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犬が痙攣したらどうすればいい?原因と対処で大切な5つのこと

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愛犬が突然発作を起こしたら、飼い主さんはびっくりしてしまうことでしょう。何が起こったのか分からずに、思わず騒ぎ立ててしまうかもしれません。ワンちゃんが痙攣して意識がない状態になってしまったらどのように対処したら良いのでしょう?
急な発作が起こっても対応できるよう、症状や原因となる病気、痙攣した時の対処法を学んで、万一に備えましょう。

目次

痙攣している状態とは?

痙攣という言葉自体はよく耳するかと思います。身体を引きつらせてビクビクとなったり、全身が硬直してブルブルと震えたところを見たことがあるかもしれません。

痙攣は大脳が一時的に興奮状態となって、正常な活動が出来ない状態です。言い換えると脳が暴走している状態なので意識(自我)がなくなり身体の自由が利かなくなってヨダレを垂らしたり排泄してしまったり、自分の意志とは関係なく身体が機能します。

影響を受けるのが全身の場合と、前足のみなど身体の一部だけという場合がありますが、全身が影響を受ける場合、痙攣時間自体は2分ほどと短いです。

 

痙攣するとどんな症状が出るのか?

痙攣した時によくなるのは以下のような症状です。

・全身が硬直してブルブル、ガタガタと震え出す
・身体の一部(前足だけ、顔面だけなど)が震えたり引きつったりする
・意識がなくなる
・排泄してしまう(失禁、漏らしてしまう)
・ヨダレが大量に出る
・呼吸困難
・嘔吐、吐き戻し

長い時間ずっと痙攣することは滅多にありません。全身に及ぶ痙攣でも1~2分ほどでおさまります。個体の大きさや年齢によって、痙攣する強さやあらわれる症状は違いますが、脳が興奮して暴走している状態なので、症状を止めることは難しいです。

 

なぜ起こる?痙攣の原因は?

痙攣が起こる原因はいくつか考えられます。ただ、痙攣している状態だけではどの原因で発作が起こっているのか特定することは非常に困難です。

痙攣してしまったら、その前後で何があったのかシチュエーションやワンちゃんの行動も含めて考える必要があります。

 

病気が原因で痙攣している場合

犬が病気にかかっていることが原因の場合、一番初めに「てんかん」が疑われることが多いですが、腫瘍や感染症など病気の可能性もありますので、頻繁に発作が起こる時には早急に診察を受けましょう。受診の際には、発作時のことを記録したメモなどがあると原因特定の手助けになります。

 

筋肉が痙攣している場合

人の場合でも起こりますが、激しい運動をした後に筋肉が痙攣することがあります。過度な運動で引き起こされる筋肉痛のようなものと考えてください。

筋肉痙攣の場合は、酷使した筋肉箇所のみが部分的に痙攣し、意識もある状態です。一時的に身体が疲れて起こるものなので特別心配する必要はありませんが、なかなかおさまらない場合は筋肉を痛めている可能性がありますので、病院で診てもらいましょう。

 

低血糖症が原因の場合

低血糖で起こる痙攣は生後3ヶ月までの子犬に多く見られます。長時間食事をしていない場合に血糖値が下がって低血糖症となり発作が引き起こされます。成犬でも5歳以上の犬ではホルモンバランスの異常やインスリンの過剰分泌が原因で低血糖症になり、痙攣することはあります。

あまり激しくない筋収縮が長めに起こり、下半身が麻痺したようになります。小型犬で下痢や嘔吐が続いている子も低血糖症になりやすいので注意しましょう。

対処方法としては、子犬の場合は空腹の時間を減らすように工夫します。1日の食事を小分けにして回数を増やして少しずつ与えるのが良いでしょう。子犬の時期は成犬と必要な栄養素も違いますので、できれば子犬専用のフードを与えてあげるのが望ましいです。

獣医師である宿南章が1歳未満の子犬に必要な栄養を最適に配合して開発した「デイリースタイル子犬用」ドッグフードも参考にしてみてください。

また、血糖値が下がっている状態なので、元気のない時にのみ砂糖水や蜂蜜などを補助的に与える方法もあります。発作が起きている時は歯茎に擦り込むようにし、なるべく体に触れたり動かしたり無理はしないようにしましょう。

低血糖症を引き起こした原因となっている病気が隠れているので発作がおさまり次第病院を受診します。

 

中毒症状が原因の場合

玉ねぎやニンニクなどのネギ類、チョコレートといった食品を摂取することで中毒症状の一つとして痙攣が引き起こされることがあります。

摂取しても全く問題ないワンちゃんもいれば、少量の摂取で命を落とすワンちゃんもいます。個体の大きさや体重などによっても危険性が変わりますが、日常の中で愛犬が摂取しないよう十分に注意が必要です。

食べると中毒症状があらわれる食品として代表的なものは以下です。

・ネギ類(玉ねぎ、ニンニク、ニラなど)
・チョコレート(カカオが中毒症状を引き起こす)
・ぶどう
・カフェイン(コーヒー、紅茶など)
・酒類(アルコール)
・アボカド
・ナッツ類(アーモンド、ピーナッツ)
・キシリトール

愛犬からねだられるとついついあげてしまうことがあるかもしれませんが、加工食品の場合は中毒成分が含まれている可能性が大いにありますので、出来るだけ人間の食べ物は与えないようにしましょう。

また、植物や薬品、タバコなども中毒症状を起こす要因となります。散歩中の拾い食いに気をつけ、家の中で誤飲誤食がないように意識してあげてください。

 

その他の原因

また近年では脱水や熱中症が発作の原因になることもあります。体調不良が悪化することで発症するようです。そして稀ではありますが、極度の恐怖や緊張状態によって痙攣を引き起こす子もいます。例えば雷が怖いワンちゃんや大きな音にびっくりして発作を起こす子など、その子の過去にあったトラウマが引き金となっていることがあります。

 

痙攣とてんかんの違いは?

てんかんとは?

犬の痙攣で一番初めに疑われるのが「てんかん」です。てんかんは、脳の神経伝達が急に乱れることによって引き起こされます。簡単に言うと脳波に異常が起きている状態です。

てんかんには2つの種類あります。

1.突発性(原発性)てんかん
特に異常が見られない原因不明のてんかんです。
病気や外傷が当てはまらない場合に、突発性てんかんと診断されます。

 

2.症候性(二次性)てんかん
脳腫瘍や脳炎など病気、外傷が原因で起こるてんかんのことを指します。

このように何らかの原因によって、100頭に1頭の割合でてんかんの発作が起こっていると言われます。

発作の頻度に規則性はなく、定期的にてんかんを起こす子もいれば、1回だけ起こった子など症例は様々です。2回以上てんかんが起こるとてんかん発作として診断され、3ヶ月に2回以上のペースで発作が起こると治療の対象となります。

 

てんかんの対処方法

1.突発性(原発性)てんかんの場合
突発性てんかんの場合、原因不明のため抗てんかん薬により投薬治療がメインです。投薬効果を確認しながら、薬の種類を変更するなどして合うものを処方します。ワンちゃんによっては処方する薬がどれも合わず、効果がないケースもあります。

 

2.症候性(二次性)てんかん
病気が原因の場合は病気治療を行いますし、外傷が原因であれば手術などの処置を行います。てんかんを引き起こしている原因を取り除くための対症療法が治療となります。

関連記事:てんかんを起こしやすい犬種は?原因や症状、薬と治療法

 

痙攣を引き起こす病気について

痙攣が起こる原因として挙げられるのは主に以下のような病気や症状です。

 

脳腫瘍

脳に腫瘍が出来る病気です。てんかんは脳腫瘍の最初の症状であることが多く、発作があらわれた場合には疑う病気の一つです。首を傾げたままなおらなくなる斜頸や捻転斜頸、運動神経に支障が出たり、眼球が揺れ動く動作(眼振)などてんかん以外の症状も見受けられると、脳腫瘍である可能性が高いです。

 

脳炎

脳炎はウイルスや菌などの病原体に感染するし発症するケースと突如自己免疫が脳を攻撃して引き起こされる原因不明のケースとがあります。ウイルスでは狂犬病やジステンパーウイルスが代表的です。

細菌や寄生虫から感染する可能性もありますので原因は様々で定期的なワクチン接種である程度予防出来ることもありますが、突発性のケースや感染症においては完全に防ぐ方法はありません。

 

水頭症

頭蓋骨内部の脳室を満たしている脳脊髄液量のバランスが崩れることで発症します。脳脊髄液量のバランスが崩れてしまう理由としては、ビタミン不足、外傷、感染症、脳炎などですが、遺伝するとも言われています。

水頭症にかかった犬は、惰眠や過眠の状態で元気がなくなります。また、攻撃的になったり異常な行動が目立つようにもなります。筋肉が硬直したり、痙攣の発作があらわれるのも水頭症の症状の一つです。

 

循環器疾患

循環器とは血液やリンパ液を運ぶ役割を行う身体の器官を指します。循環器官は色々ありますが、役割の中ではやはり心臓が一番大きな存在と言えます。循環器官に問題がある場合は、食欲がなくなったりいつもより呼吸が荒くなるなどの変化が伴います。また、歯茎が白っぽくなっている時は心臓に疾患がある可能性があります。

循環器に問題がある場合、なるべくワンちゃんを興奮させないようにしましょう。激しい運動も控えてください。また塩分の高い食事は心臓に負担がかかりますので、今与えているドッグフードを見直すなどして減塩を心がけるようにしましょう。

フィラリアから感染して心臓を患うこともありますが、定期的な投薬で予防が出来ます。夏場は蚊の多い草むらや公園を避けるなどの配慮もしながら、外的な要因で感染しないように注意してあげてください。

関連記事:犬のフィラリア症の原因と症状、予防薬と注意点について解説

 

犬の門脈シャント(門脈体循環シャント)

本来血液が流れるべき血管とは違うルートを流れることをシャントと言います。そして、犬にはシャント血管という特殊な血管構造があるのですが、体内で作られたアンモニアなどの毒素が、門脈と呼ばれる血管と大静脈の間のシャント血管を通ることで、肝臓で分解されるはずの毒素が全身を巡ってしまうことにより様々なトラブルが引き起こされる病気です。

この病気は先天性であることがほとんどで後発的に発症する場合、慢性肝炎や肝硬変といった重度の肝臓病を患っているケースが多いです。

軽症の場合は食欲がなかったり、下痢や嘔吐などの症状が見受けられ、重症になるとふらつきやヨダレが出たり、痙攣や異常行動、そして一時的に目が見えなくなるなど重い症状がいくつもあらわれます。

症状が軽い場合であれば食事による療法や投薬によって改善することはありますが、症状が重い場合にはシャント血管を閉じる外科手術を行います。ワンちゃんの体調やシャント血管の位置や状態によって手術が難しいケースもありますので、先天性でない限りは早期発見で軽症のうちに治療出来るのがベストです。

 

痙攣したらどうする?飼い主さんの対処方法

飼い主さんは冷静に

愛犬が痙攣してしまった場合でも落ち着ついて対処しましょう。パニックになってしまう方もいらっしゃいますが、冷静に対応してください。

何度も繰り返して発作が起こるような場合は危険な状態ですが、単発で起こる痙攣の場合は数秒~数分でおさまります。

 

身体に触れない、声をかけない

発作中に身体を揺すったり、声をかけたりすることはしないでください。心配になりますがワンちゃんの名前を呼んだりもしないようにします。

嘔吐している場合は、吐いたものが気管に詰まらないよう顔を横に向けるなどしますが、基本的には痙攣中の犬には触れないようにしましょう。

 

怪我をしないように配慮

痙攣の強弱によってはビクンビクンと大きく暴れることもあります。周囲にぶつかって怪我をしそうなものがあればどけてあげます。

仰け反って痙攣するような時は、首が締まって危険な場合首輪を外したり洋服を緩めたりはしても構いません。

 

痙攣時の様子を記録する

どのくらいの時間痙攣していたか(長く感じても実際には1~2分かもっと短いです)、全身痙攣か部分痙攣か、意識の有る無しなどの状況を記録しておき、病院で詳細を伝えてください。

 

早めに病院で受診

痙攣後はフラフラしたり、元気がなく気分が悪そうにしている子が多いです。ワンちゃんが落ち着いてから早めに病院で受診してください。

痙攣した後、何事もなかったかのように振る舞う犬もいますが、大病が隠れている可能性がありますので、必ず受診しましょう。

まとめ

犬種によっても、てんかんを引き起こしやすい種類となりにくい種類の子はあると言われていますが、基本的にはどの犬種にも起こり得る疾患です。

原因の元が遺伝性の場合や突発性である場合には、病原を防ぐことは難しいですが、後発的な病気が原因であれば早期発見での適切な治療で、改善可能です。予防接種を定期的に受ける他、日頃からワンちゃんの健康状態を把握しておき、健康でも検診は小まめにしておきましょう。

万一発作が起こった時、飼い主さんにとってはかなりショックでしょうが、一番辛いのは症状が出ている愛犬のワンちゃんです。取り乱したりせずに落ち着いて対処してあげましょう。

犬 痙攣

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獣医師が犬の進化の歴史を研究。
進化栄養学など、様々な角度から
ドッグフード&療法食を作りました。

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記事を書いた人

宿南 章(しゅくなみ あきら)
獣医師
【文責】 獣医師・宿南 章(しゅくなみ あきら)
【資格】 獣医師免許(1993年取得)
【所属団体】
The Royal Society for the Protection of Birds 会員
日本盲導犬協会 会員
野生動物救護獣医師協会 正会員

【プロフィール】
1969年生まれ 兵庫県養父(やぶ)市出身。
日本大学農獣医学部(現日本大学生物資源科学部)獣医学科卒業。 獣医師。
横浜で犬猫の動物病院に勤務。その後、米国のCAM( Complementary and Alternative Medicine )を日本に導入している 研究所に移籍。北海道の農協の依頼を受け、牛のサルモネラダブリン症の治療を行い、当時抗生物質も効かない病気を治癒させるなど、数多くの治療実績を持つ。
その後、予防医学に特化した自然療法動物病院を設立し現在に至る。


【研修・研究内容】
1983年…アメリカ ウィスコンシン州、400エーカーの酪農家で住み込み実習
1985年…北海道 中標津 200頭飼育の酪農家で住み込み実習
1988年…獣医薬理学研究室にて薬草の薬理作用の研究(3年間)
1993年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(1回目)
1994年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(2回目)
2006年…オーストラリア メルボルン イアンゴウラー財団でガン医療研修

【論文】
Efficacy determination test for the Vibrational therapy in case of the skin ulcer induced on mice A.SHUKUNAMI Eastern Medicine 2004

【著書】
「薬いらずで愛犬の病気は治る」WAVE出版 は、17部門で1位を獲得するベストセラーとなり高い評価を得ている。
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