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犬の腎臓病の症状は?慢性・急性の特徴と早期発見のポイント

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獣医師・宿南章

犬の腎臓病(腎不全)の症状について徹底解説します。
犬の腎臓病の原因とメカニズム、主な症状、慢性腎臓病の4つの進行ステージ、食事療法のポイントなども詳しく紹介します。

目次

犬の腎臓病(腎不全)とは?

犬の腎臓病(腎不全)とは、腎臓の機能が低下し、腎臓本来の働きができなくなる病気です

腎臓は、血液中に含まれる老廃物を尿として排出する働きや、赤血球の生産を促進するエリスロポエチンというタンパク質を作るなど、体の活動を支えるための重要な活動をしています。

犬の腎臓病(腎不全)は、腎臓が何らかのダメージを受けたことが原因で、これらの働きができなくなる状態です。

犬の腎臓病には、加齢などとともに腎臓の機能が低下していく「慢性腎臓病と、薬物や毒性のあるものを誤飲して腎臓の機能が急激に低下する急性腎臓病の2つに分けられます。

このうち、多くの犬が発症するのが慢性腎臓病です。慢性腎臓病は初期症状がほとんど現れないため、症状に気づいたときには病気がかなり進行していることがあります。
病気が一度進行すると、腎機能は回復できません。そのため、早期に発見して治療することが重要です。

犬の腎臓病はどんな症状が出る?

犬の腎臓病は「慢性腎臓病」と「急性腎臓病」で、それぞれ症状が異なります。

犬の慢性腎臓病の症状は、主に以下のようなものが現れます。

  • 食欲が落ちて痩せる
  • 散歩に行きたがらない
  • じっと寝ている時間が増える
  • 老化したような印象がある
  • 毛並みがパサパサして毛づやが悪くなる
  • 口からアンモニア臭がする
  • 下痢や嘔吐

犬の急性腎臓病の症状は、主に以下のようなものが現れます。

  • 急にぐったりする
  • 下痢や嘔吐
  • 脱水状態

犬の慢性腎臓病・進行ステージごとの症状

犬の慢性腎臓病は、加齢などにより腎臓の機能が低下していく病気です。とくに高齢犬が発症しやすく、6歳以上になると罹患率が高くなるという報告があります。

犬の慢性腎臓病は、血液検査によるクレアチニン(CRE)濃度、対称性ジメチルアルギニン(SDMA)濃度によって、4つの進行ステージに分類されます。
IRIS(国際獣医腎臓病研究グループ)の分類に基づく

スクロールできます
ステージ症状治療・対策腎機能クレアチニン濃度(mg/dL)SDMA(μg/dL)
・初期・早期の慢性腎臓病の状態。
・一般的に無症状
・腎臓に負担となる食物などを与えない。33%程度まで低下<1.4<18






・初期・早期~中期の慢性腎臓病の状態。
・無症状~軽度の症状あり。
・ほとんどの犬が元気で食欲もあるため、異常に気づかないこともある。
・腎臓病用の食事療法を開始する。25~33%程度まで低下1.4~2.818~35






・中期の慢性腎臓病の状態。
・食欲の低下や嘔吐などの症状。
・血液検査で腎機能の指標となる数値である、CRE(クレアチニン)、BUN(尿素窒素)の上昇がみられる。
・腎臓病用の食事療法を行う。
・新鮮な水をいつでも飲めるようにする。
10〜25%まで低下2.9~5.036~54
・末期の慢性腎臓病の状態。
・尿毒症の重篤な症状がみられる。
・ステージⅢの治療法に加え、透析などを考慮する。5~10%まで低下>5.0>54

ステージ1(ステージⅠ)・初期、早期の症状

  • 一般的に無症状
  • 愛犬が少し老化した様子
  • 尿検査で尿濃縮能の低下が見つかることも

犬の慢性腎臓病ステージ1の段階では、ほぼ無症状です。しかし、愛犬が以前のように走り回ったり、長時間の活動が減ったりなど、愛犬が老化した印象を受けることが多いようです。
血液検査で異常はみられませんが、尿検査では尿濃縮能の低下がみられることもあります。慢性腎臓病を早期発見するためにも、愛犬がシニア期(6~7歳)に入ったら、3ヶ月に1回程度の定期検査を行うようにしましょう

ステージ2(ステージⅡ)・初期、早期〜中期の症状

  • 無症状〜軽度の症状
  • 急な老化を感じさせる
  • 反応が鈍くなったり、散歩への興味が薄れる
  • 多飲多尿

犬の慢性腎臓病ステージ2の段階では、ほとんどの犬が元気で食欲もあり、目立った症状は現れません。しかし、愛犬を呼んだ時に反応が少し鈍くなる、散歩への興味が薄れる、散歩の量が減るなど、愛犬が急に老化したと感じさせることがあります。また、多飲多尿の症状が現れることもあります。

ステージ2では、クレアチニン(CRE)の数値が1.4以上になることが多く、血液検査で慢性腎臓病の早期発見が可能です。早期発見により、食事療法など早期治療を開始できるため、腎臓病の進行を遅らせることにつながります

ステージ3(ステージⅢ)・中期の症状

  • 食欲不振(食べたり食べなかったり食欲の波がある)
  • 体重の減少
  • 散歩を嫌がる
  • 静かにしている時間が増える
  • 下痢や嘔吐

犬の慢性腎臓病ステージ3の段階で一番多くみられる症状は、食欲不振です。数日おきに食べたり食べなかったりというように、波の激しい食欲不振が起こることもあります。

食欲不振が起こる原因として、血液中に尿素がたまることで尿毒症を発症し、胃腸粘膜がダメージを受け、痛みを感じることがあります。痛みを避けるため食事を食べなくなり、痛みが治るとまた食べる、という食欲の波が起こるようになります。

この時、愛犬が食事を食べるようになったからといって、多めにフードを与え過ぎないよう注意しましょう。多めにフードを与え過ぎると、体内に有害物質がさらにたまり、食欲不振、嘔吐、下痢などをひき起こす原因となります。

上記の他に、体重の減少散歩をしても下を向いている寝床から動かないで静かにしている時間が多くなるなどの症状も現れます。

血液検査ではクレアチニン(CRE)、尿素窒素(BUN)の上昇がみられるようになります。
この段階で腎臓病用の食事療法へ切り替えることが、慢性腎臓病の進行を遅らせる重要な治療となります。しかし、胃腸粘膜のダメージや、食べ慣れたドックフードでないことから、犬が療法食を食べてくれないこともあります。愛犬が腎臓病の療法食を食べない場合は、「犬が腎臓病の食事を食べない時の対処法|腎臓病の原因や症状も」の記事を参考にしてください。

ステージ4(ステージⅣ)・末期の症状

  • ぐったりして、見るからに元気がない
  • 大半の時間を寝て過ごす
  • 口から独特のアンモニア臭がする

犬の慢性腎臓病ステージ4の段階は、腎臓病末期の状態です。残腎機能が5〜10%まで低下しており、生命維持のため点滴や透析治療、腎移植などの治療が必要になります。

愛犬は見るからにつらそうにぐったりした状態で、散歩も行かず大半の時間を家の中で寝て過ごすようになります。また、口から独特のアンモニア臭が強くなる症状も現れます。

愛犬は身体がつらく、呼びかけに反応しないことが多くなりますが、愛犬自体は元気な時と同じように飼い主の愛情を求めています。

話しかけたり、撫でたりする回数を増やすなど、愛犬とのふれあいの時間をさらに増やすようにしてあげましょう。

犬の急性腎臓病の症状

犬の急性腎臓病は、薬物の誤飲、腎毒性のあるものを食べた、血圧の急激な低下、尿路結石による尿路閉塞などが主な原因です。発症から数時間〜数日で症状が現れます。

急にぐったりする

犬の急性腎臓病は、急激に症状が現れます。食欲が低下して食事を食べなくなったり、嘔吐を繰り返したりと、急に元気がなくなります意識の低下呼吸が荒くなるなどの症状もみられます。

排尿がなくなる

犬の急性腎臓病が進行すると老廃物を十分に排泄できなくなり、尿毒症の症状が現れます。尿毒症は排出されるはずの毒素が血液中に残っている状態で、排尿が少なくなったり、出なくなったりします

尿が出ないのは腎臓がかなり悪化している状態です。早急に動物病院を受診しましょう。

犬の腎臓病を早期発見をするポイント

犬の腎臓病を早期発見するには、シニア期(6~7歳)から3ヶ月に1回程度の定期的は血液検査と尿検査を実施することが重要です

犬の慢性腎臓病は、腎機能が25%程度に低下するまで症状が現れません。

そのため、慢性腎臓病の初期、早期の段階では、愛犬が腎臓病に罹患していることにほとんど気づきません。そのため、目に見える症状が現れた時に、すでに症状が進行していることがほとんどです。

慢性腎臓病は、犬の年齢が6歳以上で発症率が増加傾向にあるため、この頃から定期的に検査を行えば、病気の早期発見につながります。定期検査のほかにも、気になる症状が現れたらすぐに獣医の診察を受けましょう。

犬の急性腎臓病は急激に具合が悪くなるため、症状がすぐに現れることがほとんどです。治療が遅れると命に危険が及ぶため、ぐったりしている、呼吸が荒いなど急性腎臓病の症状に当てはまる状態であれば、すぐに獣医師に診察してもらいましょう。

犬の慢性腎臓病には早めの食事療法がおすすめ

犬の慢性腎臓病は、一度かかってしまうと腎臓の機能回復は見込めません。腎臓病を早期発見し、食事療法を早期に始めることが、愛犬の健康を長く維持するために有効です

慢性腎臓病の食事療法は、タンパク質や電解質(リン・ナトリウム・カリウム)など、栄養素を調整した食事です。腎臓病用の食事療法を早期に開始することで腎臓への負担を抑え、病気の進行を遅らせる効果があります。

手作りのレシピでは、タンパク質や電解質を最適量にコントロールすることが極めて困難です。愛犬をいたわる最適な療法食を取り入れましょう。

犬の急性腎臓病、慢性腎臓病

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獣医師・宿南章の愛情ごはん療法食

獣医師が犬の進化の歴史を研究。
進化栄養学など、様々な角度から
ドッグフード&療法食を作りました。

興味の多いテーマ

記事を書いた人

宿南 章(しゅくなみ あきら)
獣医師
【文責】 獣医師・宿南 章(しゅくなみ あきら)
【資格】 獣医師免許(1993年取得)
【所属団体】
The Royal Society for the Protection of Birds 会員
日本盲導犬協会 会員
野生動物救護獣医師協会 正会員

【プロフィール】
1969年生まれ 兵庫県養父(やぶ)市出身。
日本大学農獣医学部(現日本大学生物資源科学部)獣医学科卒業。 獣医師。
横浜で犬猫の動物病院に勤務。その後、米国のCAM( Complementary and Alternative Medicine )を日本に導入している 研究所に移籍。北海道の農協の依頼を受け、牛のサルモネラダブリン症の治療を行い、当時抗生物質も効かない病気を治癒させるなど、数多くの治療実績を持つ。
その後、予防医学に特化した自然療法動物病院を設立し現在に至る。


【研修・研究内容】
1983年…アメリカ ウィスコンシン州、400エーカーの酪農家で住み込み実習
1985年…北海道 中標津 200頭飼育の酪農家で住み込み実習
1988年…獣医薬理学研究室にて薬草の薬理作用の研究(3年間)
1993年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(1回目)
1994年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(2回目)
2006年…オーストラリア メルボルン イアンゴウラー財団でガン医療研修

【論文】
Efficacy determination test for the Vibrational therapy in case of the skin ulcer induced on mice A.SHUKUNAMI Eastern Medicine 2004

【著書】
「薬いらずで愛犬の病気は治る」WAVE出版 は、17部門で1位を獲得するベストセラーとなり高い評価を得ている。
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