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犬の貧血の原因と症状とは?予防の食べ物を解説

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「このところ愛犬の元気がないみたい」と心配になったことはありませんか?出血など外見で見て気がつく怪我はしていないのに、食欲がなかったり、フラフラしている・・・時にはたくさん運動した後でもないのに息切れしていたり。

実はこうした症状が出ている時は、犬が貧血になっている可能性があります。貧血の症状が出ているのに飼い主さんが気がついていない・・・そんなことがないように、愛犬が貧血になった時の症状とその原因、貧血にならないためにの対策を紹介していきます。

目次

貧血になるのは人だけじゃない?!

貧血と聞くと人間の病気をイメージしがちですが、犬も貧血になります。しばらく前から症状が出ているのに気がついていなかった、なんてことがないように、貧血ではどのような症状が出るか知っておきましょう。

 

犬の貧血症状とその原因

犬が貧血になると以下のような症状があらわれます。体の不調が見て感じ取れる症状と、元気がなく疲れているように見えるだけの場合がありますので、普段の様子をよく観察しておいてください。

 

貧血症状(1)寒そうに震えている

冬の寒い時期でもないのにぶるぶる震えていたり、なんだか元気がないような時には注意が必要です。震えが出るような場合は、「免疫介在性溶血性貧血(IMHA)」という種類の貧血である場合が多く、震えの他にも息切れや脈拍が速くなったりという症状があらわれます。

免疫介在性溶血性貧血は体の中の免疫システムが、自らの赤血球を攻撃し壊してしまうことで起こる貧血ですが、体の中の変化に伴い、水を欲しがったり、食欲がなくなったり、犬によっては嘔吐・黄疸などの症状があらわれることもあります。

普段運動が好きな犬が、お散歩に見向きもせず寝てばかりいたり、いつもより大人しくだるそうにしている時は、もしかすると免疫介在性溶血性貧血かもしれません。

 

貧血症状(2)オシッコの色が赤い

犬の尿が赤いようなことがあれば、それは「ハインツ小体性溶血性貧血」もしくは「バベシア症」の可能性があります。

 

ハインツ小体性溶血性貧血とは?

ハインツ小体性溶血性貧血とは赤血球の破壊や不足によって引き起こされる貧血です。赤血球が壊れる原因の一つとして、代表的なものは玉ねぎ中毒です。人間の食事を与えることで、玉ねぎやその成分が含まれていると中毒症状として赤血球を破壊し、結果貧血となって、体に症状にあらわれることがあります。

吐き戻しや下痢などの症状であらわれる場合には体内から排出しようと犬の体が頑張っている時ですが、赤い尿や便が排出されるようになると、すでに慢性化してしまい肝機能が低下しているというサインとなります。

歯茎や目の結膜(まぶたの裏)も白っぽくなってくるので、愛犬の様子に違和感を覚えた時にはチェックしてみましょう。

 

バベシア症とは?

バベシアという寄生虫が原因の貧血です。ダニに噛まれて発症することが多く、軽症であれば発熱や食欲減退などの症状に止まりますが、重症化するとご飯を食べられなくなったり、バタッと倒れたり、赤尿・黄疸といった症状があらわれます。

ハインツ小体性溶血性貧血の場合と同じく、オシッコに異変が出てきた時には症状が重くなっているサインなので、早急に動物病院を受診しましょう。

 

飼い主さんが見て気がつきにくい(感じ取りにくい)症状

発熱や食欲減退

犬の貧血では人間でいうと風邪のような症状があらわれるケースも多くあります。ただ、発熱・食欲減退などで貧血の症状があらわれた場合、飼い主さんも気がつきにくいことが多くなります。

もともと犬の体温は人の平熱よりも高く、また専用の体温計を持っている場合を除き、耳の付け根や足先・額など普段から冷たい部分で体温を感じることはできますが、平熱の状態を知らなければ体温が高いのかどうか判断することもできません。

同様にご飯を食べていない場合にも、食欲がないのか、それとも家族がおやつをあげすぎてしまったのか、理由がわかりにくく異変として気がつきにくいのです。

 

なんとなく元気がない、大人しい

ぶるぶると震えていたり尿の色の変化など、目で見て分かりやすい症状が出ていない場合には特に貧血には気がつきにくくなります。いつもよりもなんとなく元気がないと感じる程度であれば、「今日は大人しくしているのかな?」と気にはなってもそれが、貧血が原因とは考えにくいものです。

症状は様々なかたちで複数あらわれることが多いので、大人しいだけでなくご飯を残していたり、散歩の時にフラフラしていないか歩行をチェックしたりなど、総合的に判断するようにしましょう。

 

上記以外にも症状は様々

貧血になると人間と同じように犬も体がだるくなるため、食欲がなくなることで体重が減ったり、リンパ節が腫れたりすることがあります。心拍数が早くなるという症状もありますので、抱き上げるなどで犬の体に触れてみて、異様にドキドキしているようであれば、他にも貧血の症状が出ていないか確認してみると良いでしょう。

また、腫瘍によって貧血症状があらわれるケースもあり、腫瘍の大きさや毛足の長い犬種の場合、毛に隠れて腫瘍の存在に気がつかないということがあります。普段から犬の体の状態をチェックしたり、平熱や心拍数を知っておくことで異変にも早く気がつくことができます。

 

貧血の原因

犬が貧血になると様々な症状があらわれますが、貧血も原因と症状によって、その種類がいくつかにわかれます。それぞれの原因、予防と対策を順番に見ていきましょう。

貧血の原因は様々です。飼い主さんが愛犬の貧血症状に気づいた後は、動物病院で指示を受けてください。早期発見で適切な処置を受けることが重要です。

 

免疫介在性溶血性貧血(IMHA)

この種類の貧血になると、体がぶるぶると震えたり嘔吐や黄疸、食欲減退などの症状があらわれます。免疫介在性溶血性貧血は体の中の免疫システムが、自らの赤血球を攻撃し壊してしまうことで起こる貧血です。

その原因は免疫機能の誤作動によるもの以外にも、新生子同種溶血減少(しんせいしどうしゅようけつげんしょう)と言って、母犬の母乳に含まれている免疫細胞が、生まれたばかりの子犬の赤血球を攻撃・破壊することでも起こります。一説では遺伝性であるとも言われており、どの犬種にも起こり得る種類の貧血です。

他にも、犬がウイルスなどの細菌に感染した場合、もしくはワクチンの摂取も原因の一つとして考えられているため、明確な原因の特定が難しいケースもあります。

 

ハインツ小体性溶血性貧血

ハインツ小体性溶血性貧血の原因の多くがネギ類の摂取による中毒です。人間用の食べ物に玉ねぎやニンニクが混ざっているのを知らず飼い主さんが与えてしまったり、散歩時の拾い食いでうっかり体内に摂り混んでしまうことがあります。

玉ねぎであれば体重1Kg当たり20g以上の摂取で、危険症状として体に変化があらわれるという基準値があります。中には「火を通していれば問題ない」と思っている飼い主さんもいるようですが、玉ねぎを熱しても貧血の原因となる成分はそのまま残っていますので、玉ねぎなどのネギ類を使った食べ物は絶対に与えないでください。

犬種や体の大きさなど、犬によって症状が全く出ない犬、少量で死亡してしまう犬など個体差もありますが最悪の事態を考え、屋内外での誤食には十分に注意してあげましょう。

 

バベシア症

バベシアというのはダニに寄生している原虫なので、多くはダニを通して感染し赤血球が破壊されて貧血症状があらわれます。原因はダニからの感染であることは明確にわかっていて動物病院では検査によってすぐに発見することができます。貧血の症状に気がついた時は早急に動物病院へ行くことで治療を受けてください。

バベシア症以外の感染症では、パルボウイルス感染症やエールリヒア症といったものがあり、再生不良性貧血として症状があらわれます。元気がなかったり、疲れてだるい様子や、微熱が続くようであれば注意が必要です。

ハインツ小体性溶血性貧血と同様に、歯茎など口腔内の粘膜が白っぽくなるので様子がおかしいと感じたら口の中を注意して見てみましょう。

 

病気などの原因

腫瘍やリンパ腫、白血病など病気が原因で起こる貧血になるケースも多々あります。病気が原因で起こる貧血では、いずれも赤血球が作られなくなることで症状があらわれ出します。

こうした、赤血球が体内で作られなくなるタイプの貧血を非再生性貧血と呼びますが、その原因は病気以外にも、薬による副作用や腎不全などが挙げられます。

関連記事:
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貧血の予防・対策

愛犬が貧血になった場合、まずは動物病院へ急ぎましょう。今はまだ軽症でも重症化するケースもありますし、貧血の原因によって対処方法も異なってきます。症状があらわれてしまった後は、原因を取り除く対策に努めます。

治療方法は、主には内科治療と外科治療に分かれますが、いずれも目的は原因を取り除くことです。

 

内科治療

内服薬や点滴での治療がメインとなります。免疫介在性溶血性貧血に代表される免疫システムによって起こる貧血にはステロイド、バベシア症などの寄生虫が原因の貧血には抗菌薬といったように、原因によって投与する薬が異なります。

また貧血に伴い不整脈や心不全、機能不全などの症状があらわれている場合にはその点も留意して処方・投与が行われます。貧血症状の治癒状態にあわせて1〜2週間は服薬・投与を行いますが、二次感染の可能性も視野に入れての十分な経過観察を行い、全快を目指します。

 

外科治療

腫瘍の場合などでは疾患部分を手術で取り除きます。また、内科治療の投薬期間が1ヶ月以上続いても回復しない場合、赤血球の破壊原因となっている臓器を切除することもあります。切除・摘出のケースでは赤血球を破壊されることが多い、脾臓や肝臓であることが主です。

 

輸血

貧血症状が重いと輸血を行うケースもあります。ただし、犬も人間と同様に血液型がありますので、合致しない場合には輸血できません。しかも動物用の血液なのですぐに見つけることは難しく、必要でありながらも見送られる場合も少なくありません。

 

食事で貧血を予防

個体によっては死亡するケースもあり、犬にとって貧血は深刻な問題です。できれば貧血になる前の予防と、症状を改善できるのが一番です。飼い主さんの少しの気遣いと頑張りでできることがありますので、ぜひ試してみてください。

犬も人間も、症状が出る前に日頃から健康に気をつけておくことができればそれに越したことはありません。貧血を予防するための方法として、食事に取り入れたい食材などをご紹介していきます。

 

レバー

貧血に効果的な食材としてお馴染みですが、犬に与えても問題ありません。レバーにはヘム鉄とビタミンが豊富に含まれていて、血液を作り貧血と予防となります。

牛・豚・鶏のどの種類のレバーでも構いませんが、鉄分量が多いのは豚のレバーです。ただし豚のレバーは、鶏のレバーに次いでビタミンAの含有量が多いため、過剰摂取によるビタミンAの中毒症状があらわれる可能性があります。貧血を改善したいからといって与えすぎは厳禁です。少量を週に1度でも十分ですので、普段の食事にトッピングするか、少しずつ与える程度が良いでしょう。

また、肝臓病や腎臓病を患っている犬では、摂取できる限界量がごく少量となるので、加減が心配な飼い主さんは牛のレバーにするか、豚の赤身肉で代用すると良いでしょう。

 

 

マグロやカツオ

魚類の中でも青魚にはヘム鉄が豊富に含まれています。魚の場合、特に血合いに鉄分が豊富なので犬に食べさせる場合は、血合い部分も混ぜるようにしてあげると良いでしょう。動物性食品に含まれる鉄分は植物性食品よりも吸収率が高いので、肉か魚かでの摂取が効率的です。

ただし、犬は肉類に比べ魚類の消化が苦手な子がいます。少量であれば問題ないでしょうが、新鮮なお刺身でも生食ではなく火を通してから与える方が無難です。食べ過ぎも消化不良の原因になりますし、油が多い魚は下痢になるケースもあります。魚を与えてみて異常が見受けられた時は、以後与えないようにしてください。

 

鉄分の含まれた犬専用食品

犬用の専用食品としてレバー入りのフードなども販売されています。食材を買ってきて下処理後に与えても良いですが、商品としてすでに栄養成分と美味しさを考えて作られているため手軽で使いやすいです。愛犬の好みに合わせて使い分けてあげると良いでしょう。

 

サプリメント

レバーに含まれるビタミンB12は葉酸と一緒に赤血球を作る働きがあります。より効率を上げて鉄分を補給させたい場合には、犬用のサプリメントも併用してみるというのも一つの方法です。

 

ハーブ

鉄分を含むものや肝臓を強くするハーブがあります。鉄分を多く含むものには治療薬の英雄と呼ばれるイエロードッグ、肝臓の強壮剤であればゴボウなど、他にもラズベリーには鉄分とカルシウムが豊富です。ハーブティーとして与える他、粉末にしてご飯に混ぜてしまう方法もあります。

より濃度が高い状態で摂取できるのはハーブティンクチャーですが、出来上がるまでに時間がかかるので、予防のためということで今健康な犬のためにこれから準備をしてあげると良いですね。

 

まとめ

最近「愛犬の元気がないな」と感じている時は、犬の様子をよく観察してみましょう。そして今回紹介したような症状に当てはまる時には、一度貧血を疑ってみてください。貧血は毎日の食事管理で予防できるので、愛情たっぷりのプラス食材で、愛犬の健康を守っていきましょう。
犬の貧血

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獣医師が犬の進化の歴史を研究。
進化栄養学など、様々な角度から
ドッグフード&療法食を作りました。

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記事を書いた人

宿南 章(しゅくなみ あきら)
獣医師
【文責】 獣医師・宿南 章(しゅくなみ あきら)
【資格】 獣医師免許(1993年取得)
【所属団体】
The Royal Society for the Protection of Birds 会員
日本盲導犬協会 会員
野生動物救護獣医師協会 正会員

【プロフィール】
1969年生まれ 兵庫県養父(やぶ)市出身。
日本大学農獣医学部(現日本大学生物資源科学部)獣医学科卒業。 獣医師。
横浜で犬猫の動物病院に勤務。その後、米国のCAM( Complementary and Alternative Medicine )を日本に導入している 研究所に移籍。北海道の農協の依頼を受け、牛のサルモネラダブリン症の治療を行い、当時抗生物質も効かない病気を治癒させるなど、数多くの治療実績を持つ。
その後、予防医学に特化した自然療法動物病院を設立し現在に至る。


【研修・研究内容】
1983年…アメリカ ウィスコンシン州、400エーカーの酪農家で住み込み実習
1985年…北海道 中標津 200頭飼育の酪農家で住み込み実習
1988年…獣医薬理学研究室にて薬草の薬理作用の研究(3年間)
1993年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(1回目)
1994年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(2回目)
2006年…オーストラリア メルボルン イアンゴウラー財団でガン医療研修

【論文】
Efficacy determination test for the Vibrational therapy in case of the skin ulcer induced on mice A.SHUKUNAMI Eastern Medicine 2004

【著書】
「薬いらずで愛犬の病気は治る」WAVE出版 は、17部門で1位を獲得するベストセラーとなり高い評価を得ている。
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