獣医師・宿南章開発!ドッグフード・療法食の販売はこちら 販売サイトへ

犬の風邪はうつる?犬風邪の原因や症状、治療や予防法

  • URLをコピーしました!

犬は寒さに強いし風邪なんか引かないと思っている飼い主さんも要るかもしれませんが、犬もちゃんと風邪を引きます。風邪は万病の元ですので、風邪という症状を放置してはいけません。犬の風邪は人にはうつりませんが、愛犬の風邪の症状をしっかりとキャッチして早めの対応で元気な体にしてあげましょう。犬の風邪の症状と原因、治療と予防法について見ていくことにしましょう。

目次

愛犬が風邪かな?と思う症状は?

・ 何となく食欲がない(犬は匂いに敏感で、匂いで食べ物を嗅ぎ分けているので、鼻が詰まるなどの症状がある場合は匂いが分かりませんので食欲が落ちます)

・ ずっと疲れたように横になっている
・ 呼んでも反応が遅い
・ 鼻が乾いている
・ 鼻水が出る(重症になると膿性の鼻水)
・ 下痢になる
・ くしゃみや咳をしている
・ 嘔吐する
・ 熱がある
・ 震えている
・ 目やにが出る
・ 扁桃腺が腫れる(のどの奥の咽頭周囲の腫れ)
・ 咳をする(何かを吐き出しそうな音を出す)

 

初期症状を見落とさないようにしよう

風邪を引いても初期のうちは症状もあまりはっきり出ませんので、つい見逃してしまうということがあります。風邪の引きはじめに色々な対策をとってあげると治りも早くダメージも少ないので、初期症状を見落とさないということは非常に大切になってきます。

犬の風邪の場合も初期症状は非常にささいなものです。偶にくしゃみをしたり、水のような鼻水を流します。もう少し症状がすすむと、目やにが出たり、鼻水に色が出てきます。

鼻と目は繋がっているので、最初は鼻水だけだった症状が目まで広がってくると結膜炎になり目やにがたくさん出るようになってきます。鼻水もはじめは透明で水状のものが徐々に黄色く粘着性を持ってきますし、匂いが出てきます。

 

発熱しているか検温してみる

犬の場合も風邪を引くと発熱しますが、普通の状態でも人間が犬に触れると暖かく感じます。人間の場合の平均体温は36.8~37度ほどですが、犬は更に高く、37.5~39度ほどが平熱とされているからです。犬の個体ごとに平均体温が違いますので一概には言えませんが、飼い主さんが普段触れている体温よりも熱いと感じたら発熱している可能性があるので、しっかりと検温することが大切です。

犬の体温は口では測らずに、直腸で測りますが、犬も飼い主さんも慣れていないとなかなかできないので普段から練習しておくと良いでしょう。どうしても検温が難しい場合は直腸ではなく、後ろ足の内股に体温計を挟む方法で検温します。内股に挟んで検温する場合は、直腸で検温するよりも低めに検温されることが多いということを知っておきましょう。

犬用の検温計がない場合は人間用のものを使っても良いですが、耳で検温するタイプのものは正確に検温できないことが多いです。39度以上ある場合はやはり発熱しているので風邪を引いている可能性もありますし、41度以上だとかなり高熱なのでできるだけ早く動物病院を受診することが大切です。

 

子犬や老犬は気をつける

子犬や老犬は人間と同じように免疫力が低いので風邪にかかりやすいですし、すぐに重症化してしまうので風邪の症状がある場合は注意することが大切です。

また、小型犬も風邪を引きやすいので気をつけましょう。

 

犬には風邪がない?!

人間も犬も風邪を引くと同じような症状が現れますが、獣医学で犬の風邪という病名はありません。したがって、動物病院で診察してもらっても風邪という病名は付きません。

しかし、実際には人間とそっくりな風邪の症状というものがあります。咳やくしゃみ、鼻水、発熱、のどに症状が出る場合はウィルスや細菌に感染して起こるので風邪とは言わずに呼吸器感染症と病名が付きます。

呼吸器感染症には犬伝染器官、気管支炎(ケンネルコフ)などがありますが、これらを犬風邪と俗に言います。

 

犬風邪の原因は?

犬が風邪にかかる場合の原因はウィルスや細菌に感染することです。ウィルスや細菌が呼吸器系の器官に感染することで気管支炎や肺炎になります。免疫力が低下しているときや体力が低下している場合はウィルスや細菌に感染しやすいですし、風邪の症状をすぐに重症化させてしまいます。

寒くなると風邪を引きやすくなるのは犬の場合寒さが直接の原因ではありません。寒くなると空気が乾燥してきますが、湿度が低く空気が乾燥しているという環境はウィルスや細菌が繁殖しやすい環境なのです。

また、寒さで体の免疫力や体力が落ちてくるのも原因になります。

 

犬風邪の原因になる主なウィルスや細菌

・ ケンネルコフ
非常に感染力が強く飛沫感染します。咳や熱などの症状がありますが、軽い場合は1週間ほどで回復しますが、他のウィルスなどと混合感染した場合などは症状が重症になることもあります。

・ 犬アデノウィルス
・ 犬パラインフルエンザウィルス
・ 犬ジステンパーウィルス
・ 犬レオウィルス
・ 犬ヘルペスウィルス
・ マイコプラズマ

 

犬の風邪は人にうつる?

人間は風邪になると人に移りますが、愛犬が風邪になった場合は飼い主さんに移るのでしょうか?また、飼い主さんが風邪を引くと愛犬が風邪になるのでしょうか?という心配があると思います。しかし、人間と犬とでは感染するウィルスが基本的に違うので人間から犬へ、犬から人間に風邪が感染することはありませんので安心してください。

同じ種類のウィルスが犬と人間に伝染することはありません。

 

犬の風邪の治療方法

犬の風邪はウィルスや細菌の感染が原因ですので、これらの細菌やウィルスが体内に侵入して風邪を引いた場合は、ウィルスの抗体が体内でできれば風邪は治ります。軽症の場合や、犬自体に体力がある場合などは自然治癒することもありますが、動物病院で受診すると消炎剤や鎮痛薬、抗生物質などの薬を処方されます。

また、食欲がなくなっているために体力がなかなか回復しないと考えられる場合は、注射や点滴などで栄養を補給します。薬の種類や組あわせなどは各獣医さんとよく相談して治療を進めましょう。

愛犬の風邪を自宅で養生する場合は、栄養と休養が大切になってきます。バランスの良い食事や消化がよく胃に負担をかけない食事を与えてあげることや水分を充分に与えることが大事です。ドライフードを食べさせている場合は、水やミルクなどで柔らかくしてみたり、缶やレトルトなどのドロッとしたタイプのものを混ぜるもの良い方法です。

アレルギーがない犬ならば、人間用のお粥も消化が良いですし、ささみのお粥なども栄養と消化のバランスも良いメニューです。

また、体が冷えないように冬での保温をしっかりしてあげたり、シャンプーしてもしっかりとドライヤーで乾燥させてあげましょう。夏場の場合は、エアコンの風や扇風機の風が直接愛犬の体に長時間当たることのないように気をつけてあげてください。

 

 

犬の風邪の予防法は?

ワクチン接種

ケンネルコフや犬パラインフルエンザ、犬アデノウィルスⅡ型(犬伝染性咽頭気管支炎)、ボルデテラ・ブロンキセプチカ感染症などはワクチンの接種により事前に予防できますので、獣医さんとよく相談してワクチンを接種しておきましょう。

多くのワクチンで同時で接種できる混合ワクチンがあります。5~8種類のワクチンを同時接種するというのが主流ですが、価格も5000~7000円ほどしかかかりません。

愛犬が風邪で健康を害することのないように事前にワクチン接種することは非常に大切です。

関連記事:子犬のワクチンの種類や時期・料金の知識!散歩はいつからいい?

 

 

バランスの良い食事

食事で栄養バランスを整えることで免疫力を上げると風邪の予防になります。高品質原料で栄養面がしっかりしているプレミアムドッグフードなどを中心に、日々の食事の栄養を充実させましょう。

また、栄養面だけでなくなるべく添加物の入っていない自然由来の食事を与えてあげることも大切です。

獣医師である宿南章が、犬の年齢別に最適に栄養を配合した「デイリースタイル プレミアムドッグフード」シリーズや、「デイリースタイル ビーフ(全年齢用)」も参考にしてみてください。

 

運動と睡眠

激しい運動よりも適度な運動や散歩と充分な睡眠を常にとるようにすることで自律神経も整い、免疫力もアップしますのでウィルスなどに感染しない強い体を作ります。

 

清潔な環境

犬の風邪はウィルスや細菌に感染することが原因なので犬の周りの環境を清潔に整えてあげることが大切です。ケンネルコフなどは感染力も強く、ペットショップなどで既に感染していることもあります。

感染症にかからない清潔な環境を与え、できるだけ早く動物病院でしっかりと検査をしたり、ワクチン接種などで対応しましょう。

 

適度な室温と湿度

犬の風邪の原因であるウィルスや細菌は温度や湿度によって非常に繁殖する危険もあります。寒い冬は外の空気も乾燥していますがが、家の中でも常にエアコンなどが付いている場合は空気が乾燥していますので湿度が低い状態にあり感染しやすい環境になります。

湿度が50パーセント以上になるとウィルスの働きも弱まりますので湿度の理想は50~60パーセントです。温度は22~23度ほどが犬にとって一番気持ちの良い温度とされています。

湿度や温度は一定できると安心ですが、加湿器などがない場合は、バケツの中にペットボトルを立てて、その中に水と薄いタオルを浸して、タオルの隅を外に出しておきましょう。それだけで加湿器の役割を充分に果たします。

 

人間の風邪薬は飲ませないで!

動物病院で処方される薬の多くは人間と同一のものです。このことを知っている飼い主さんは、犬の風邪も人間と同じようなものなので薬もさほど変わらないと勝手に判断して家にあった人間用の風邪薬を愛犬に与えてしまう方がいます。

しかし、人間の風邪薬は愛犬には使用しないでください。人間の風邪薬や鎮痛剤を与えると愛犬の胃に損傷を与えて出血する危険もあり、最悪の場合、死亡することもあります。

人間の風邪薬と鎮痛剤は、愛犬に絶対に飲ませてはいけませんので注意しましょう。

 

病院に行くときは注意

風邪かな?と思って動物病院に連れて行く場合は、他の犬との接触に気をつける必要があります。こちらが他の犬に感染させてしまうこともありますし、逆に他の感染症で来院している他の犬の細菌やウィルスで愛犬が感染してしまうこともあります。

動物病院に行くときはキャリーケースなどにしっかり入れて、お互いの犬で感染症をうつさないようにすることも大切なマナーです。

 

苦しそうな咳をするのは風邪ではないかも!?

犬が風邪を引いて咳をする時は、何かを吐き出しそうな音で咳をするので、飼い主さんもびっくりしてしまいますし、どうにかしてあげたいと思うのは仏です。ゲホッとかゲボゲボ、グエグエというようなえづく咳をします。

このような咳をする時は、四足で立ち上がり、嘔吐するような大切で苦しそうになります。こういった咳をして鼻水や目やにがある場合は犬風邪による咳であると分かりますが、同じような咳でも運動した後や運動中の咳や散歩中での咳は心臓病、肺水腫、フィラリアといった可能性もあります。

また、吠え過ぎ、食べ物の誤嚥、アレルギー性気管支炎、慢性気管支炎、外傷による咳の可能性もありますので注意しましょう。

 

くしゃみしたら病院に行くべき?

くしゃみをしたからと言って、すぐに病院に行くか、様子を見るか判断できない場合はあると思います。くしゃみをしても愛犬が普段と変わらず元気そうにしていればすぐに病院に連れて行く必要はありません。くしゃみをしても鼻の頭が湿っているようなら大丈夫です。

同じように少し鼻水を出しているという程度で病院に必ず連れて行く必要はありません。他にも震えという症状についても、意識障害や失神、失禁がなく、すぐにおさまって元気そうにしている場合はすぐに病院に連れて行かなくても大丈夫です。

しかし、風邪は初期症状が悪化すると重症化する可能性もありますし、風邪だと思っていても全く違う病気であることもあるので注意深く様子を見ておく必要があります。

 

まとめ

獣医学では犬に対して風邪という病気はありません。犬が風邪をひく場合は細菌やウィルス感染が原因ですのでウィルスや細菌に感染しないためにも、免疫力を高め、体力をつけることが大切です。

風邪の症状は人間と同じようなくしゃみや咳、鼻水などです。くしゃみをしたからと言ってすぐに病院に連れて行く必要はありませんが、色々な他の症状を参考にしたり、愛犬の元気を見分けることが大切です。風邪も初期にしっかり対応することで重症化しませんし、早く治りますのでしっかりと健康状態をチェックしてあげましょう。

また、犬が感染しても人間にうつることはありませんし、逆に人間から犬にうつることも基本的にはありませんので安心してくださいね。

犬の風邪

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

ショッピングサイトはこちら

獣医師が犬の進化の歴史を研究。
進化栄養学など、様々な角度から
ドッグフード&療法食を作りました。

興味の多いテーマ

記事を書いた人

宿南 章(しゅくなみ あきら)
獣医師
【文責】 獣医師・宿南 章(しゅくなみ あきら)
【資格】 獣医師免許(1993年取得)
【所属団体】
The Royal Society for the Protection of Birds 会員
日本盲導犬協会 会員
野生動物救護獣医師協会 正会員

【プロフィール】
1969年生まれ 兵庫県養父(やぶ)市出身。
日本大学農獣医学部(現日本大学生物資源科学部)獣医学科卒業。 獣医師。
横浜で犬猫の動物病院に勤務。その後、米国のCAM( Complementary and Alternative Medicine )を日本に導入している 研究所に移籍。北海道の農協の依頼を受け、牛のサルモネラダブリン症の治療を行い、当時抗生物質も効かない病気を治癒させるなど、数多くの治療実績を持つ。
その後、予防医学に特化した自然療法動物病院を設立し現在に至る。


【研修・研究内容】
1983年…アメリカ ウィスコンシン州、400エーカーの酪農家で住み込み実習
1985年…北海道 中標津 200頭飼育の酪農家で住み込み実習
1988年…獣医薬理学研究室にて薬草の薬理作用の研究(3年間)
1993年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(1回目)
1994年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(2回目)
2006年…オーストラリア メルボルン イアンゴウラー財団でガン医療研修

【論文】
Efficacy determination test for the Vibrational therapy in case of the skin ulcer induced on mice A.SHUKUNAMI Eastern Medicine 2004

【著書】
「薬いらずで愛犬の病気は治る」WAVE出版 は、17部門で1位を獲得するベストセラーとなり高い評価を得ている。
記事の目次
ページTOP
目次
閉じる