬に寄生するダニといっても1種類ではありません。
以下のようにいろんなダニがいます。

  • マダニ
  • ニキビダニ
  • ヒゼンダニ
  • ツメダニ
  • 耳ダニ(犬ミミヒゼンダニ)

マダニ

犬に寄生するダニで一番有名なのがマダニです。
吸血性のダニで、寄生する宿主に取り付くと皮膚の下の方にくちばしを刺して吸血します。

犬の体だけにいるわけではなく、普段は地面や草むらに生息していますが、熱や振動、動きや影などによって寄生する主を探し飛び移って寄生します。
犬だけでなく人間もさされて吸血されることがよくありますが人間よりも犬を好みます。

マダニにもいろいろな種類がおり、ツリガネチマダニ、クリイロコイタマダニ、フタとげ地マダニ、キチマダニなどがあります。大きさは3~4ミリほどのものが多く、ダニの中では比較的大きい方のダニで、人間の肉眼で確認できます。

犬に寄生する場合は、顔の周りや耳、胸部、内股、お尻周りに寄生します。

5~9月ごろに発生することが多いですが、1年を通して生息していますので常に注意が必要です。
一旦犬の体にマダニが飛びつくと、数時間から数十日間も吸血し続けます。

ニキビダニ

毛包虫とも呼ばれ、犬の毛根を囲んでいる毛包にいます。
ほとんどの犬の毛包に生息しています。(人間の顔にも寄生しています)
ニキビダニは一生を哺乳類に寄生して皮膚の余分な皮脂や皮質をたべてくれますが、大量に寄生した場合、ニキビダニ症などになります。

ヒゼンダニ

体長はマダニよりもかなり小さく、犬に寄生するメスは体長は0.4ミリ以下(オスは0.2ミリほど)で洋ナシのような形をしています。
メスのヒゼンダニは皮膚の表面に小さな穴を掘り、そこに卵を産み付けたり、糞を出します。

小さいので人間の肉眼ではなかなか見つけることができませんが、ヒゼンダニがアレルゲンになりアレルギー反応を起こして疥癬という皮膚病になります。

犬よりも人間の体温の方を好むので人間に寄生することが多いのですが、犬にも寄生します。

ツメダニ

体長が0.5ミリほどで透明なので肉眼でなかなか見つけることができません。
マダニのように吸血するダニではありません。

体の前の方に大きなツメが付いているのでツメダニと言われますが、このツメで犬の皮膚に取りついて体液やリンパ液を吸って生きています。
また、犬の皮膚で繁殖を繰り返します。

耳ダニ(犬ミミヒゼンダニ)

犬の耳の中に寄生し、犬の耳垢を食べて生きています。
犬に寄生する場合は皮膚に潜ってトンネルを掘り一生をそこで過ごします。
動物の体から離れてしまうと数日しか生きることができません。

マダニが原因で起こる病気は?

マダニが原因で起こる病気には以下のようなものがあります。

貧血(エールリヒア症)

マダニを媒介とする感染症ですが、8~20日間ほどの潜伏期間があり、鼻血が出たり、体重が減少したり、リンパ節が腫れたりします。
血小板や白血球が減少し、貧血になります。

アレルギー性皮膚炎

マダニに吸血されることで、アレルギー反応を起こします。
目の周りや足の先、脇の下、足周りなどに痒みが出たり、痛みが出たりします。

バベシア症

バベシアという原虫がマダニを媒介として犬の体内に入ることで感染します。
マダニに吸血されてから48時間ほどで感染します。

バベシアは犬の赤血球の中で増殖します。
主に西日本の山野にいるマダニから感染しますが、徐々に東日本でも症例が出てきています。
貧血になったり、血尿がでたり、嘔吐、下痢、発熱、急性の場合は黄疸や衰弱にもなります。
重症化すると死亡する可能性もある恐ろしい病気です。

ライム病

マダニを媒介としてスピロヘータという細菌が犬の体内に入り感染します。
人間も感染するので注意が必要です。
免疫力の低い子犬や老犬は数日から数年の潜伏期間を経て発病し、発熱したり、食欲がなくなったり、元気がなくなったり、関節炎、神経症状が出ます。

ダニ媒介性脳炎

日本脳炎と同じウィルスによって引き起こされる感染症です。
震えや痙攣などの神経症状が出て最後には死亡する可能性もあります。

日本紅斑熱

マダニからリケッチアという病原体が犬の体に入ることで起こります。
発熱や全身の発疹などが症状ですが、重症化すると死亡する可能性のある恐ろしい病気です。

ニキビダニが原因で起こる病気

ニキビダニが原因で起こる病気には以下のものがあります。

アラカス症(ニキビダニ症、毛包虫症)

イヌニキビダニが生後間もない時期に母犬から感染すると言われています。

寄生しても症状がないため多くの犬に寄生していますが、免疫力や抵抗力、体力が低下している犬の場合、ニキビダニが異常繁殖してアラカス症になります。

全身、四端性、局所性と繁殖場所のパターンがありますが、最初は脱毛や皮膚の赤らみ、フケといった症状が目や口の周りから広がり、首、胴体、四肢という具合に全身に広がっていきます。
重症化すれば皮膚が化膿したり、出血したりします。

治療するためには駆除薬によってニキビダニの駆除を行いますが、完全に駆除することができにくいのが現状です。
皮膚が化膿している場合は抗生物質などの投与で治療します。
治療は長期間に及ぶこともよくあり、症状が軽くなっても治療を根気強く続ける必要があります。

ヒゼンダニ・耳ヒゼンダニが原因で起こる病気

ヒゼンダニ、耳ヒゼンダニが原因でおこる病気には以下のようなものがあります。

疥癬(ヒゼンダニ症)

犬の疥癬はヒゼンダニが皮膚の表面に寄生して強い痒みが出る病気です。

伝染性の皮膚疾患で、感染経路は犬同士の接触でヒゼンダニが犬に寄生します。
犬だけでなく、人間にも寄生しますので飼い主さんは気をつける必要があります。
疥癬は2歳以下の若い犬によく起こる病気ですが、クッシング症候群などで免疫抑制剤を服用している犬は特に感染しやすいので注意が必要です。

感染すると数日で犬に痒みが出てきますが、感染後3週間ほどたつと酷い痒みが出ます。
また、体で毛の薄い部分にぶつぶつの発疹がでたり、フケが出たりします。
強烈な痒みがあるために犬が掻いて脱毛したり、出血してかさぶたが出来たり、皮膚が化膿することもあります。
耳周りに感染することが多いので耳を特に痒がる場合は疥癬を疑います。

また、痒みのためにイライラしたり、ストレスが溜まるので食欲が落ちて体重が減少します。
耳の中が黒くなったり、悪臭がしたりすると耳にヒゼンダニが寄生しています。

細菌性外耳炎

ヒゼンダニなどに感染し、耳疥癬になると耳の中にダニの排泄物などが溜まるようになりますが、それらの異物が耳の外耳に炎症をもたらします。

耳の外耳道が炎症を起こして、匂いのある耳垢が溜まったり、外耳道の皮膚が厚くなったり、耳をよく触るようなしぐさがある場合は注意しましょう。
また、重症化すると鼓膜が破れるという症状もあります。

いずれにせよ、ヒゼンダニなどが寄生して起こるので耳の中を清潔にしてあげることが重要です。

ツメダニが原因でかかる病気

ツメダニが原因でかかる病気には以下のものがあります。

犬ツメダニ皮膚炎

犬ツメダニが既に寄生している犬や猫との接触やリードやブラシの共同使用、ノミ、シラミ、ハエなどの外部の寄生虫を介して犬ツメダニが寄生します。

頭に大きなツメを持っているダニですが、ツメダニが犬に寄生すると背中に多くのフケが出るようになります。
皮膚に赤味が出たりしますが、痒みはあまりありません。

子犬がよくかかる病気ですが、ツメダニを駆除するシャンプーなどを使用したり、殺ダニ剤で駆除することができます。

寄生したダニの対策と予防

ダニに寄生された時、あるいはそうなる前の予防としてはどうしたらいいのでしょうか?
主に以下のような事が考えられます。

  • 薬(レボリューション)の投与
  • 薬(フロントラインプラス)の投与
  • ダニ予防シャンプー
  • 他の犬との接触を避ける
  • 定期的なブラッシング
  • 生活環境からダニを排除する

それではひとつずつ見ていきましょう。

薬(レボリューション)の投与

犬に寄生するダニを駆除するために駆除薬を使用します。
代表的な駆除薬にレボリューションがあります。

レボリューションは2013年にゾエティス社(ファイザー)から発売され、その名の通り、ダニの駆除だけでなくノミの駆除や予防、フィラリア予防にも効果があります。

ダニは皮膚でレボリューションの主成分のセラメクチンに直接接触することで死滅します。
また、皮膚から血液中に吸収されたセラメクチンを吸血することでも死滅します。
レボリューションは約1ヶ月効果が持続するのも特徴です。

グルーミングの際に愛犬が自分で舐めることがないよう、首元や肩甲骨辺りに毛を掻き分けて薬を地肌に滴下するだけですので使い方は非常に簡単です。

滴下した数日は少し薬の匂いが残りますが、レボリューションを投与してから2時間以内にシャンプーを使用すると薬の効果が短くなるので注意してください。

愛犬が汗かきでシャンプーが必要であると感じるときは、レボリューションを使用する前にあらかじめシャンプーを済ませておくと良いでしょう。

経口タイプのレボリューションもありますので、頻繁にシャンプーをしたいという場合は経口タイプを使用するとよいと思います。

レボリューションは副作用の少ない薬ですが、生後6週未満の子犬には使用できません。
また、愛犬がどことなく元気がないという日には使用しないようにしましょう。
レボリューションは副作用も少ない薬ですが、稀に嘔吐や下痢という副作用があることもあります。

薬(フロントラインプラス)の投与

フロントラインは歴史が深く、主成分のフィプロニルの発見は今から30年ほど前になります。
その後、フロントラインの有効性と安全性を増して2006年にフロントラインプラスが発売され、世界中で犬のダニの駆除薬として使用されています。

犬の肩甲骨に垂らして使用すると、フィプロニルが皮脂腺から24時間以内に全身に行き渡ります。
ダニの駆除だけでなくノミの駆除にも使用できますが、犬のダニ寄生に対しては有効期間が約1ヶ月しかありませんので注意しましょう。

ダニ予防シャンプー

ダニを日頃から犬の体に寄せ付けないために、体を洗ってあげるシャンプーをダニ予防用のシャンプーに変えます。
ダニが嫌うハーブであるラベンダーやゼラニウム、ユーカリ、ペパーミントなどの成分が入っているものが多いです。

草むらを歩く時や他の犬と接触する場合などは、ハーブ成分が体についているとダニ予防になります。
しかし、シャンプーですので成分は2日間ほどしか効き目がありません。
なかなかシャンプーできない場合は、ハーブ成分の付いたタオルで体を拭いてあげましょう。

他の犬との接触を避ける

ダニが愛犬に寄生するタイミングとしてよくあるのが、既に感染している犬や他の動物との接触です。
それが感染の原因であるので、飼い主さんは常に愛犬の接触する動物には気をつけておく必要があります。

散歩などをしていると他の犬と触れあうこともありますが、飼い主のいない野良犬などには、ダニがたくさん寄生している可能性も高いので、ノーリードで散歩をして不特定多数の動物と接触させないようにします。

また、トリミングをしてもらう美容院で使うブラシやバリカンなどの道具が、ダニに感染している犬の施術に使われたままで愛犬の施術に使用されるなどした場合も注意が必要です。

ペットが利用するカフェ、ホテル、病院、個人宅でも知らず知らずのうちにダニが寄生する可能性があります。
愛犬が利用する施設などは、ダニの感染がないように信頼のある施設を利用することも大切です。

定期的なブラッシング

マメに愛犬の体をブラッシングしてあげることで体についたダニを発見したり、皮膚病などの症状に早く気がつくこともできます。

生活環境からダニを排除する

愛犬の生活環境をマメに掃除したり、殺菌したりして清潔を保ちます。
犬小屋や寝床は常に清潔にしますが、道具などはできる限り、熱湯殺菌してダニの繁殖を防ぎます。

ダニは熱に弱く50℃以上で死滅します。
このため、熱湯殺菌する場合は、50℃以上のお湯に道具を10分ほどつけておくとよいでしょう。
ケージやリード、ブラシ、タオル、マットなどを熱湯消毒します。

まとめ

獣医師・宿南章

犬にはダニが原因でかかる病気がたくさんあります。
日頃からダニに感染させないように、生活環境からダニを極力愛犬に近づけないようにすることが大切です。

また、ダニに感染しても早期に発見してしっかりと対処することで、病気が重症化することが少なくなります。

愛犬の体全体を日頃からよく観察しておくことも大切ですし、ダニの予防のための駆除シャンプーや駆除剤を利用することも有効です。

犬のダニ

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獣医師が犬の進化の歴史を研究。
進化栄養学など、様々な角度から
ドッグフード&療法食を作りました。

興味の多いテーマ

記事を書いた人

宿南 章(しゅくなみ あきら)
獣医師
【文責】 獣医師・宿南 章(しゅくなみ あきら)
【資格】 獣医師免許(1993年取得)
【所属団体】
The Royal Society for the Protection of Birds 会員
日本盲導犬協会 会員
野生動物救護獣医師協会 正会員

【プロフィール】
1969年生まれ 兵庫県養父(やぶ)市出身。
日本大学農獣医学部(現日本大学生物資源科学部)獣医学科卒業。 獣医師。
横浜で犬猫の動物病院に勤務。その後、米国のCAM( Complementary and Alternative Medicine )を日本に導入している 研究所に移籍。北海道の農協の依頼を受け、牛のサルモネラダブリン症の治療を行い、当時抗生物質も効かない病気を治癒させるなど、数多くの治療実績を持つ。
その後、予防医学に特化した自然療法動物病院を設立し現在に至る。


【研修・研究内容】
1983年…アメリカ ウィスコンシン州、400エーカーの酪農家で住み込み実習
1985年…北海道 中標津 200頭飼育の酪農家で住み込み実習
1988年…獣医薬理学研究室にて薬草の薬理作用の研究(3年間)
1993年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(1回目)
1994年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(2回目)
2006年…オーストラリア メルボルン イアンゴウラー財団でガン医療研修

【論文】
Efficacy determination test for the Vibrational therapy in case of the skin ulcer induced on mice A.SHUKUNAMI Eastern Medicine 2004

【著書】
「薬いらずで愛犬の病気は治る」WAVE出版 は、17部門で1位を獲得するベストセラーとなり高い評価を得ている。
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