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【犬の無駄吠え対策】4つの原因と止めさせるしつけ方

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犬のしつけとして、飼い主さんが一番頭を悩ませるのが、「無駄吠え」です。
無駄吠えするたびに、大きな声を出したり、犬を叱りつけても、簡単に無駄吠えが止まるわけではないからです。

特定の家族に吠えたり、道路の前を何かが通ったり、チャイムが鳴るだけで反応して吠えたり、散歩中に他の犬や通りすがりの自転車に吠えたりと本当に困ってしまいますよね。

今回はそんな愛犬の悪い癖、無駄吠えをやめさせる方法について見ていくことにします。
確実に無駄吠えを止めさせることのできる方法を、ピックアップして紹介していきます。

目次

犬は吠えて当たり前

犬は昔から人間と暮らしてきましたが、今とは犬の持つ役割が少し違っていました。
狩猟や牧羊犬、番犬などの役目をもって犬が飼われていたからです。

しかし、今現在では、犬の役割はペットとして家族の一員になることです。
昔の様に吠えることが必要ない生活となりました。
時には番犬の意味合いも込めて吠えることが役立つこともありますが、吠える行動が必要とされる時はわずかしかありません。そのため、ある程度吠えることを我慢させることはやはり必要と言えるでしょう。

しかし、犬には本能的に、そして昔からの習性として、吠えたいと思うこともたくさんあります。
ただ、叱るだけのしつけではなく、犬の気持ちに立って一緒に無駄吠えをなくしていくことが大切と言えます。

全く吠えさせないと言うのは無理

人間も今後一切話してはいけないなどと言われたら、辛くてたまりませんよね。
それと同じく犬に吠えないでと言うのは無理な相談です。
犬の吠えると言う行為は幼児期の育ち方で習慣付くことが多いため、無駄吠えを減らすことは簡単ではありません。

もともと吠えやすい子の場合、小さなころ好きなおもちゃを見つけたりして吠えた時に、飼い主に褒めたり認めたりしてもらったことが始まりとなっているケースも多く、「吠えること=良いこと」と学んでしまっていると考えられます。
その勘違いを訂正させてあげるしつけが、無駄吠えを減らしていくことにつながります。

叱るのは逆効果!

犬が吠えるたびに「ダメ」「いけない」などと声をかける飼い主さんも多いと思いますが、本当に犬は吠えるのをやめてくれているでしょうか?

飼い主と犬はある意味1つの群れです。犬が吠えている時に飼い主が大きな声で「ダメ」などと叫ぶと、犬は一緒に吠えているつもりになってしまうことがあります。

無駄吠えが治らないのであれば、叱るのをいったんストップしてみましょう。
自分が怒られているのではなく、吠えている物事に対して飼い主が吠えていると犬は思っている可能性があります。
犬は飼い主に変わって吠える役割を果たそうとするため、なお無駄吠えが増えてしまうことになってしまいます。

では、どうしたら愛犬の無駄吠えをやめさせることができるのでしょうか?

無駄吠えは犬種に関係する?

無駄吠えは犬のしつけの中でも比較的難しいと言われています。
そのため飼い主さんの中には、本当に困り果てていると言う方もいるのではないでしょうか?

吠える、うるさいと言われる犬種には、日本スピッツ、ポメラニアン、テリアなどの小型種がよく挙げられますが、警戒心が強い犬や臆病な犬ほど吠えやすく、無駄吠えに悩むことも少なくありません。
しかし、どんなに吠えやすいと言われている犬種でもしっかりしつけすることで、無駄吠えは必ず止めさせることができます。

近所の手前、住宅事情により無駄吠えに悩んでいると言うのであれば、まずは犬がどうして吠えているのか、その理由から探ってみると良いでしょう。

主な犬の無駄吠え4つの原因と対処法

無駄吠えとして人間は一括りにしてしまいますが、何の意味もなく犬が吠えることはありません。
犬が吠えるには、吠えるなりの理由があるのです。
無意味と言う人間の考え方ではなく、犬の目線に立ってその理由を探ってみましょう。

犬の無駄吠えには大まかに4つの原因があります。それが以下の4つです。
愛犬の原因を把握して、対処法を考えてみましょう。

  1. 我がまま、要求で吠えるケース
  2. 物音に吠えるケース
  3. 嫌いで吠えるケース
  4. 寂しさから吠えるケース

1,我がまま、要求で吠えるケース

「○○がしたい」「○○が欲しい」などと言った犬の意思表示です。
ご飯が欲しい、散歩に行きたいなど状況やその犬によって吠えている対象物は違っていますが、これをして欲しいと言う無駄吠えが、要求による吠えです。この要求の吠えは大切に受け止めたいと言う飼い主さんもいると思いますが、要求の吠えには一度たりとも応じてはいけません。
なぜなら吠えることで自分の要求が通ってしまうと、その後も無駄吠えがなくなるどころか、ひどくなってしまうからです。


毎日一緒に暮らしている飼い主であれば、犬が何を欲しがって吠えているのか、大まかに察することも可能だと思いますが、吠えた時にその要求を呑むことは止めるようにしましょう。
吠えていない時、吠えをやめた後しばらく経ってから、要求を呑んであげるよう心がけてみると良いでしょう。

2,物音に吠えるケース

チャイムやバイク、車の音などに対し吠えるワンちゃんもいますが、これは怖がって吠えている場合と嬉しくて吠えている場合の2つに分けることができます。

臆病な性格の子ほど怖がって吠えているケースが多いですが、何かを怖がって吠えているのであれば、怖がる必要がないことを教えてあげると良いでしょう。

チャイムが鳴るたび、吠える子の場合、チャイム=知らない人が来ると学んでしまっているのかもしれません。
知らない人が自分のテリトリーに入ってくることは臆病な子にとっては怖いことでもあります。
チャイムが鳴っても怖くないと言うことをまずは教えてあげるようにしましょう。

犬の恐怖をなくすためにも、チャイムを鳴らし、家の人が入ると言うシチュエーションを繰り返し実行してみましょう。
チャイムが鳴ることで自分の大好きな人がくることが分かれば、チャイムに対する怖いイメージはなくなります。
つまり、怖さから無駄吠えすることもなくなるのです。

また、嬉しくて吠えている場合には、反対に吠えなければ良いことがあることを教えてあげましょう。
吠えそうになったら犬にお座りや伏せをさせ、気をそらしてあげ、吠えなかったら褒める、ご褒美を与えると言うしつけを行っていくと良いでしょう。

3,嫌いで吠えるケース

ゲージやクレートに入れたり、夜一人にすると無駄吠えが始まると言うのであれば、嫌いと言う意思表示で吠えている可能性が高くなります。

要求での吠えの1種でもあるので、その要求に応じないことも大切ですが、嫌いなものを好きに、または嫌ではない物に変えてあげる訓練が必要になってくるでしょう。

ゲージが嫌で吠えている子の場合、短時間だけゲージに入れるのを繰り返し、吠えずに入っていられたらご褒美をあげると言う手順で、徐々に時間を引き伸ばし慣れさせる訓練をしていきましょう。


仮に吠えてしまっても、決して見に行ったり、出してあげるなど要求を呑むことはしないようにしてください。
吠えが止まったタイミングで、ゲージから出すよう心がけてくださいね。

4,寂しさから吠えるケース

犬は集団で生活してきた生き物であるため、本来一人が得意な動物ではありません。そのため、留守番などで一人になるたびに吠えるケースもあります。

寂しくて吠えている場合には、やはり嫌で吠えているとき同様、その状況に慣れさせるのが一番です。
家に人がいる時でも一人でいさせる時間を作り、一人の状況に慣れさせる、人との距離を置くしつけをしていくようにしましょう。


また、寂しさを感じさせない工夫も必要と言えるでしょう。
お気に入りのぬいぐるみやおもちゃを与え、楽しいと言うイメージを植え付けさせてあげると良いでしょう。

留守番が嫌と言うのであれば、留守番の時にしか与えてもらえないおもちゃやぬいぐるみを作ってあげるのも効果的です。
ただし、出かけるのを察して吠えてしまう場合もあるので、出かける素振りや気配を悟られないようにしてください。
目線をあえて合わせない、テレビなどを付けて出かけるのも良い方法です。

無駄吠えには、このようにぱっと見では気が付かない原因が隠れています。
自分の犬は何が原因で吠えているのかを見極め、それぞれの対処法としつけを行っていくようにしましょう。

原因が何も見つからない場合は?

愛犬の無駄吠えの原因を探ったけれど見つからないと言う場合には、どうしたらいいのでしょうか?
このような場合、考えられる原因は甘えです。
犬は賢く頭が良い生き物なので、人間同様甘えを表現することがあります。

構ってほしいなどと言う甘えの吠えです。

甘えは、上記でも述べましたが要求の吠えの1つになりますので、飼い主が相手にしてはいけません。
無駄吠えを助長させてしまいますので、無視するようにしましょう。

甘えても応じてもらえないことを覚えさせてあげれば、無駄吠えは徐々に治まっていきます。

ただし、健康状態が悪いことで、吠え続けている可能性も考えられます。
無視し続けると言うのではなく、ワンちゃんの体の状態も念入りにチェックしてあげてくださいね。

無駄吠えをやめさせるしつけとは?

上記でも述べたことも含まれますが、無駄吠えをやめさせる効果的な方法は以下の通りです。
一日も早く無駄吠えをやめてもらうためにも、今日から吠えないしつけを始めてみましょう。

  • 要求からくる無駄吠えは徹底的に無視
  • 慣らしのしつけがカギ
  • お座り、伏せ、待てのしつけを!

要求からくる無駄吠えは徹底的に無視

要求から吠える場合には、徹底的に無視するようにしましょう。
犬の要求に応えることは決してしてはいけません。
しかし、無視し続けることは簡単ではありませんよね。

無視しても吠え続ける子の場合、つい怒ったり、怒鳴ったりしてしまいそうになりますが、大きな声で注意しては無駄吠えも決してなくなりません。
忍耐強く無視を続けてください。

慣らしのしつけがカギ

恐怖や拒否など無駄吠えをする子もいますが、そういった子には、まずは色々な環境に慣れさせるしつけが大切になってきます。対象物はその子によって異なりますが、嫌を好きに変えたり、恐怖を楽しさに変えられるよう飼い主が努めてあげましょう。
褒めて言うことを聞かせるだけでなく、ご褒美などを上手く活用しながら、無駄吠えをなくさせることも時には大切です。

また、吠えた場合には違うものに興味を移させ、いったん吠えを鎮めてみると良いでしょう。

吠えるタイミングを見計らって、吠える前に上手に注意をそらすことができれば、なお理想的です。
頑張って続けてみてください。

お座り、伏せ、待てのしつけを!

吠え続ける犬を長時間放置することは、一般的なご家庭では難しいことです。
そんな時、気をそらすことが大切ですが、そのために効果的なのが、お座りや伏せ、待てなどの号令です。

これができないと瞬時に気を別のところに持っていくことも簡単ではなくなるため、まずはクリアして欲しいしつけとなります。


お座りや伏せ、待てなどができない子には、このどれかを覚えさせるしつけから始めていきましょう。
伏せなどの姿勢を飼い主が誘導しながら、できたら褒めるを繰り返し覚えさせていってくださいね。

人間と犬との上下関係をしっかり確立させる

無駄吠えをする犬の場合、人間との上下関係がしっかり確立できていないケースも少なくありません。
甘えや要求に可哀そうだと思い、飼い主が応じることで、人間より立場が上だと勘違いしているパターンが多いのです。

犬は外敵から身を守るため、吠えると言う行動をとることがあり、自分が家族を守らなくてはならないと思って激しく吠えることがあるからです。

人がいる時だけ、必死に吠える子の場合、自分より頼りない仲間を守ろうと激しく吠えるケースが実は多く見られます。
一人で留守番している時には吠えないと言うのであれば、まずは人間の立場が上であると言うことを教えてあげると良いでしょう。

次のようなことを実践していってください。

  • 食事は人間が先
  • 同じベッドで寝ない
  • 何かを引き合う遊びをはしないこと
  • 犬の言うなりはダメ

食事は人間が先

動物の場合、食事の順番で上下関係を示すことが多く、ボスから食べ始めるのが一般的です。
犬も例外ではないため、食事を先に与えてしまうと、上下関係が逆転してしまいます。
まずは人間が食事をとり、それが済んでから犬の食事を与えるようにしましょう。

同じベッドで寝ない

犬と同じベッドで寝てしまうと、仲間だと認識してしまいます。
なぜなら犬は兄弟や同じ立場の仲間と寝床を共にするからです。
人間の立場が上でないと犬は全く言うことを聞いてはくれませんので、人間はベッドで、犬は床で眠らせるようにしましょう。

何かを引き合う遊びをはしないこと

兄弟同士で物を取り合って遊ぶ光景をよく見かけることがありますが、これは力関係を確認するための遊びです。
そのため人間と犬との間でこの遊びをしてしまい、仮に人間が途中でやめてしまうと犬は人間に勝ったと勘違いしてしまいます。
立場が上、自分がボスと勘違いしてしまうのです。
物を引き合う遊びをしないことも大切ですが、故意にする場合には必ず最後、人間が勝って終わるよう心がけましょう。

犬の言うなりはダメ

つい可愛くて、犬の願望をすべて叶えてあげていると言う飼い主さんも多いようですが、この行動が犬の立場を勘違いさせてしまっています。
あくまでも群れのリーダーは人間であって愛犬ではないことを教えるためにも、犬の言いなりにならないよう心がけましょう。

散歩や餌の時間は最も犬が願望を通したい時間です。
犬が散歩に行きたい、食事をしたい時間になってもあえて待たせてみると良いでしょう。

また、遊びの誘いも時には拒否して、上下関係を確立させましょう。
一日一度は服従の態勢を取らせ、立場の確認を行っていくと良いでしょう。

犬を仰向けに寝かせ、お腹を上に向けさせて、犬が目をそらすまで目をじっと見続けましょう。
しっぽをお腹側にしまうようであれば、立場を理解したサインです。
あまり過度に行うと犬も恐怖を感じてしまいますので、一日一度を目安に続けるようにしてくださいね。

まとめ

獣医師・宿南章

犬の無駄吠えは人間には無意味な行動に思えますが、吠える理由が必ず存在しています。
まずはその原因を突き止め、原因を取り除くことから始めていきましょう。

何かが嫌で吠えているようであれば、その環境に慣らすしつけが効果的です。ご褒美を上手に使って、環境に慣らすしつけを行っていきましょう。

ただし要求のために吠えているようであれば、その要求に応じないよう心がけましょう。要求をいったん通してしまうと無駄吠えは余計にひどくなってしまいます。
早めに要求は通らないと言うことを覚えさせてあげてください。

また、ペットとのより良い関係を築くためにも、主従関係をしっかり確立させていきましょう。
人間の方が立場が上、と犬が理解できれば無駄吠えだけでなく、すべての言うことを聞いてくれるお利口な犬になってくれます。

可愛がることと、しつけは全く違います。
飼い主の気持ちを本当に理解できる犬になってくれるよう、育ててあげてくださいね。

犬の無駄吠え対策

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獣医師が犬の進化の歴史を研究。
進化栄養学など、様々な角度から
ドッグフード&療法食を作りました。

興味の多いテーマ

記事を書いた人

宿南 章(しゅくなみ あきら)
獣医師
【文責】 獣医師・宿南 章(しゅくなみ あきら)
【資格】 獣医師免許(1993年取得)
【所属団体】
The Royal Society for the Protection of Birds 会員
日本盲導犬協会 会員
野生動物救護獣医師協会 正会員

【プロフィール】
1969年生まれ 兵庫県養父(やぶ)市出身。
日本大学農獣医学部(現日本大学生物資源科学部)獣医学科卒業。 獣医師。
横浜で犬猫の動物病院に勤務。その後、米国のCAM( Complementary and Alternative Medicine )を日本に導入している 研究所に移籍。北海道の農協の依頼を受け、牛のサルモネラダブリン症の治療を行い、当時抗生物質も効かない病気を治癒させるなど、数多くの治療実績を持つ。
その後、予防医学に特化した自然療法動物病院を設立し現在に至る。


【研修・研究内容】
1983年…アメリカ ウィスコンシン州、400エーカーの酪農家で住み込み実習
1985年…北海道 中標津 200頭飼育の酪農家で住み込み実習
1988年…獣医薬理学研究室にて薬草の薬理作用の研究(3年間)
1993年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(1回目)
1994年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(2回目)
2006年…オーストラリア メルボルン イアンゴウラー財団でガン医療研修

【論文】
Efficacy determination test for the Vibrational therapy in case of the skin ulcer induced on mice A.SHUKUNAMI Eastern Medicine 2004

【著書】
「薬いらずで愛犬の病気は治る」WAVE出版 は、17部門で1位を獲得するベストセラーとなり高い評価を得ている。
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