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【犬の白血病】症状と治療法、余命や食事についての知識

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犬も、人間と同じようにさまざまな病気にかかります。白血病もその一つです。

白血病とは「血液のがん」で、骨髄の中で異常をきたした血液細胞が増殖し、正常な血液細胞がどんどん減少していく病気です。白血病は急性と慢性に分けられ、どの細胞が「がん化」したかによっても分類されます。

もしも愛犬が白血病になってしまったら、たくさんある白血病の種類の中でどれに該当するのか、まず白血病の種類を知って見極めなければなりません。犬の白血病とはどのようなものか、原因や症状、治療法、余命、食事についてみていきましょう。

目次

犬の白血病とは

血液は、「赤血球・白血球・血小板」という3種の血球と、これらの血球を漂わせている液体「血漿(けっしょう)」で形成されています。血球は骨の中にある「骨髄(こつずい)」から作られます。

そして白血病は、骨髄の中で赤血球・白血球・血小板といった3種の血球を作る細胞「造血幹細胞」ががん化して、がん細胞となった血液細胞が際限なく増殖する病気です。ですから白血病は、厳密には血液のがんではなく「血球のがん」ということになります。がん化した血液細胞が増え続けることで正常な血液細胞は減少していき、重篤な貧血などを引き起こして、さらに悪化すれば死に至ることも少なくありません。

白血病の種類は、がん細胞が未熟な細胞の姿(芽球・幼若細胞)に近ければ「急性」、成熟した細胞の姿に近ければ「慢性」に分けられます。さらに、どの成長過程での、どの細胞ががん化したかによっても細かく分類されます。

症状も治療法も、治療したあとの予後も余命もそれぞれ異なってくるため、この見極めはとても重要なことなのです。

 

 

犬の白血病の種類

 

急性白血病

急性白血病には、急性骨髄芽球性白血病・急性前骨髄球性白血病・急性骨髄単球性白血病・急性単球性白血病・急性赤白血病・急性巨核芽球性白血病・急性リンパ芽球性白血病などがあり、それぞれ白血球の一部であるリンパ球や単球、また赤血球や血小板になろうとしていた血液細胞ががん化して、無制限に増殖してしまう病気となります。急激な貧血や出血を伴い、病気の進行が早いのが特徴です。

 

慢性白血病

慢性白血病は大きく分けて「慢性骨髄性白血病」と「慢性リンパ球性白血病」の2種類あります。「慢性骨髄性白血病」は、造血幹細胞ががん化したためにがん細胞が増殖する病気です。病気の進展に伴って、ほとんど症状が出ない(慢性期)・月日が経って徐々に悪化してくる(移行期)・さらに悪化して正常な血液細胞が減っていく(急性転化期)に分けられます。

そして「慢性リンパ球性白血病」とは、成熟したリンパ球ががん化したものです。がん化したリンパ球は血液や骨髄の中で増え続け、正常な血液細胞は減少し続けます。リンパ節や肝臓、脾臓などにも広がって腫れることもあります。

ただ、慢性白血病を抱えた犬の多くはこの慢性リンパ球性白血病で、病気の進行はとても緩やかなものとなっています。

 

 

急性白血病の症状

急性白血病は、犬が患う病の中でも非常に重篤な病気だといえます。がん化した細胞が増殖するため正常な血液細胞が減少し、身体を守るという本来の働きができなくなるのです。

白血球や赤血球が減ることで、急激な貧血や発熱を起こしたり、免疫力の低下から抵抗力もなくなり、食欲もなくなるので体重がどんどん減って衰弱していきます。犬の貧血は、舌や歯ぐきなどの粘膜が白っぽくなったり、白目の部分の血管が見えなくなることで確認できます。そして下痢や嘔吐・血便も出るようになり、関節の腫れや痛み・歩行困難などの症状も現れてくるでしょう。

肝臓や脾臓へがん細胞が転移するとお腹が腫れてきたり、黄疸が見られるようになる場合もあります。また血小板が減少すると、ちょっと何かにぶつけただけでも内出血を起こしやすくなり、ケガで出血したりすると血が止まりにくくなってしまいます。犬の内出血は、お腹などにできる赤紫色の(紫斑)・耳たぶや歯茎にできる小さくて赤黒くポツポツとした皮下出血の(点状出血)・目の中にできる(眼球結膜の出血)が特徴的で分かりやすいでしょう。

シャンプーの時やブラッシングの時に、愛犬の身体を定期的にチェックしてあげてください。

 

 

慢性白血病の症状

犬の慢性白血病のほとんどは慢性リンパ球性白血病です。その他の慢性白血病は非常に稀で、まず犬の白血病自体が発生しやすい病気ではありません。慢性白血病の症状も、病気の進行がとても緩やかなため分かりづらいものです。

慢性の場合は、急性白血病のような出血も急激な貧血もまず見られません。その症状はとても曖昧で、たまに下痢や嘔吐をする・あまり元気がない・ちょっと熱があるかも・なんとなく食欲がない・少し体重が減ったなど、年齢や季節の変わり目や他の病気によっても見られるようなものばかりです。

そのため、症状から白血病だと気付くのは難しく、他の疾患を疑って詳しく検査をしてみたら実は白血病だったというケースもあります。慢性白血病の発見が数ヶ月~数年後と非常に遅くなりがちなのは、病気の進行が緩やかで症状に特異性がないためでしょう。

逆に、特異性のない症状が長く続いて、治療しても改善が見られない場合は、慢性白血病の可能性も考えて検査を受けてみるという方法もあります。ただし、痛みを伴う骨髄検査では、犬の場合は安全面から全身麻酔をかけて実施することになるでしょう。

ちなみに、慢性白血病でも病気が進行してしまうと正常な血液細胞が作られなくなり、急性白血病と同じような重い症状が見られる場合もあります。

 

 

犬の白血病の余命

急性白血病は非常に進行が早い病気です。治療を積極的に行っても、ほとんどの犬は数日から数ヶ月の余命で命を落とす可能性がとても高い危険な病気です。

慢性白血病は、早めに治療に取り組んで成功すれば数年生きることもできます。ですが、急性転化期に入り突然変化して、急性白血病のような急激な症状が現れるようになると余命は短くなります。

白血病は、急性と慢性のどちらであっても、明らかに分かるような症状が出てきたら病気がかなり進行していると思ってください。なんとなく食欲がない・元気がない・たまに下痢や嘔吐をするなど普段との小さな違いに気を付けて、貧血や内出血などを見逃さないよう定期的にボディチェックを行いましょう。

愛犬は自分から訴えることはできませんので、飼い主さんがしっかり見守ってあげてください。そして、何か異常があると感じたら、すぐに獣医師の診察を受けましょう。

 

 

犬の白血病の原因と罹りやすい犬種

犬の白血病は血液細胞ががん化することで起こるのですが、何が原因となってがん化するのかは未だ不明です。血液細胞の遺伝子レベルの異常・放射線への暴露・遺伝・抗がん剤など特定薬品との接触・ウイルス感染など、さまざまな可能性が考えられてはいますが、どれも解明には至っていません。

また、白血病に罹りやすい犬種、つまり好発犬種についても不明です。犬の白血病は珍しいため、統計学的に好発犬種を割り出すほどの症例がまだありません。シーズーに多い傾向があるとい意見もありますが、統計的な文献があるわけではありませんので、根拠に乏しいと言わざるを得ません。

 

 

犬の白血病の治療法

犬の白血病の治療には、抗がん剤を用いての化学療法が一般的です。そして化学療法には、急性か慢性かによって、また白血病の種類によって、さまざまな抗がん剤を組み合わせて投与する「多剤併用療法」が行われます。症状によっては、強い抗炎症作用を持つステロイド剤を併用する場合もあります。

化学療法で効果が現れやすいのは、造血幹細胞がある程度分化して「リンパ系細胞」になった段階でがん化した「犬の悪性リンパ腫」です。リンパ腫の場合、何も治療をしなければ余命は数週間~数ヶ月とされていますが、化学療法を実施することで1年以上生き続ける可能性が出てきます。さらに慢性白血病であれば、症状が出ないうちに治療を開始して多剤併用療法を行うことで、病気をコントロールして年単位の延命ができるケースもあります。

その一方で、急性白血病にはリンパ腫や慢性白血病ほどの効果が得られていないようです。化学療法の多剤併用療法もさまざまな抗がん剤を組み合わせて行われているのですが、残念ながら急性白血病の種類によっては抗がん剤の効果が効きづらい場合も少なくないためです。一時的な反応はあるものの、延命効果はそれほど得られないことがほとんどです。

そこで、ステロイド剤を使って痛みを和らげる緩和治療や、輸血などによって副作用を予防して症状を軽減させる支持治療を行う場合もあります。貧血があまり進んでいない場合は、化学療法を優先的に行います。

ステロイド剤には強い抗炎症作用があるのですが、ステロイ剤を単体で使うと腫瘍のステロイド化を引き起こすため効果が長続きしないためです。貧血が極度に進んでいる場合、化学療法は有効ではありませんのでステロイドを主体とした治療になりますが、それは余命が短いということになります。急性リンパ芽球性白血病になると、化学療法を行っても回復の見込みはほとんどなく、多くのケースは短期間で亡くなってしまいます。

人間の白血病であれば骨髄移植など有効な治療法があるのですが、犬の白血病において骨髄移植はまだまだ技術的にも不充分であり、残念ではありますが一般的に行われることはありません。

 

 

犬の白血病の予防法

犬の白血病は、現時点では原因が分かっていません。ですから予防法といえるものもありません。ただ、白血病に限らずあらゆる病気を予防するために、日頃から栄養バランスのとれた食事と適度な運動、ストレスフリーな生活を心がけるというのは必要です。健全な生活は免疫力を上げて維持してくれます。

たとえば人間の研究では、適度な運動は「NK(ナチュラルキラー)細胞」の活性化につながるといいます。NK細胞とは、血液中を常にパトロールしてウイルス感染細胞などを攻撃する働きをもつ、身体を守ってくれる免疫の代表格です。適度な運動はもちろん、バランスのとれた食事や笑うこと、ポジティブ思考などでも活性化するようです。免疫細胞が多く集まっている腸内の環境を整えることも免疫力アップにつながります。

これは人間の話ではありますが、人間が患う病気のほとんどを同じように患う犬にも、免疫細胞の活性化は重要な問題です。食事はもとより、ストレスのない生活や適度な運動は欠かさないようにしてあげましょう。

ただし、激しすぎる運動や過度の運動は、逆に免疫力を低下させるといいます。愛犬の年齢や大きさ、体型に合った運動量を考えてあげてください。

 

 

犬の白血病~予防・対策としての食事~

食事を変えるだけでがんや腫瘍を無くしてしまうのは難しいですが、食事を変えたことで体力がついて免疫力が取り戻せれば、がんの進行を遅らせることも可能になってきます。抗がん剤や手術、放射線など、今よりも治療の幅を広げることもできるでしょう。

がんに対抗するには、免疫力を回復させて維持させなければなりません。免疫細胞を活発化させる代表的なものは、きのこ類に含まれるβグルカンをはじめとする「多糖類」や多糖タンパクです。霊芝やアガリクスなどの高価な薬用きのこだけでなく、舞茸やしいたけにも多糖類は含まれています。

また干し椎茸には、血管を強化する・血圧を下げる・胃腸を元気にして吐き気を改善する・コレステロールや中性脂肪を減らす・ガンの出血を抑えるなどの効能もあり、放射線治療による副作用を予防する効果も期待できます。手作り食で食べさせる時には、消化によいようフードプロセッサーで細かくしてから与えましょう。干し椎茸でダシを取るのもオススメです。

そして、がんの転移を抑えて、新しいがんの成長を防いでくれる「オメガ3脂肪酸」も積極的に与えてください。オメガ3脂肪酸は、亜麻仁油や青魚の油に多く含まれています。逆に、「オメガ6脂肪酸」を多く含むコーン油やごま油などはがんに良くないといわれています。

ドッグフードの表示には植物性脂肪や植物性油としか書かれていない場合が多いので、愛犬がどのような油を口にしているのか知るためにも一度確認した方が良いでしょう。

 

 

まとめ

ペットが長生きできるようになった現在、犬も高齢化が進んでいます。喜ばしいことではありますが、犬の死因の半分以上ががん(腫瘍)であるという事実も考えなければなりません。飼い主さんとしては、願わくば老衰で苦しまずに逝って欲しいと思うでしょうが、多くの犬が最期の時に病気と闘いながら死んでいくのです。

白血病は、原因が解明されていないため予防が困難です。早期発見と早期治療のため、飼い主さんが普段の行動や体調をしっかり把握して、気になる症状が見られたらすぐに獣医師に診てもらいましょう。

犬の白血病

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獣医師が犬の進化の歴史を研究。
進化栄養学など、様々な角度から
ドッグフード&療法食を作りました。

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記事を書いた人

宿南 章(しゅくなみ あきら)
獣医師
【文責】 獣医師・宿南 章(しゅくなみ あきら)
【資格】 獣医師免許(1993年取得)
【所属団体】
The Royal Society for the Protection of Birds 会員
日本盲導犬協会 会員
野生動物救護獣医師協会 正会員

【プロフィール】
1969年生まれ 兵庫県養父(やぶ)市出身。
日本大学農獣医学部(現日本大学生物資源科学部)獣医学科卒業。 獣医師。
横浜で犬猫の動物病院に勤務。その後、米国のCAM( Complementary and Alternative Medicine )を日本に導入している 研究所に移籍。北海道の農協の依頼を受け、牛のサルモネラダブリン症の治療を行い、当時抗生物質も効かない病気を治癒させるなど、数多くの治療実績を持つ。
その後、予防医学に特化した自然療法動物病院を設立し現在に至る。


【研修・研究内容】
1983年…アメリカ ウィスコンシン州、400エーカーの酪農家で住み込み実習
1985年…北海道 中標津 200頭飼育の酪農家で住み込み実習
1988年…獣医薬理学研究室にて薬草の薬理作用の研究(3年間)
1993年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(1回目)
1994年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(2回目)
2006年…オーストラリア メルボルン イアンゴウラー財団でガン医療研修

【論文】
Efficacy determination test for the Vibrational therapy in case of the skin ulcer induced on mice A.SHUKUNAMI Eastern Medicine 2004

【著書】
「薬いらずで愛犬の病気は治る」WAVE出版 は、17部門で1位を獲得するベストセラーとなり高い評価を得ている。
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