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てんかんを起こしやすい犬種は?原因や症状、薬と治療法

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人間でもてんかんというと怖い病気ですが、犬にもてんかんがあります。てんかんは突然発作を起こし、原因も様々です。ここでは犬のてんかんの種類や原因、症状と治療、てんかんになりやすい犬種について解説していきますので、正しい知識を持って愛犬のいざという時にしっかり対応していきましょう。

目次

犬のてんかんとは?

犬の脳内には数十億個の神経細胞があり、それらがシナプスや軸索で繋がっています。しかし、脳内の神経に異常な信号が送られて一気に脳内の神経細胞が興奮状態になり、コントロール不能になるというのがてんかん発作の簡単な仕組みです。

てんかんは脳の病気ですが、自然発生的なてんかん発作が24時間以内に最低2回以上起こることという基準があります。犬のてんかんは「構造性てんかん」と「特発性てんかん」という2種類に大きく分かれます。

また、てんかんとよく似た発作の症状がある発作をてんかん様発作と言います。

 

犬の構造的てんかん

焦点性てんかん発作

てんかんは脳の神経細胞が突然興奮状態になりコントロール不能のような状態になることですが、神経細胞の異常が脳全体ではなく一部分で発生して起こるてんかんのことを焦点性てんかん発作と言います。

焦点性てんかん発作になると、筋肉が痙攣するので、顔や頭、まぶた、四肢が激しく動きます。また異常行動もあり、落ち着きの無い、挙動不審な行動や何かを怖がったり、不安がったりするようなしぐさをします。

脳の部分的な発作なので運動を司る場所ではなく意識に関する部分の発作である場合は、呼びかけても反応しなかったり、顔面麻痺が起こったり、よだれを大量に流します。

 

全般性てんかん発作

脳の神経細胞の異常が右脳、左脳など脳の広い範囲で同時に起こるてんかん発作を全般性てんかん発作と言います。筋肉が激しく動く焦点性てんかん発作とは違い、筋肉が収縮したままだったり、筋肉と収縮と緩みを繰り返したり、緩んだまま動かなくなったりします。焦点性てんかん発作から徐々に発作が脳全体に広がる全般性てんかん発作になることもあります。

犬のてんかん発作では焦点性発作よりも全般性てんかん発作が多いです。激しいてんかん発作で、数十秒から2~3分間ほどの発作がおさまると何事も無かったかのように普通の状態になったり、しばらくもうろうとしたあとに徐々に回復して普段どおりになります。

1回の発作であることもあれば重度になると短い間隔で何度も発作を起こします。

 

犬の特発性てんかん

特発性てんかんは突然脳の神経細胞の異常が起こるという構造性てんかんとは違い、脳内に何か変調があることで起こるのではなく、遺伝的な原因で起こるてんかんと考えられています。原因が分からないのにてんかん発作が起こるのが特発性てんかんです。

てんかんを起こす犬の血統にあると特発性てんかんになりやすいと言われています。特発性てんかんになる原因の遺伝子が既に特定されている犬種にロマーニャウォータードッグ、ベルジアンシェパードがいます。

 

特発性てんかん好発犬種

・ アイリッシュウルフハウンド
・ ベルジアンタービュレン
・ ボーダーテリア
・ プチバセグリフォンヴァンデアン
・ フィニッシュスピッツ
・ ラブラドールレトリバー
・ スピノーネイタリアーノ
・ ビーグル
・ プードル
・ シェルティー
・ シェパード
・ ハスキー
・ テリア
・ ダックスフント
※近年ダックスフントのてんかんが増加しています。

 

てんかんを起こしやすい犬種

てんかんはどんな犬種でも発症する可能性は十分ありますが、特に起きやすいと言われている犬種があります。

・ アメリカンコッカースパニエル
・ イングリッシュコッカースパニエル
・ ウェルシュコーギーペンブローク
・ キースホンド
・ ゴールデンレトリバー
・ コリー
・ ウェルシュスプリンガースパニエル
・ コリー
・ ジャーマンシェパード
・ シェットランドシープドッグ
・ シベリアンハスキー
・ ダックスフント
・ セントバーナード
・ ビーグル
・ プードル
・ ボーダーコリー
・ ミニチュアシュナウザー
・ ボクサー
・ ワイヤーフォックステリア
などの犬種です。

てんかんの発症は1~3歳に特に多いです。

 

犬のてんかんの原因

病的原因

脳腫瘍、脳炎や水頭症などの他の疾患が原因で起こる発作としててんかん発作が起こります。交通事故などによる外傷の後遺症でもてんかんが起こります。

脳疾患だけでなく、高血圧や鉛中毒でもてんかん発作が起こります。

 

ストレス

ストレスが原因で心身に支障が起こりてんかん発作の原因になります。生活環境を整えてあげたり、常にストレスがたまらないようにリラックスさせたりコミュニケーションをしっかりと取っているとストレスが軽減されます。

 

遺伝的要因

遺伝子レベルでてんかんを起こしやすい犬種は数種類しか現段階では解明されていませんが、愛犬の家系をたどって、てんかん歴がある家族がいる場合はてんかん発作を起こしやすい可能性があります。

 

てんかんの症状例

・ 筋肉が激しく痙攣する
・ 犬かきをしているようなしぐさをする
・ 体が硬直した状態になり動けない
・ 全身だけでなく顔面が痙攣を起こす
・ 意識が無くなる
・ 失禁する
・ 脱糞する
・ 嘔吐する
・ 横転して体を反りかえらせる
・ 口から泡をふく
・ 激しく発作を起こした後に、何も無かったように元気そうにしている

 

至急動物病院へ行くべき症状は?

てんかんの発作にも色々な状態があります。てんかんを起こす愛犬のてんかん発作の様子は毎回同じようなものが多いものです。数十秒から2~3分ほどの発作が1回起きて、そのあとはウソのように元気になったというような発作の場合は、至急動物病院を受診する必要まではないです.

しかし、10分以上発作が続いたり、1日に何度(3回以上)も発作を起こすようであれば脳に外傷ができていたり、何か中毒になっているというような重篤な症状です。

また、意識が戻らないうちにまた次の発作が起こるというようなことを繰り返していると命に関わります。てんかんの治療は遅れると命が助かっても後遺症に苦しむことがありますのでできるだけ早く動物病院を受診してください。

 

愛犬がてんかん発作を起こしたら?

冷静に観察する

愛犬が突然激しく痙攣したり、突然奇声あげてのけぞったり、口から泡を出したりすると飼い主さんはショックですし、何とかしてあげたいけれども何もできず呆然としてしまうかもしれません。てんかんの痙攣を起こしている時、愛犬は非常に苦しそうにしていますが、てんかん発作を起こしている時は意識をなくしていますので苦しい、痛い、辛いという感覚はありません。

飼い主さんは冷静に対応しましょう。

 

発作の時の対策

愛犬が尋常でないほど苦しそうにしていると飼い主さんはついつい揺らしたりしてしまいますが、体を押さえつけたり揺すったり、口の中に異物を入れないようにしましょう。犬も意識を失っていますし、自分をコントロールすることができませんので口に手などを入れると凄い力で噛まれるということもあります。

ただし、嘔吐などがある場合、嘔吐したもので気道が詰まってしまって息ができなくなると困るので、気道を確保してあげることは大切です。口の中に異物がある場合はかまれないように注意しながら取り除いてあげましょう。

また、発作を起こしている場所が危険でないかどうかの確認をして安全を確保してあげてください。

 

てんかん発作の様子をメモする

愛犬の発作の様子や発作の時間や回数などをじっくり冷静に観察してしっかりとメモして動物病院の獣医さんにしっかり伝えることが大切です。

・発作を起こした時に何をしていたのか

・いつ発作が始まったのか

・声をかけて視線を合わせてみてどうだったか

・どのような場所が痙攣していたか

・発作の始まりから終わりまでが何分くらい続いたか

・発作のあとはどのような様子だったか

・完全に元気になるまでにどのぐらい時間がかかったか

・発作を起こす前に何か前兆があったのか

というようなことをしっかりとメモをして獣医さんに伝えることで、てんかんの種類などを見極める手がかりになります。

 

てんかんの診断

てんかんがあるのかないのかということは、脳波を検査することで判断します。人間の場合は脳波を測るためにじっとすることができますが、犬の場合、検査の間じっとしていることができませんので鎮静剤を打って脳波の検査をします。

脳波を測定すると、どの場所で神経細胞がショートしているかということが分かることもあります。また、てんかん発作の原因が脳の一部で起こっているのか、脳の広い範囲で起こっているのかということも確認できますし、左右のどちらの脳で外傷があったりするのを予測することもできます。

長期間に渡って脳波を記録していくと治療の具合が分かるので重要な資料になるのです。

 

抗てんかん薬の投与

現在のところ、犬のてんかん治療には抗てんかん薬の投与が主流です。抗てんかん薬を投与することでてんかん発作をコントロールして日々の暮らしの質を向上させるのが大きな目的です。抗てんかん薬を使うと発作を起こすことなく脳を安定させます。

しかし、この抗てんかん薬は長期に渡って薬を利用して発作を抑えるというものですから、薬をしっかり飲まなかったり、突然投与をやめた時に重篤なてんかんの症状である重責発作や群発発作を起こすことになります。このことからも、抗てんかん薬を服用しだすと、ずっとこの薬が手放せない状態になります。

抗てんかん薬を服用してもてんかんを根本的に完治させるという治療ではなく、てんかん発作をコントロールして上手にてんかんと付き合っていくということです。どんな薬でも副作用がありますが、抗てんかん薬で副作用が大きいと思われているのは、このように長期に渡ってこの薬を飲み続ける必要があり、勝手に服用を止めてしまうことで重責な発作が起きることが原因です。

抗てんかん薬の副作用でてんかん発作が起きるのではなく、抗てんかん薬で抑えられていた発作が薬を飲まなくなったときに、溜めていたてんかん発作を爆発させてしまうためです。

決して、抗てんかん薬でてんかん発作が酷くなるというものではありません。

 

てんかんは治る?

てんかんは一度発作を起こすとその後また発作を起こす可能性が高く、抗てんかん薬などを投与してなるべくてんかんの発作がでないように、上手にてんかんと付き合っていくという生活になります。

このため、てんかんの治療は行いますが、てんかんの完治は非常に難しいことだと認識しておく必要があります。抗てんかん薬の投与によって7~9割の発作を抑えることができます。

 

てんかんの犬のための食事は?

てんかんは脳の神経細胞が突然ショートしてしまうことで発作が起こります。薬での治療でも完治を望むことは難しいので生活環境をしっかりと改善していくことが大切です。てんかんという病気とは長期に渡って愛犬と飼い主さんが一緒に付き合っていく必要があるのです。

脳に良い影響を与えるとされる食材を中心に食事内容を見直していくことも良い方法のひとつです。まず、脳には糖質が重要な栄養素です。また、DHAやEPAなどのオメガ3は脳に良い脂肪酸とされており、てんかんや認知症の予防になると言われています。

神経細胞を活性化させるためにもビタミンB6は重要な栄養素です。さらに、抗てんかん薬が肝臓で代謝されるので肝臓を健康に保つことも大切です。肝機能を維持するための食事であることは重要ですし、脳の神経細胞にも腸内環境が大きく関わっているという研究も進んでいます。

栄養バランスをしっかり整えて、肝臓の代謝を上げて、腸内環境を整えることがてんかんの愛犬の食事に必要な要素です。てんかんを患う犬のために獣医が勧めるドッグフードなどを利用して愛犬の食生活を整えましょう。

まとめ

犬のてんかんは、脳の中の神経細胞が突然ショートしてコントロール不能となり、体に痙攣として表れたりするものです。てんかんの発作は激しいので、愛犬が発作を起こしていると飼い主さんも動揺してしまうこともあるかと思いますが、愛犬の発作の様子をしっかりと覚えてメモをもって病院に連れて行ってあげましょう。

犬のてんかんには現在抗てんかん薬の投与が主流ですが、これは完治するための薬ではなく、てんかんの発作を起こさないようにコントロールするための薬です。

副作用など心配な面もありますが、自己流に突然薬をやめるようなことをすると、てんかんの発作を再び起こす危険もあります。獣医師の処方通りに服用してあげてください。

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獣医師が犬の進化の歴史を研究。
進化栄養学など、様々な角度から
ドッグフード&療法食を作りました。

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記事を書いた人

宿南 章(しゅくなみ あきら)
獣医師
【文責】 獣医師・宿南 章(しゅくなみ あきら)
【資格】 獣医師免許(1993年取得)
【所属団体】
The Royal Society for the Protection of Birds 会員
日本盲導犬協会 会員
野生動物救護獣医師協会 正会員

【プロフィール】
1969年生まれ 兵庫県養父(やぶ)市出身。
日本大学農獣医学部(現日本大学生物資源科学部)獣医学科卒業。 獣医師。
横浜で犬猫の動物病院に勤務。その後、米国のCAM( Complementary and Alternative Medicine )を日本に導入している 研究所に移籍。北海道の農協の依頼を受け、牛のサルモネラダブリン症の治療を行い、当時抗生物質も効かない病気を治癒させるなど、数多くの治療実績を持つ。
その後、予防医学に特化した自然療法動物病院を設立し現在に至る。


【研修・研究内容】
1983年…アメリカ ウィスコンシン州、400エーカーの酪農家で住み込み実習
1985年…北海道 中標津 200頭飼育の酪農家で住み込み実習
1988年…獣医薬理学研究室にて薬草の薬理作用の研究(3年間)
1993年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(1回目)
1994年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(2回目)
2006年…オーストラリア メルボルン イアンゴウラー財団でガン医療研修

【論文】
Efficacy determination test for the Vibrational therapy in case of the skin ulcer induced on mice A.SHUKUNAMI Eastern Medicine 2004

【著書】
「薬いらずで愛犬の病気は治る」WAVE出版 は、17部門で1位を獲得するベストセラーとなり高い評価を得ている。
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