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犬の肥満やダイエットに効果的な食事方法とは?

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人間同様、犬にとっても肥満は病気の引き金となります。愛犬の体重が増えてしまった場合、病気から守ってあげるためにも、ダイエットが必要になってきます。しかし、愛犬のダイエットを一度も行ったことのない飼い主にとっては、右も左も分からないことだらけですよね。今回はそんな犬のダイエットと食事の見直しについて効果的な方法を見ていくことにしましょう。

目次

犬の肥満とは?

愛犬を見て、太っている姿が可愛いと思っている飼い主さんも少なくないのでは?確かに、普通の体重より少し多い程度のポチャッとした体型は、飼い主さんにはとても可愛らしく映りますよね。また、愛犬がご飯をたくさん食べるのが可愛くて、ついつい食べさせる量を増やしてしまうと言う飼い主さんもいることでしょう。欲しがっているのに我慢させることは飼い主としてもあまりしたくはないかと思います。

しかし、そんな何気ない行為の積み重ねが体重を増やしてしまっているのです。肥満は体に余計な脂肪が蓄積してしまっている証です。単に太目と言うだけならそのままでも問題ありませんが、犬に限らず、肥満は「万病のもと」と言われています。犬の肥満は糖尿病や関節炎など様々な病気の原因となってしまうのです。

愛犬にはそれぞれ犬種によって月齢によって、理想と言われる体重がありますが、その理想体重の15%から20%を超えてしまうと肥満と診断されます。

飼い主さんが考えている、太っている、太っていないは、やや甘い場合が多く、しっかり肥満かどうか判別するためには、やはり動物病院などで相談してみることが大切です。すでに肥満気味と言われているのであれば、ダイエットをできるだけ早く考えてあげると良いでしょう。

 

愛犬を太らせていると言う自覚を持つ

犬は飼い主さんに与えられた食事を、毎日何の疑いもなく食べています。時折愛犬がもっと食事を欲しそうにしていることもあると思いますが、その誘いに乗ってついつい食事を与えているのは飼い主さんです。人間は、自分自身で太った、そろそろ痩せなくてはと思うことができますが、犬がそんな危機感を覚えることはありません。そのため、やはり人間よりも犬のダイエットは難しいと言わざるをえません。

まずは、飼い主さんの意識を変えていくよう心がけましょう。犬の肥満は病気のリスクを上げてしまいます。病気になったら、飼い主さんも悲しくなってしまいます。同時に、犬もその病気に苦しむことになるのです。

飼い主さんにとっても、愛犬にとっても肥満は決して良いものではありません。「少し太っていた方が可愛い」などと言う気持ちを、まずは改めましょう。その上で強い意識を持ってダイエットを決断するようにしましょう。

飼い主さんの考え方が元のままでは、ダイエットも成功することはありません。気持ちを新たに、ダイエットを途中で止めてしまったり、つい食事の量を増やしてしまうことがないよう意識を高く持ってダイエットに取り組んでいきましょう。

 

愛犬のダイエットは食事の量を減らせばいいの?

愛犬が最近太ってきたことでダイエットを考える場合、一番に思いつくのが食事の量を減らすことではないでしょうか?人間でもダイエットの時には食事の量を減らしたりするため、手っ取り早く思いつく方法です。

しかし、急激な食事制限は犬に限らず人間でも健康を害してしまいます。やはりバランス良くダイエットしていくことが大切です。生きていくために必要な栄養素はしっかり補いながら、摂取カロリーを制限していくことが重要になってきます。犬の摂取カロリーをどのくらいに抑えていけばいいのでしょうか?

 

犬のダイエット時の摂取カロリーは?

犬にダイエットをさせる時には、栄養バランスを保ったまま摂取カロリーだけを減らしていく方法を取ることが理想とされています。犬は体重ごとに理想とされる摂取カロリーが決められています。それが70×体重の0.75乗にステージごとの係数をかけた値です。係数は、ステージごとに割り当てられており1歳以上の成犬の場合、1.8をかけた値が理想とされています。つまり3kgの犬であれば288kalが理想と言う訳です。

しかし、これはあくまでも太っていない子の場合で、肥満の子がこのカロリー分食事してしまっては、体重を減らすことができません。このステージ係数には肥満気味と言う項目もあり、その係数は1.4で、ダイエット中の場合は1.0をかけると理想のカロリーが割り出させるとされています。計算式が難しいため、結論を書かせていただきますが、体重3kgの犬であれば、肥満気味な場合、224kalに調節していく必要があり、肥満と診断され、減量が必要な場合は160kalに抑えていくのが理想です。

体重ごとの理想カロリー摂取量を載せておきますので、参考にしてみましょう。

 

3kg・・・肥満気味224kal・・・肥満160kal
5kg・・・肥満気味327kal・・・肥満234kal
7kg・・・肥満気味421kal・・・肥満301kal
10kg・・・肥満気味551kal・・・肥満394kal
15kg・・・肥満気味747kal・・・肥満534kal
20kg・・・肥満気味926kal・・・肥満662kal
25kg・・・肥満気味1096kal・・・肥満897kal
30kg・・・肥満気味1255kal・・・肥満897kal
35kg・・・肥満気味1409kal・・・肥満1007kal
40kg・・・肥満気味1558kal・・・肥満1113kal
45kg・・・肥満気味1702kal・・・肥満1216kal
50kg・・・肥満気味1842kal・・・肥満1316kal
55kg・・・肥満気味1978kal・・・肥満1413kal
60kg・・・肥満気味2112kal・・・肥満1509kal

 

となります。自分の子のダイエット時の摂取カロリーを覚えておきましょう。必要に応じた摂取カロリーの食事を用意してあげるようにしてください。

 

ダイエットの食事で欠かしてはいけない栄養素

愛犬のダイエットの食事は摂取カロリーを抑えることが一番のポイントになりますが、体にとって必要となる栄養素はきちんと摂っていくことが大切です。

三大栄養素と呼ばれている炭水化物、たんぱく質、脂質をしっかり補い、また体の調子を整えてくれるビタミンやミネラル分も欠かさず摂取させてあげましょう。

乾燥しているフードであれば炭水化物は総重量の55%、たんぱく質は15%から30%、脂質は7%から12%が理想摂取量となります。ビタミンやミネラルは摂りすぎても少なすぎても良くありませんので、丁度良いバランスを心掛けましょう。

 

ダイエットでおやつは絶対にダメ?

基本的に摂取カロリーを抑えることでダイエットに繋がりますので、おやつを与えることは良くないといえますが、栄養バランスが良いものであれば、総カロリーを計算して与えても問題はありません。ただし、おやつのカロリーは思った以上に多いものばかりですので、ダイエット向けのおやつなどを取り入れてみると良いでしょう。

また、今までおやつをもらえていたにもかかわらず、急におやつがもらえなくなると犬はストレスを抱えてしまいます。小さなサイズに切り分けて数回にわたって与えるなどの工夫をしていきながら、愛犬にとってストレスとならないダイエット法を考えてみると良いでしょう。

ささみなど低カロリーの手作りおやつを用意してあげるのも良い方法です。

関連記事:犬のおやつは何がいい?種類や量、与え方の正しい知識

 

人間の食事を与えない

肥満になる原因として、人間の食事を与えることが習慣になっていることがあります。人間が食事する度に犬に与えていたのでは、摂取カロリーを抑えることは難しくなります。しつけと言った面から見ても、健康面から見ても良いしつけとなりますので、人間の食事は決して与えないよう心がけましょう。

習慣化している子の場合、一時的に要求鳴きが増えることがありますが、これを機に飼い主さんも人間の食事を与えることをグッと我慢するようにしてください。

 

食事の回数を増やしてみる

犬は、1回あたりもらえる量が多いよりも、食事の回数が多い方が喜びを感じます。少ない食事量で我慢してもらうことになりますので、食事の回数を増やし小分けに与えてあげるようにしましょう。1日2回与えているようであれば、3回か4回に増やしてあげると犬はダイエットも苦痛やストレスを感じなくなります。

ぜひ、食事の制限を考えている場合には食事の回数を見直してあげてみてください。ただし、1日の食事の摂取カロリーは必ず守るようにしましょう。

 

獣医師と相談してダイエットを開始する

犬に無理なダイエットをさせるのは、健康面でも心配が出てきます。飼い主さんのオリジナルなダイエット方法を強要すると健康を害してしまうことも考えられるためです。犬はダイエットが辛いことも、健康を脅かしていることも訴えることができません。

できれば獣医師と相談の上、ダイエットを始めていけると良いでしょう。獣医師の目線でアドバイスをもらえれば、安心です。持病などによっては、与えては良くない食事などもありますので、一度受診して確認してみましょう。

 

犬のダイエットは長期戦

人間でもそうですが、ダイエットを成功させるためには急激な体重の減少は良くありません。もちろん健康面でもそうですが、やはり元の食事内容に戻った時にリバウンドする可能性がでてきます。

ダイエット後は、食事内容が前と同じでも体が栄養を止めておこうとするため起こる体重の急激な増加が要因となりますので、無理なく長期間にわたって徐々に体重を減らしていくよう心がけましょう。半年、1年、それ以上のスタンスを想定して、ダイエットにトライする気持ちが大切です。

 

食事の与え方にも工夫を

一般的なフードトレーで食事を与えてしまうとあっという間に食べ終えてしまい、物足りないと感じることになります。そんな時には食事の与え方にも工夫を凝らしましょう。早食いを防止してくれる溝付きのフードトレーを用いるだけで、食べる速度が格段に遅くなりますので、少ないフードでも満腹感を得ることができます。

また、トングと言うおもちゃなどにフードを詰めて与えてみるのも良いでしょう。トングは筒状のおもちゃで真ん中の空いた穴にフードを詰められるものですが、簡単に食べることができないため、食べる速度を制限することができます。こうすることでダイエット中でも満足感が得られます。

愛犬が食事をもっと欲しがるような時は、これらのアイテムをぜひ使ってみましょう。

 

低カロリーのフードに変える

今では、愛犬用のフードにもダイエット用、体重管理用、減量用などが用意されています。食事の量を少なくすることなく、カロリーを抑えることのできるフードです。こうしたフードは一般のドッグフードと比べ割高となっていることが多いですが、犬にとって必要となる栄養面に関してもしっかり管理されて作られていますので、手作りの食事より栄養が取りやすいと言った一面があります。

ただ、単にカロリーを抑えただけのフードですと、ワンちゃんの健康に必要なたんぱく質やビタミンなどの栄養素が足りなくなってしまいますので注意が必要です。獣医師の宿南章が愛犬の健康的なダイエットをサポートするために開発したドッグフード「デイリースタイル 満腹感サポート」も参考にしてみてください。愛犬の今食べているフードを変えるだけで、ダイエットができてしまうので、面倒と感じることなく続けることができますね。

⇒愛犬を健康的にダイエットさせたい方に「デイリースタイル 満腹感サポート」

 

低カロリーフードを食べてくれない場合にはどうする?

栄養が簡単に補え、カロリーを制限することのできるローカロリーフードにせっかく変えようと思ったのに、愛犬が全く食べてくれないと言うこともあると思います。そんな時は食事の量を少し減らすことから始めてみましょう。急激に食事の量を減らすことは良くありませんが、少し食べる量を減らす分には、問題もありません。いつものドッグフードを減らし、その量をローフードに差し替えましょう。そうすることで徐々にカロリーの少ないフードに慣らしていきましょう。

すべてローフードと差し替えることが目標ではなく、あくまでダイエットが目的となりますので、半分程度差し替えることができれば、十分です。すべてカロリーの少ないローフードに変える時よりも時間はかかりますが、確実にダイエットしていくことができますので、愛犬にとってもストレスのかからない方法と言えます。

 

まとめ

愛犬が肥満になってしまうと様々な病気のリスクも高くなります。愛犬の健康を守るためには、やはりダイエットさせてあげるしかありません。食事を根本から見直して、ダイエットに役立てていきましょう。まずは、摂取カロリーを抑えることが大切です。野菜やカロリーの低いささみなどを使った手作りの食事に変え、体重を減らしていきましょう。

また、市販されている減量用のフードを使ってみるのも良いでしょう。満腹感を得られるように、回数を増やしてあげることも心掛けてください。食べる速度をゆっくりにさせてあげることも、より満腹感を覚えることのできる方法ですので、ぜひ試してみると良いでしょう。コングや溝のついたフードトレーなどのグッズを積極的に取り入れていくのも良い方法です。

忘れてはいけないことは、愛犬を太らせてしまった原因が、飼い主のあなたであると言うこと。ダイエットを成功させるためには、飼い主であるあなたの意思を強く持つことが大切です。愛犬と一緒にダイエットを乗り越えていけるよう頑張りましょう。

犬のダイエット

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獣医師・宿南章の愛情ごはん療法食

獣医師が犬の進化の歴史を研究。
進化栄養学など、様々な角度から
ドッグフード&療法食を作りました。

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記事を書いた人

宿南 章(しゅくなみ あきら)
獣医師
【文責】 獣医師・宿南 章(しゅくなみ あきら)
【資格】 獣医師免許(1993年取得)
【所属団体】
The Royal Society for the Protection of Birds 会員
日本盲導犬協会 会員
野生動物救護獣医師協会 正会員

【プロフィール】
1969年生まれ 兵庫県養父(やぶ)市出身。
日本大学農獣医学部(現日本大学生物資源科学部)獣医学科卒業。 獣医師。
横浜で犬猫の動物病院に勤務。その後、米国のCAM( Complementary and Alternative Medicine )を日本に導入している 研究所に移籍。北海道の農協の依頼を受け、牛のサルモネラダブリン症の治療を行い、当時抗生物質も効かない病気を治癒させるなど、数多くの治療実績を持つ。
その後、予防医学に特化した自然療法動物病院を設立し現在に至る。


【研修・研究内容】
1983年…アメリカ ウィスコンシン州、400エーカーの酪農家で住み込み実習
1985年…北海道 中標津 200頭飼育の酪農家で住み込み実習
1988年…獣医薬理学研究室にて薬草の薬理作用の研究(3年間)
1993年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(1回目)
1994年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(2回目)
2006年…オーストラリア メルボルン イアンゴウラー財団でガン医療研修

【論文】
Efficacy determination test for the Vibrational therapy in case of the skin ulcer induced on mice A.SHUKUNAMI Eastern Medicine 2004

【著書】
「薬いらずで愛犬の病気は治る」WAVE出版 は、17部門で1位を獲得するベストセラーとなり高い評価を得ている。
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