獣医師・宿南章開発!ドッグフード・療法食の販売はこちら 販売サイトへ

犬の急性腎不全は回復する?原因と症状、治療法や余命、食事について

  • URLをコピーしました!

腎臓という臓器は尿を作り出すだけではなく、ホルモン分泌や血圧をコントロールしたりと生命活動にとって非常に重要な臓器です。

愛犬が何らかの原因で急激に腎機能が下がり急性腎不全になった場合、すぐに適切な対応をしないと死に至る場合があります。

逆に早期に原因をつきとめて治療すれば完治することも可能です。

飼い主さんは急性腎不全についてしっかり知識を持って対応することが大切になっていきますので、急性腎不全の症状や原因、治療法などについて詳しく見ていくことにしましょう。

目次

犬の急性腎不全は突然起こる病気

腎不全というのは腎炎よりももっと病状が進んで腎機能が著しく低下していることを言います。

腎機能のうち約4分の3ほどが働かなくなった場合を腎不全と言いますが、急性腎不全は突然何らかの原因によって腎機能が急激に低下した状態を言います。

慢性腎不全の場合は、突然腎機能が下がる数ヶ月から数年の長期に渡って徐々に腎機能が下がってくるので、飼い主さんもいろいろ考えながら治療やお世話に慣れていくことができます。

しかし、急性腎不全の場合は急に腎機能が下がるので飼い主さんも何が起こったのか分からない、どうすればいいのか分からないと思っているうちに最悪の場合は命を落とすこともある恐ろしい病気です。

 

 

犬の急性腎不全とは?

犬の急性腎不全には様々な原因があり、腎臓のネフロン内にある毛細血管のかたまりである糸球体が炎症を起こして腎機能が急激に下がります。

糸球体は血液の中の老廃物を濾すフィルターのような役割がありますが、糸球体の基底膜が何らかの原因で突然炎症を起こし、ろ過機能が著しく低下し、ほとんど働かなくなることを急性腎不全といいます。

腎機能が下がると血液中には老廃物が残留し、他の臓器などに悪影響が出ます。

 

 

犬の急性腎不全の主な症状

・ ほとんど尿が出ない
・ 食欲がなくなる
・ 嘔吐する
・ 元気がなく動かない
・ 下痢
・ 脱水症状
・ 背中を丸める

と言うようなものです。

慢性の腎不全と大きく違う点は、慢性腎不全の場合は多飲多尿になり薄い尿がたくさん出るというところです。

急性腎不全は突然腎機能が下がるので尿が突然出なくなったりします。

急性腎不全も初期段階は飼い主さんにも症状が良く分からないほどですが、数時間から数日の間に急激に腎機能が下がるので突然病状が悪くなります。

初期段階では、水を頻繁に飲むようになったり排尿の量も増えますが、やがて、嘔吐や下痢、食欲不振になったり、場合によっては痙攣やこん睡状態になります。

急性腎不全の兆候が見られたら、できるだけ早く動物病院に連れて行って治療を開始することが大切です。

急性腎不全を見落とし、放置すると病状が進み他の合併症を引き起こし、命を落とすことになります。

 

 

急性腎不全を見逃すと起こる病気

 

高カリウム血症

カリウムは体内に必要なミネラルですが、血液中のカリウムの濃度が上がると体に重大な悪影響を及ぼします。

腎機能が下がった腎臓ではカリウムを排出できないので血中カリウム濃度が上昇します。

カリウムの濃度が上がると特に心臓に機能が落ちて、心拍が乱れて不整脈になり心停止に至ります。

 

 

代謝性アシドーシス

代謝性アシドーシスは、血液の酸性濃度が非常に高くなってしまう状態を言います。

犬の体内において血液の中の酸塩基平衡は7.4pHに保たれていますが、腎臓が機能しなくなってくると血液の濃度が酸性に傾いてしまいます。

これをアシドーシスといいます。(アルカリ性に傾くことをアルカドーシスと言います)

腎臓からの重炭酸イオン喪失が原因で起こり、代謝性アシドーシスになると元気がなくなったり、嘔吐や過呼吸になります。

 

 

高窒素血症

腎機能が低下すると老廃物である窒素を体外に排出できにくくなります。

窒素が血液中に溜まってくることを高窒素血症と言います。

高窒素血症が酷くなると尿毒症という状態になり尿を作ることができなくなります。

 

 

犬の急性腎不全の主な原因は?

急性腎不全の場合、初期段階で原因を特定できれば治療により病状がよくなることもあります。

急性腎不全の原因をまずは見ていくことにしましょう。

 

急性糸球体腎炎

腎臓の糸球体に突然炎症が起きたためになる病気で急性腎炎とも言われます。

糸球体は腎臓を構成するネフロンの内部にある毛細血管の塊のようなものです。

糸がまとまったような形なので糸球体と言われています。

糸球体は血液中にある老廃物をろ過する役割がありますが、糸球体の基底膜に炎症が起きるとろ過ができなくなり、血液中に老廃物が残留します。

原因としては、ウィルスや細菌などへの感染により免疫細胞が糸球体に集まってしまい損傷を与えてしまうことです。

また、遺伝的に急性糸球体腎炎になりやすい犬種もあります。

サモエド、ドーベルマン、ゴールデンリトリバー、ミニチュアシュナウザー、ミニチュアダックスフンド、グレーハウンドなどです。

6~7歳ほどの犬がかかりやすい病気ですが、オスとメスの性差はありません。

 

 

尿路結石

尿道に結石ができえ尿道がふさがれることで尿の出が悪くなってしまいます。

排尿できない状態を放置すると血尿が出たり、急性腎不全になったり、尿毒症になってしまうこともあります。

尿道にできる結石は数種類ありますが、犬の尿道結石の場合、ストラバイト結石ができることが多いです。

ストラバイト結石は細菌性の膀胱炎によって尿がアルカリ化するとできる結石です。

結石の種類や大きさによって治療法が変わってきますが、薬で結石を溶かすこともできます。

薬で結石が小さくならない場合は外科手術の可能性もあります。

 

 

レプトスピラ症

レプトスピラ症は細菌がレプトスピラという細菌が感染することによって起こります。

感染しても軽症の場合は、症状に現れにくいので気が付かずに自然治癒することもありますが、レプトスピラ・カニコーラという細菌に感染すると高熱を出したり、嘔吐、血便、食欲不振になり、脱水症状を起こし急性腎不全や肝機能障害になります。

急性腎不全になった場合は、最期尿毒症になり死に至ります。

レプトスピラ症に関しては抗菌薬などを投与することで完治しますし、予防のためにワクチンを定期的に接種するのも有効です。

 

 

ネフローゼ症

腎臓が何らかの原因で損傷することによって起こり、腹水が溜まり、体がむくんだり、疲れやすく元気がなくなります。

糸球体の機能低下が起こるのでタンパク尿が出て、低タンパク血症や高脂血症になります。

また、高血圧、高ナトリウム血症にもなり、血が固まりにくくなるので体の中に血栓が出来やすくなりますし、抵抗力が下がってくるため感染症にかかりやすくなります。

 

 

毒物・薬物による中毒

抗生物質、非ステロイド抗炎症薬、抗がん剤、造影剤、ブドウ、ユリ科の植物、重金属、ヘビや虫などの生物毒、エチレングリコールなど腎臓に対して毒性があるものが体内に入って腎臓が機能不全になります。

これらの毒物を、腎毒性物質と言い、エチレングリコールによる急性中毒が中でも多い症例です。

エチレングリコールは一般的に不凍液の原材料として使われますが、これを愛犬が誤飲することで中毒を起こします。

エチレングリコールは消化管を通って肝臓で、グリコアルデヒド、グリコール酸、グリオキシル酸、シュウ酸に分解されますが、これらの腎毒性の物質により代謝性アシドーシスを引き起こします。

 

 

急性腎不全は原因によって3つに分けられる

 

腎前性急性腎不全

腎前性急性腎不全は腎臓自体は正常に機能していても、心疾患や脱水症状が原因で腎臓に血液が流れ込み難くなった結果、心不全になったり、重篤な下痢になり、ショック状態に陥ります。

 

 

腎性急性腎不全

腎性急性腎不全はその原因が腎臓自体にある場合の急性腎不全です。

食中毒や抗生物質など化学物質によって急性腎炎やネフローゼ症候群が起こり、その症状が悪化した結果急性腎不全になります。

 

 

腎後性急性腎不全

腎後性急性腎不全は腎臓で尿が作られて腎臓から排出された後、膀胱や尿道で結石や腫瘍があることで尿道がふさがれたり、強い外部からの刺激により尿路が損傷を受けることで、尿が排出できないというような原因で起こる急性腎不全です。

 

 

急性腎不全の場合の余命は?

腎不全というのは腎臓機能が健康状態のときの30パーセント以下ほどの低機能に陥っている状態を言います。

また、急性であるということは、数時間から数日で急激に腎機能が落ちることで、飼い主さんは愛犬の異常に気がつくことはできても対応が遅れると命に関わる病気です。

急性腎不全になった原因が明らかな場合、早急にその原因となった疾患の治療を行い、原因となった疾患が完治すれば腎不全もよくなる可能性があります。

しかし、急性腎不全が治療できなければ愛犬の余命を覚悟する必要があります。

嘔吐や下痢、脱水症状、口からアンモニア臭がしたり出血したり、尿が出ない、体温が低下するという段階に入ると数日から1週間ほどの余命となり、痙攣が起きたり、昏睡状態になると数時間の余命となります。

急性腎不全は早期発見、早期治療が何よりも大切になってきますが、状態が悪化していくのも非常に早いので飼い主さんはなかなか愛犬との別れに対して心の準備ができないこともあります。

最期まで悔いの残らないように愛情を持って愛犬に接してあげましょう。

 

 

急性腎不全の食事は?

急性腎不全の場合は、急激に病状が悪化するのでなかなか食欲なくて愛犬も食事が取れない状態になっていることも多いですが、食事療法として大切なことは腎臓に負担をかけない食事をあげるということです。

 

リンの制限

リンは体内でカルシウムと結合すると腎臓に蓄積するので、腎機能が悪化している場合はリンの摂取を制限するようにします。

特にリンは肉類に多く含まれていますので肉類はできるだけ食べさせないようにしましょう。

低リンの食材としては、ジャガイモ、白米、卵(卵白は生で与えないようにしましょう)などです。

 

 

たんぱく質の制限

たんぱく質が分解されると窒素という物質ができますが、腎機能が下がっていると窒素は上手く排出できないので体内に窒素が蓄積して高窒素血症になります。

たんぱく質を気にして、全くたんぱく質を与えないというのも体のためにはマイナスです。

どのぐらいたんぱく質が必要であるかという具体的な量は、獣医さんにアドバイスをもらって実践するようにしましょう。

 

 

腎臓病用のドッグフードを利用する

腎機能が下がっている場合、腎臓に負担をかける成分の摂取制限が必要になってきます。

体に良い食材悪い食材などなかなか分かり難いことも多いので、腎不全を患っている愛犬のためには腎不全の犬専用のドッグフードを利用するというのが一般的です。

腎臓病用に開発されたドッグフードもいくつかありますので、安心できるものを探して愛犬の食事管理をしてあげてください。

獣医師である宿南章が開発した腎臓病用の療法食「腎臓サポート」のドッグフードも参考にしてみてください。

 

 

急性腎不全の治療法は?

急性腎不全は病状の進行が非常に早く悪化する恐ろしい病気です。

早期発見して早期治療にあたることが何より重要ですし、対応が遅れることで命を落とす危険が充分考えられます。

まず、治療で優先されるのは原因になっている疾患をしっかり特定して治療を行い、それと並行して腎臓の治療を行います。

腎臓の組織は一度損傷を受けてしまうと治療法がありませんので、これ以上腎臓に障害を与えないようにすることも大切です。

人間の腎不全の治療と同じように、輸血をしたり、人工透析をしたり、ホルモン剤の投与や体内に蓄積した老廃物である窒素化合物を吸収するための治療を行います。

腎臓組織に障害がないうちに治療を始め、病状が進行しないように抑えることが急性腎不全の治療には重要になります。

場合によっては数時間で命を落とす危険もあるので、様子がおかしい場合はすぐに動物病院に連れて行って獣医さんにしっかり診ていただくようにしましょう。

 

 

まとめ

犬の急性腎不全は慢性の腎不全と比べて、突然愛犬の様子がおかしくなり、急激に元気がなくなりぐったりしてくるので飼い主さんが異変に気がつきやすい病気です。

飼い主さんが異変に気がついてすぐに動物病院に連れて行って原因をつき止め、治療を始めると重度の腎障害を残さずに完治することも可能です。

しかし、対応が遅れて治療が遅れてしまうと数日のうちにどんどん病状が悪化してしまい、命を落とすという残念な結果になってしまうこともあります。

このため、急性腎不全の場合は、できるだけ早く動物病院で治療を開始することが大切になってきますので、飼い主さんは日頃から愛犬の様子をしっかり見てあげることが重要です。

犬の急性腎不全

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

ショッピングサイトはこちら

獣医師・宿南章の愛情ごはん療法食

獣医師が犬の進化の歴史を研究。
進化栄養学など、様々な角度から
ドッグフード&療法食を作りました。

興味の多いテーマ

記事を書いた人

宿南 章(しゅくなみ あきら)
獣医師
【文責】 獣医師・宿南 章(しゅくなみ あきら)
【資格】 獣医師免許(1993年取得)
【所属団体】
The Royal Society for the Protection of Birds 会員
日本盲導犬協会 会員
野生動物救護獣医師協会 正会員

【プロフィール】
1969年生まれ 兵庫県養父(やぶ)市出身。
日本大学農獣医学部(現日本大学生物資源科学部)獣医学科卒業。 獣医師。
横浜で犬猫の動物病院に勤務。その後、米国のCAM( Complementary and Alternative Medicine )を日本に導入している 研究所に移籍。北海道の農協の依頼を受け、牛のサルモネラダブリン症の治療を行い、当時抗生物質も効かない病気を治癒させるなど、数多くの治療実績を持つ。
その後、予防医学に特化した自然療法動物病院を設立し現在に至る。


【研修・研究内容】
1983年…アメリカ ウィスコンシン州、400エーカーの酪農家で住み込み実習
1985年…北海道 中標津 200頭飼育の酪農家で住み込み実習
1988年…獣医薬理学研究室にて薬草の薬理作用の研究(3年間)
1993年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(1回目)
1994年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(2回目)
2006年…オーストラリア メルボルン イアンゴウラー財団でガン医療研修

【論文】
Efficacy determination test for the Vibrational therapy in case of the skin ulcer induced on mice A.SHUKUNAMI Eastern Medicine 2004

【著書】
「薬いらずで愛犬の病気は治る」WAVE出版 は、17部門で1位を獲得するベストセラーとなり高い評価を得ている。
記事の目次
ページTOP
目次
閉じる