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犬の感染症の種類を知っておこう!各症状と治療法まとめ

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細菌やウィルスに感染したり、寄生虫が寄生することを感染症と言います。感染してしまう原因には犬同士の接触やネズミや蚊、ダニなどの他の生物を媒介として感染するものがあります。感染症の中には非常に感染力が強いものもありますし、人間である飼い主さんに病気が感染することもあるので非常に怖いものです。

感染はなかなか目で確認できないので分かりにくいですが、犬の感染症の種類やその症状を知っておくことで愛犬を感染症から守ってあげることができます。犬の感染症の種類と症状、予防法などをまとめて紹介していきます。

目次

犬同士の接触で感染する病気

すでに感染している犬と接触することで感染していく病気は多くあります。たくさんの犬と接触する可能性のある場所では注意が必要です。

 

ブルセラ症

ブルセラ症はブルセラ菌という細菌が感染して起こる病気です。すでに感染している犬の子宮からの分泌物や流産した時に排泄された胎子や分泌物、尿などに鼻や口を近づけることによって経口感染したり、感染している犬と交配することで感染します。感染するとオスメス関係なく不妊を引き起こします。

ブリーダーやペットホテルなど、多くの犬と会う機会がある場所では感染しやすい状況になるので注意が必要です。また、稀に人にも感染しますので飼い主さんは注意が必要です。

 

ブルセラ症の症状

ブルセラ症になっても特に大きな異変がありませんので飼い主さんも気が付きにくいのですが、オスの場合、睾丸が腫れたかと思うとその後は縮みます。このような症状の裏では正常な精子が作れなくなったり、無精子症になります。

メスの場合は妊娠40~50日ごろになって流産や死産することがあります。メスの場合は、一度ブルセラ症にかかると不妊や流産を繰り返すことがあります。

 

狂犬病

狂犬病は狂犬病ウィルスによって感染します。感染すると狂騒して、まわりのものに噛み付きます。狂犬病ウィルスは感染した動物の唾液中に大量にあるために、感染している動物に噛まれると噛まれた傷からウィルスが体内に侵入して感染します。体内に入ったウィルスは末梢神経、中枢神経、脳、脊髄と広がっていき、脊髄炎や脳炎を引き起こします。

犬は狂犬病にかかると命に関わります。狂犬病には有効な治療法がありませんし、あらゆる動物に感染すると公衆衛生上非常に危険なので愛犬が狂犬病にかかってしまうと安楽死させられます。狂犬病にかからないためにはワクチン接種が有効なので、生後3ヶ月以上の犬には年に1回のワクチン接種が義務付けされています。

万が一、狂犬病にかかった動物に噛まれた場合は、動物病院にできるだけ早く連れて行って狂犬病のワクチンを再接種し、厳重な管理の下、狂犬病を発症するかどうか経過観察しましょう。

 

狂犬病の症状

狂犬病には前駆期、狂躁期、麻痺期があります。前駆期は発熱や食欲不振や普段と違う行動をするようになります。今まで穏やかな性格だった犬が突然凶暴になったり、飼い主さんに懐いていた犬が急に寄り付かなくなったりします。

病状が進むと、狂躁期になります。狂躁期では過剰に興奮していたり、小石や糞などを食べたり、むやみに吠えたり、攻撃したりしますし、表情も凶暴になります。

2~4日ほど狂躁期が続き病状が進むと動けなくなったり、痙攣、嚥下困難、昏睡状態になり数日で死亡します。狂躁期に攻撃的になり、この時期に他の動物などを噛むことによって感染が広がります。

 

皮膚糸状菌症(白癬、皮膚真菌症)

皮膚糸状菌症は小胞子菌などのカビの仲間が感染して起こる皮膚病です。犬の表皮や被毛、ツメなどに菌が寄生しますが、健康な大人の犬はかかりにくく、子犬や老犬、健康状態の悪い犬など免疫力が下がっている場合にかかりやすいとされています。

治療としては塗り薬や飲み薬がありますが、早期発見早期治療を行うことで治りやすくなります。治ったように見えてもしばらくは、皮膚に菌があるので他の犬や人に感染する危険があります。

日頃から愛犬を清潔にしたり、生活環境を整えてあげることが予防方法です。

 

皮膚糸状菌症の症状

顔の周り、耳、四肢などの皮膚に円形の脱毛や、大きく赤い発疹ができてその周辺のフケやかさぶたができます。

 

犬疥癬

犬疥癬はヒゼンダニが規制して起こる皮膚病です。ヒゼンダニがすでに寄生している動物と接触することで感染します。ヒゼンダニは0.3ミリほどで非常に小さいですが、動物の体から離れても数時間は生存するので感染している動物と接触しなくてもブラシやタオルなどを共通で使うなどすることで寄生します。

治療方法としては殺ダニ剤を使ってヒゼンダニを駆除します。スポットタイプのものもありますし、内服薬もあります。細菌の再感染で皮膚が化膿などすれば抗生物質の投与もあります。

治療中でも再感染する可能性があるので、使った道具やタオルや寝床などはこまめに消毒して清潔を保つことが大切です。

犬疥癬の症状

目の周りや耳、肘、かかとなどの毛の薄い部分に発疹ができます。とても痒いので掻いたり、何かに擦りつけたり、イライラするようになります。皮膚を掻くことで患部が拡大したり、傷つくのでフケやかさぶた、脱毛などを起こしますし、化膿することもあります。

関連記事:犬の疥癬とは?原因と症状、薬と治療法、予防の知識

 

犬パルボウィルス

パルボウィルスに感染した犬の便や嘔吐したものを他の犬が触ったり、舐めたりすることで感染します。パルボウィルスは自然界でも半年から1年ほど生存することができるために、食器を使いまわしたり、服などを洗わずに使ったり、生活環境が清潔でない場合は感染する可能性があります。

ワクチン未接種で体力のない子犬などは非常に感染しやすいので気をつけるようにしましょう。

 

犬パルボウィルスの症状

4~7日ほどの潜伏期間があり、病気を発症すると激しい下痢や嘔吐などの症状があります。元気や食欲がなくなり、発熱や脱水の症状や、激しい下痢のために血便になることもあります。下痢と嘔吐を繰り返していると脱水症状になるの、でショック死の危険もあります。

また、心筋炎や敗血症を引き起こす可能性やメス犬の場合、流産や死産の原因にもなります。パルボウィルスに感染すると治療薬が残念ながらありません。そのため、治療としては脱水症状を緩和したり、ショック状態を緩和することを行います。

感染している犬のほかに犬を飼っている場合は、感染している犬をしっかり隔離して管理することが大切です。

 

ケンネルコフ(伝染性気管支炎)

ケンネルコフは伝染性の呼吸器感染症です。犬パラインフルエンザや犬アデノウィルスⅡ型、気管支敗血菌と言った細菌が複数感染することで起こります。接触でも感染しますし、飛沫感染もありますので感染している犬と近くにいるだけで感染する可能性があります。肺炎など重症な症状で無ければ特に治療することなく自然治癒しますが、安静にさせたり、栄養をしっかり摂ることが大切です。

咳などが酷い場合は、抗生剤や気管支拡張剤などを使用します。ケンネルコフになるウィルスに対してワクチンがあるので子犬の頃から予防接種などを行うことが大切です。冬場などはウィルスか活性化するので保湿、保温、生活環境の清潔などをしっかり保って予防するようにしましょう。

 

ケンネルコフの症状

ケンネルコフは風邪の症状のような、咳や発熱があります。運動したり、朝晩など気温の差が激しい時に咳が酷くなったり、吐くような咳をするのが特徴です。

他のウィルスや細菌にも感染したり、子犬や老犬など抵抗力の低い犬が感染すると肺炎を起こしたり、高熱を出したり、膿のような鼻水が出ます。

 

犬ジステンバーウィルス

犬ジステンバーウィルスに感染することで発症します。ワクチンを接種している犬は感染しても症状が軽く済みますが、未接種の犬や子犬や老犬は症状が重くなる傾向があります。すでに感染している犬の目やに、鼻水、唾液、尿、便などに触れて移る接触感染や咳、くしゃみなどから飛沫感染することがあります。

治療法は有効なものがありませんが点滴や抗生剤、抗痙攣剤などは症状に応じて使います。

 

犬ジステンバーウィルスの症状

体力のある犬は感染しても咳などの軽い症状で済みます。初期には目やに、鼻水、40度ほどの発熱、食欲不振という症状ですが、徐々に咳やくしゃみ、嘔吐、下痢などの症状が出ます。重症化すると肺炎を起こすこともありますので注意が必要です。ウィルスが神経系に入ると脳髄膜炎や麻痺、痙攣などの神経症状が起こります。

重症化すると命に関わる病気なので早期に動物病院を受診しましょう。

 

犬以外の生物から感染する病気

犬以外の生物が持っている細菌からも感染症は起こります。飼い主さんはこれらの媒介する生物にも注意を払ってください。

 

犬レプトスピラ病

レプトスピラという細菌が感染して肝障害や急性腎不全などを起こす病気です。感染したネズミや犬の尿や尿の付いた土や水に接触したり、汚染された水や食べ物が体内に入ると感染します。抗菌剤を投与することで効果がありますし、腎不全や肝障害がある場合はその治療も行います。

ワクチン接種が有効なので、定期的にワクチンを接種して未然に病気を予防することが大切です。

 

犬レプトスピラ病の症状

レプトスピラに感染しても全く症状にあらわれず、知らない間に治っていることが多いです。しかし症状があらわれる場合は、40度ほどの高熱、食欲不振、結膜の充血、嘔吐、血便という症状の末、脱水、尿毒症になる出血型と黄疸、嘔吐、下痢、口の粘膜からの出血という嘔吐型があります。

どちらも重症化すると死亡する可能性がありますので、早急に動物病院を受診する必要があります。

 

フィラリア

蚊によって媒介されるフィラリアという寄生虫が体に付くことで感染します。フィラリアはそうめんのように細長い寄生虫でフィラリアの幼虫体内にいる蚊に吸血された時に犬の体内に侵入して寄生します。フィラリアは犬の体内で成長して、静脈血管をつたって心臓に到達して右心室や肺動脈に寄生します。

治療法としては内服薬で体内のフィラリアを駆除する方法と外科的にフィラリアを取り出す方法があります。体内に多数のフィラリアが寄生していると一度に駆除することで、かえって肺動脈を詰まらせることにもなりますので検査を行って治療方法を決めます。フィラリアには予防薬をあらかじめ定期的に与えて予防することが有効です。

 

フィラリアの症状

初期症状はほとんどありませんが、フィラリアに寄生されて長時間すると咳や息が荒くなるなどの呼吸器系の症状が出てきます。更に四肢がむくんだり、おなかに水が溜まるようになり、散歩など運動をしたがらないようになり、更には、血を吐いたり、失神します。

最悪の場合は死亡する危険もある病気ですので、おかしいと思ったらすぐに動物病院を受診しましょう。

関連記事:犬のフィラリア症の原因と症状、予防薬と注意点について解説

 

ジアルジア症

ジアルジアという原虫が小腸に寄生することで感染します。ジアルジアを口にすることで経口感染します。

また、他の犬の便に含まれていることがありますので便を放置することでその周辺の全てが汚染されて感染しやすくなります。抗原虫薬が効果的です。そして、生活環境を消毒してこまめに体を洗って清潔に保つことが大切です。

 

ジアルジア症の症状

健康の成犬はあまり感染しませんが、子犬などは抵抗力が低いので感染しやすいです。色の薄い悪臭のある水様の便が大量に出る下痢になります。下痢が長期に渡って起こり、小腸で栄養を吸収できないので発育不良や体重の減少になります。

 

バベシア症

バベシアという原虫がマダニによって吸血される時に犬に感染します。犬の赤血球内に寄生し赤血球を破壊して重い貧血を起こします。バベシアを駆除する薬がないので、抗菌剤や抗生物質でバベシアの増殖を緩和しながら犬の体力回復を待つというのが主な治療方法です。

マダニが多い、山や林、河川敷などに愛犬を連れて行くときは、マダニ駆除薬を投与して予防しましょう。

 

バベシア症の症状

40度を超える高い熱や重い貧血になったり、すぐに疲れたり、舌や口の中の色が薄くなります。元気がなくなったり、食欲がなくなったり、血尿が出ることもあります。貧血が進むと肝臓や腎臓の機能低下につながります。

 

ライム病

ライム病はマダニによってボレリアという細菌が犬に感染することで起こります。マダニの活動が活発になる春から秋にかけて発生することが多いのでマダニの生息する山や林などに愛犬を連れて行くときは注意が必要です。

犬だけでなく人にも感染する危険があります。

 

ライム病の症状

多くの犬が感染しても特にめだった症状がない場合が多いのですが、症状があらわれると関節炎になるので関節を触れられるのを嫌がります。

痛いので足を引きずって歩いたり、発熱、食欲不振、リンパ節の腫れなどの症状が出ますが、重症化すると急性腎不全や糸球体腎炎になったりします。

 

まとめ

犬の感染症は細菌やウィルス、寄生虫などから感染します。ほとんどの病気は、愛犬が普通に生活している環境で簡単に感染する危険性があるので、飼い主さんは日頃から散歩中に接触する他の犬や道に落ちているものなどに気を配ることが大切です。

また、飼育環境を常に清潔にしておくことも重ねて重要です。感染症の中には命を失う危険があるものもありますので、動物病院を受診したり定期的に予防接種などを行って、感染症を未然に防ぐようにしてください。

犬の感染症

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獣医師が犬の進化の歴史を研究。
進化栄養学など、様々な角度から
ドッグフード&療法食を作りました。

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記事を書いた人

宿南 章(しゅくなみ あきら)
獣医師
【文責】 獣医師・宿南 章(しゅくなみ あきら)
【資格】 獣医師免許(1993年取得)
【所属団体】
The Royal Society for the Protection of Birds 会員
日本盲導犬協会 会員
野生動物救護獣医師協会 正会員

【プロフィール】
1969年生まれ 兵庫県養父(やぶ)市出身。
日本大学農獣医学部(現日本大学生物資源科学部)獣医学科卒業。 獣医師。
横浜で犬猫の動物病院に勤務。その後、米国のCAM( Complementary and Alternative Medicine )を日本に導入している 研究所に移籍。北海道の農協の依頼を受け、牛のサルモネラダブリン症の治療を行い、当時抗生物質も効かない病気を治癒させるなど、数多くの治療実績を持つ。
その後、予防医学に特化した自然療法動物病院を設立し現在に至る。


【研修・研究内容】
1983年…アメリカ ウィスコンシン州、400エーカーの酪農家で住み込み実習
1985年…北海道 中標津 200頭飼育の酪農家で住み込み実習
1988年…獣医薬理学研究室にて薬草の薬理作用の研究(3年間)
1993年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(1回目)
1994年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(2回目)
2006年…オーストラリア メルボルン イアンゴウラー財団でガン医療研修

【論文】
Efficacy determination test for the Vibrational therapy in case of the skin ulcer induced on mice A.SHUKUNAMI Eastern Medicine 2004

【著書】
「薬いらずで愛犬の病気は治る」WAVE出版 は、17部門で1位を獲得するベストセラーとなり高い評価を得ている。
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