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犬にグルコサミン・コンドロイチンは効果がある?多く含まれる食品は?

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CMでもおなじみのグルコサミンとコンドロイチン。関節痛に効くとうたわれて売られているサプリメントなどが有名ですが、関節を覆う軟骨にこれらの成分が含まれているためです。最近では犬のサプリメントにもこのグルコサミンとコンドロイチンが含まれているものが売られています。

果たして犬にとって、これらの成分を取り入れるメリットはあるのでしょうか?今回は犬のためのグルコサミンとコンドロイチンについて解説していきます。

目次

グルコサミンとは?

グルコサミンはアミノ酸の一つで、アミノ酸は人間にとっても犬にとっても体を構成するために必要不可欠な成分です。その中のグルコサミンはエネルギー源として必要と言われる糖「グルコース」とアミノ酸から構成されています。

軟骨成分であるコンドロイチン硫酸やヒアルロン酸はこのグルコサミンから生成されるため、いわば原料となる物質です。軟骨を修復したり、関節の痛みを取り除く抗炎症作用もありますので、関節炎に総合的に作用してくれると言う訳です。

 

コンドロイチンとは?

コンドロイチンは正式名称をコンドロイチン硫酸ナトリウムと言いうムコ多糖の1種です。犬、人間それぞれ関節液の中にもともと含まれている成分で、関節の動きを滑らかにする役割を担っていますが、年齢とともに減少してしまうため、外部から摂取することで各組織に吸収されていきます。

グルコサミン同様に軟骨などの生成を助けるだけでなく、軟骨貧食酵素の働きを阻害したり、炎症を和らげる効果を持っています。

また、水分を多く取り込むことのできるコンドロイチンは皮膚の潤いを保ってくれる効能もあり、肌荒れや肌の炎症を和らげてくれる効果があるとも言われています。

 

グルコサミンとコンドロイチンの違いは?

グルコサミン、コンドロイチン双方を見ても分かるように軟骨の生成、炎症に効果があることが分かりますが、この2つの違いは一体何なのでしょうか?

これらの成分の大きな違いは、やはりその役割と言えるでしょう。簡単に説明するとグルコサミンは、軟骨などの主成分の原料になると言う点です。グルコサミンがないと軟骨を作ることも、修復することもできないため、欠かすことのできない成分となっています。

一方コンドロイチンの働きは、軟骨に弾力を与えます。軟骨は他の骨などと違い柔軟性がありますので、潤滑油的な働きのあるコンドロイチンが重要な成分となってきます。

どちらももともと体の中に存在している成分ですが、年をとることでその量が減少し始めてしまいますので、老犬などにも関節炎の症状が増えると言う訳です。

 

どんな犬にグルコサミン、コンドロイチンが必要なの?

一般的にグルコサミンやコンドロイチンは関節痛に良いと言われていますが、犬の場合どのような症状を持った子にグルコサミン、コンドロイチンを与えるとよいと言われているのでしょうか?

病気と診断されていなくても、飼い主が関節の調子が良くないと感じた場合、早めの摂取を心掛けるとその症状も落ち着きを見せることがあるとされていますので、まずはどんな子に与えたらいいのかという所から見ていくことにしましょう。

 

・老犬
・お散歩に行きたがらなくなった子
・ジャンプをしなくなった子
・立ったり、座ったりの仕草に違和感のある子
・体を触ろうとすると嫌がるそぶりを見せる子
・小股で歩くようになったと思える子
・全体の動きが、ぎこちなくなった子

 

などの症状のある子は関節炎を発症しているか、発症の一歩手前と言うこともありますので、関節炎予防のためにも、悪化防止のためにも、グルコサミンやコンドロイチンを与えてみると良いでしょう。

 

膝蓋骨脱臼

膝のお皿が外れてしまう病気です。トイ・プードルやヨークシャー・テリアに多いです。体質的に膝関節が外れやすい子もいますが、外れたままの状態が続くと膝関節が変形を起こしたり、炎症を悪化させてしまいます。

脚を曲げようとしただけでも痛みを感じるため、つま先立ちで歩いたり、小股で歩くことがあり、その痛みを取り除いてあげる必要があります。

 

股関節形成不全症

ラブラドール・レトリバーのような大型犬によく見られる病気です。股関節が生まれつき、きちんとはまっていないことで、炎症を起こしてしまいます。関節を動かすと痛みが出てしまうため、モンローウォークと言う独特な歩き方をしていることもあり、飼い主としても心配の多い病気です。

 

リウマチ性関節炎

人間でも多いリウマチ性関節炎は異物を攻撃するはずの免疫反応が自分を攻撃してしまう病気です。原因は分かっていませんが、進行が徐々に進んでいきますので、やがて骨や関節が変形してしまいます。

最終的に歩けなくなってしまうこともありますが、関節などの痛みだけでも少し取り除いてあげたいものです。

 

変形性脊椎症

一つ一つが分かれている脊椎ですが、それがつながって固まってしまう病気です。椎間板ヘルニアなども原因と言われており、老犬に多い病気となっています。

 

これらなどが主な関節に見られる病気です。関節の病気の根本的治療は外科手術しかありませんが、その手術は大変難しい治療となります。

症状が軽い段階では、消炎剤やグルコサミン、コンドロイチンなどのサプリメントの投与が行われます。予防、悪化を防ぐ目的で使用されていますが、医療の現場でもこれらのサプリメントが有効とされていますので、症状を緩和するために飼い主が積極的に取り入れてあげると良いでしょう。

また、関節炎とは診断されていなくても老犬になるとグルコサミンやコンドロイチンの体内にある量は減ってしまいますので、飼い主が予防のために、愛犬の健康のために補給してあげることも良い方法です。

グルコサミンとコンドロイチンは同時に摂るべき?

グルコサミンとコンドロイチンは合わせてサプリメントやドッグフードなどにも配合されていますが、どちらか一つだけ摂っても十分な効果は得られるのでしょうか?

グルコサミンを生成できるコンドロイチンですが、グルコサミンを生成するためには実は多くの時間が必要となります。そのためコンドロイチンだけ摂取することになると、軟骨の修復もグルコサミンだけで行うことになります。

グルコサミンには軟骨などを修復する作用がありますが、コンドロイチンが十分に補われないまま作業をしてしまうとその軟骨は修復するものの、弾力性にかけてしまうため、弱いものとなってしまうのです。

グルコサミンが軟骨細胞を活性化させている時に、コンドロイチンの働きを得た方が、強く丈夫な軟骨が生成されますので、これが双方同時に摂るメリットと言えます。

 

グルコサミンとコンドロイチンを多く含む食品

グルコサミンとコンドロイチンはサプリメントなどとして売られていますが、もちろん食品からも摂ることができる成分です。どんな食品に含まれているのでしょうか?また、愛犬に食べさせることができるのか見ていきます。

 

エビやカニなどの甲殻類

グルコサミンとコンドロイチンを多く含むことで知られている食品にはエビやカニなどの甲殻類があります。甲殻類の殻の部分にはグルコサミンの原料とも言えるキチンと言う成分がたくさん含まれていますので、もちろん食品からも摂取することは可能です。

しかし、犬にとって、こうした甲殻類はあまり良くない食べ物です。第一に消化にも良くありませんし、チアミナーゼと言う成分が含まれているからです。チアミナーゼはビタミンB1を分解してしまう作用があり、ビタミンB1欠乏症になる危険性があります。犬がビタミンB1欠乏症を起こしてしまうと、嘔吐やけいれん、ふらつきなどの症状を引き起こしてしまいます。

この成分は加熱することで分解されるため、少量であればあまり問題ありませんが、やはり大量に食べさせることはあまり良くありません。

また、愛犬によってはこうした甲殻類にアレルギーを持っている子がいます。エビに多く含まれているトロポミオシンと言うたんぱく質をアレルゲンとする子も多いため、一度目は問題なくても2度目に強い症状を引き起こすアナフラキシーショックを起こす危険性があります。

カニやエビなどは人間でも美味しいと感じる食品であるため、好んで食べる子もいますが、やはりそのリスクを考えると与えることが怖い食品と言えるでしょう。

 

キノコ類

キノコの細胞壁にもエビやカニに含まれているキチンがあると言われています。しかし、キノコには人間でも有毒と言われるものが多くあります。

市販のものを食べる分には犬も問題ないとされていますが、やはり注意が必要な食べ物と言えます。知人からの頂き物など安心できないものは与えるのを避けた方が良いでしょう。

 

ウナギやふかひれ

ウナギやふかひれと言った高級食材にも、グルコサミンが多く含まれていますが、犬にグルコサミンを多く摂って欲しいからと言っても、高価なため頻繁に与えることは難しい食材です。食べても問題ないとされる食材ではありますが、人間もめったに食べることのできない高級食材ですので、やはり犬に与えることは簡単ではありませんよね。

 

オクラや山芋

オクラや山芋などのねばねばした野菜類にもグルコサミンやコンドロイチンは含まれています。しかし、エビやカニなどと違ってこれらに含まれている成分はグルコサミンそのものではありません。

プロテオグリカンと言うグルコサミンを含む成分として吸収されることになりますので、摂取量も十分とは言えません。グルコサミンやコンドロイチンを効率よく吸収するには不向きと言えるかもしれません。

 

牛や豚、鳥の軟骨

犬がグルコサミンやコンドロイチンを摂取するのに向いている食材は、やはり牛や豚肉、鳥の軟骨などが良いと言えるでしょう。

ただし、生肉は菌が繁殖している可能性もありますので、火を通したものが良いでしょう。茹でたり、焼いたりして与えるのがベストです。鳥の軟骨も軽く火を通し与えるようにしましょう。

鳥の軟骨は犬も好んで食べてくれますので、おやつなどに用いてみると良いでしょう。

 

食品からのグルコサミンやコンドロイチンの摂取が難しい点

グルコサミンやコンドロイチンは様々な食品から摂取することも可能です。コンドロイチンは、どじょうや納豆、サトイモなどにも多く含まれているため、ドッグフードにプラスしてあげることで摂取量を増やしてあげることはできますが、食品に含まれている成分量は決して多いわけではないのです。

関節痛などの悩みを抱えている子に与えるのであれば、効率よくグルコサミンやコンドロイチンを与える必要が出てきますので、やはり意図的にサプリメント、これらの成分を配合したドッグフードを与える方が良いと言えるでしょう。また、食品を調理する手間も省けますので、一石二鳥と言えます。

獣医師である宿南章が関節にトラブルがある犬のために開発した療法食「デイリースタイル 関節サポート」は、グルコサミンがエビ・カニ由来であるとアレルギーの心配もあるため、発酵により作り出したエビ・カニアレルギーを起こさない特別なグルコサミンを使用していますので参考にされてみてください。

 

まとめ

CMなどでもよく耳にするグルコサミン、コンドロイチンは、関節痛の原因となる細胞の生成や炎症の緩和に効果のある成分です。それぞれ役割は同じように見えますが、双方がそれぞれの働きを補助しながら、作用します。人間だけに限らず、愛犬の関節痛にも有効と言われており、動物病院でも実際に関節痛の治療に使われています。

グルコサミンやコンドロイチンは、もともと犬の体の中にもありますが、年と共にその量が減ってしまいます。仔犬の場合体内に十分量があるため、全く問題はありませんが、老犬になるにつれ徐々に減ってしまうため、それが関節痛を引き起こす原因となることもあるのです。

しかし、食品に含まれるグルコサミン、コンドロイチン量は非常に少なく、ドッグフードにこれらの食品を混ぜても十分量摂れると言う訳ではありません。飼い主の目から見て、愛犬の歩き方が前と違ったり、何となく関節が痛いのではと感じるようであれば、愛犬の予防と健康のためにも早めにグルコサミンとコンドロイチンを取り入れてあげることが大切です。

色々なサプリメント、これらの成分を含んだドッグフードなども売られていますが、製品によって含有量なども異なることもありますので、安全性の高い製品、より効果を感じられる製品を選ぶことがポイントとなります。比較が面倒と思うのであれば、獣医師が勧めるものがより安心でしょう。愛犬のためにも、良いグルコサミン、コンドロイチン製品を選んであげましょう。

犬 グルコサミン

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獣医師が犬の進化の歴史を研究。
進化栄養学など、様々な角度から
ドッグフード&療法食を作りました。

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記事を書いた人

宿南 章(しゅくなみ あきら)
獣医師
【文責】 獣医師・宿南 章(しゅくなみ あきら)
【資格】 獣医師免許(1993年取得)
【所属団体】
The Royal Society for the Protection of Birds 会員
日本盲導犬協会 会員
野生動物救護獣医師協会 正会員

【プロフィール】
1969年生まれ 兵庫県養父(やぶ)市出身。
日本大学農獣医学部(現日本大学生物資源科学部)獣医学科卒業。 獣医師。
横浜で犬猫の動物病院に勤務。その後、米国のCAM( Complementary and Alternative Medicine )を日本に導入している 研究所に移籍。北海道の農協の依頼を受け、牛のサルモネラダブリン症の治療を行い、当時抗生物質も効かない病気を治癒させるなど、数多くの治療実績を持つ。
その後、予防医学に特化した自然療法動物病院を設立し現在に至る。


【研修・研究内容】
1983年…アメリカ ウィスコンシン州、400エーカーの酪農家で住み込み実習
1985年…北海道 中標津 200頭飼育の酪農家で住み込み実習
1988年…獣医薬理学研究室にて薬草の薬理作用の研究(3年間)
1993年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(1回目)
1994年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(2回目)
2006年…オーストラリア メルボルン イアンゴウラー財団でガン医療研修

【論文】
Efficacy determination test for the Vibrational therapy in case of the skin ulcer induced on mice A.SHUKUNAMI Eastern Medicine 2004

【著書】
「薬いらずで愛犬の病気は治る」WAVE出版 は、17部門で1位を獲得するベストセラーとなり高い評価を得ている。
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