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犬の急性腎炎の原因と症状は?余命や治療法、食事について

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犬の急性腎炎は、突然腎機能が下がり、尿の色が濃くなったり、体がむくんだりはっきりとした症状が現れます。

愛犬が急性腎炎になったらどのように治療をし、食事をあげるとよいのでしょうか?

また、急性腎炎にかかりやすい犬種はどんな種類なのか、原因や病状を詳しく知って、愛犬のもしもとの時にしっかり対応できるようにしましょう。

目次

犬の急性腎炎とは?

急性腎炎にはいろいろな腎炎がありますが、急性腎炎の多くの場合は急性糸球体腎炎を指します。

糸球体というのは、腎臓の中のネフロン内にある毛細血管のかたまりです。糸が丸まっているようにあるので糸球体といいます。

ネフロンというのは腎臓を構成している器官で、糸球体は血液の中の老廃物を濾すフィルターのような役割があります、糸球体の基底膜が何らかの原因で炎症を起こし、ろ過機能が低下すると腎炎になります。

急性腎炎は、突然腎臓内の器官が炎症を起こし老廃物を濾すという腎機能が急激に下がることを言います。

腎機能が下がると血液中には老廃物が残留しますので、他の臓器などに悪影響が出はじめ、急性腎炎の症状が1年以上長引いた場合、慢性腎炎として扱われます。

関連記事:犬の慢性腎炎になったら?症状と余命、食事、原因と治療法

急性腎炎の症状はどんなもの?

慢性の腎炎がある程度病状が進まないと症状がはっきり出ないというのに対して、急性腎炎は急激に体調の変化があるので、比較的飼い主も体調の悪さに気がつきやすいものです。

以下のように急性腎炎らしき症状がある場合は、出来るだけ早く愛犬を動物病院に連れて行ってあげましょう。

・ 血尿がでる
・ 体がむくむ

・ 尿の量が減る
・ 尿の色が濃くなる

肉眼ではっきりと血尿であると確認できる場合もありますが、血液の量が少ないと肉眼では血尿を確認できないので病院で尿検査をして確認することになります。

・ 食欲が落ちる
・ 元気がなくなる
・ 高窒素血症

腎機能が低下すると老廃物である窒素を体外に排出できにくくなります。窒素が血液中に溜まってくることを高窒素血症と言い、高窒素血症が酷くなると尿毒症という状態になり尿を作ることができなくなります。

・ 嘔吐
・ 口からアンモニア臭がする
・ 口から出血する
・ 痙攣

病気が進行すると、逆に尿の量が増えてきますので、尿の量を日頃から知っておくことも大切です。また、急性腎炎が長引いたり、繰り返していると慢性腎炎になってしまうこともありますので注意しましょう。

犬の急性腎炎<細菌に感染することが原因の場合>

細菌感染から急性腎炎になる場合は、急性腎炎の中でも比較的症状が軽いとされています。

しかし、原因である症状の治療などを放置すると症状が重くなり、合併症を起こす可能性もありますので、これらの症状が疑われる時は愛犬をできるだけ早く動物病院に連れて行ってあげましょう。

膀胱炎

膀胱炎は、膀胱に細菌が入って感染することで膀胱に炎症が起こる病気です。

膀胱炎になると尿が出にくくなり、膀胱炎は尿道が短いメスの方が細菌に感染しやすい病気です。

尿の回数が増えるので水をたくさん飲むようになりますし、尿の色が濃かったり、にごっていたり、血尿が出たりします。

また、尿のにおいが強くなるのも特徴です。膀胱炎が引き金となって急性腎炎になってしまうこともあります。

ライム病

ライム病はマダニに噛まれることで感染する病気です。

マダニに吸血されるとボレリアという細菌に感染し、体の関節が腫れたり、関節が痛いので触られるのを嫌がるようになります。

関節が痛くなると脚を引きずって歩いたり、食欲がなくなったり、発熱したり、リンパが腫れます。

ライム病になると急性腎炎になったり、急性腎不全の原因にもなり、急性腎炎になった場合は、たんぱく尿がでるようになります。また、おなかに水が溜まるのでおながが膨れてくるのも特徴です。

子宮蓄膿症

子宮蓄膿症は子宮内膜が細菌に感染することで子宮内部に膿が溜まる病気です。

避妊手術を行っていないか、しばらく子犬を産んでいない高齢のメスがかかりやすい病気ですが、1歳ほどのまだ若いメス犬でもかかることがあります。

元気がなくなったり、食欲が落ちて水をたくさん飲んだり、陰部から膿が出てくるようなことがあれば子宮蓄膿症である可能性があります。また、発熱があったり、膿によって腹部が膨らんでいることもあります。

大腸菌やブドウ球菌、サルモネラ菌などが子宮に入ることが原因しますが、急性腎炎を起こすこともありますので注意しましょう。

犬の急性腎炎<寄生虫が原因する場合>

フィラリア

寄生虫であるフィラリアが寄生して起こります。

元気がなくなって散歩に行きたがらない、運動するのを嫌がる傾向にあります。肺や心臓や腎臓など主要な臓器にダメージを与えます。

フィラリアから急性腎炎に病状が進むことがあるので注意が必要です。

犬の急性腎炎<ウィルスなどが原因する場合>

人間が急性腎炎になる場合は、溶連菌の合併症として急性腎炎になることがありますが、犬の場合は、アデノウィルスⅠ型などのウィルス感染から免疫反応で腎臓の糸球体の基底膜が損傷されて急性腎炎になります。

ウィルスが腎臓の糸球体に付着したり、他の場所でウィルスや菌お戦っている免疫細胞が糸球体にたどり着いてしまい、糸球体の基底膜が損傷を受けて急性糸球体腎炎になってしまいます。

糸球体の基底膜が厚くなっている場合を膜性糸球体腎炎といい、細胞が増えてしまう場合を増殖性糸球体腎炎、基底膜が分厚くなり増殖もしている場合は、膜性増殖性糸球体腎炎と言いますが、原因や症状はほぼ同じ急性腎炎です。

腎炎を併発させる病気

リンパ球性白血病

白血病は血液細胞のガンで全身にガン細胞が存在するので、犬の場合でも難病であるとされています。

人間では新薬の開発や骨髄移植などの高度な治療法がありますが、犬の場合は今尚治癒できない不治の病となっています。

骨髄がどんどんガン細胞を作り、健康な血液細胞が減少することで急性腎炎を引き起こす場合があります。

リンパ腫

リンパ腫は体内のリンパ系がガンになるのでリンパ球がリンパ管から血液に流れ込み、血液がガンになり、全身へと転移します。

ガン細胞は正常な細胞を攻撃しますので、腎臓の細胞を破壊することで急性腎炎の原因になることもあります。

クッシング症候群

クッシング症候群は副腎皮質ホルモンであるコルチゾールが過剰分泌されることで起こります。

主な症状としては、水をたくさん飲みたがったり、尿の量が増えたり、おなかが膨れてきたり、食欲があるのに痩せてきたり、毛が左右対称に抜けるということがあります。

免疫力が下がることで感染症などにかかりやすくなり、膀胱炎にもなりやすく、そこから急性腎炎に進行することもあり、糖尿病や腎不全になることもあります。

主に6歳以上の犬に多く見られますが、若い犬でもかかることがあります。

遺伝的に急性腎炎になりやすい場合

犬種の中で急性腎炎になりやすい犬種があります。

ミニチュアダックスフント、ゴールデンレトリーバー、ミニチュアシュナウザー、ドーベルマン、マウンテンドッグ、ソフトコーテドーウィートンテリア、ビーグル、ブルテリア、スタンダードプードル、ロットワイラー、グレーハウンド、サモエド、イングリッシュコッカースパニエルなど遺伝的なことが原因して急性腎炎になりやすいとされています。

性差はありませんが、6~7歳くらいの犬がかかりやすい傾向にあります。

腎臓が中毒を起こす場合

体内に毒素を持つ物質が入り、それに対して腎臓が中毒症状を起こして急性腎炎になることもあります。

急性腎炎になったかの診断は?

動物病院では、尿検査でウィルスや細菌に感染していないか、毒素を持つ物質が体内に入っていないかを確認します。また、血液検査を行い血液中の窒素濃度を測ります。

急性腎炎になった場合の治療法

腎炎そのものを治療する薬というものは残念ながらありません、このため、現在の症状を和らげたり、病状を進行させないための治療が行われます。

急性腎炎の原因になっている疾患の治療

犬の急性腎炎の多くは、感染症が原因していますので、これらの感染症の治療を行います。また、他の疾患が原因で急性腎炎を引き起こしている場合は、原因となる疾患と治療を行います。

輸血をする

腎機能が下がって血液に老廃物が溜まっているので、輸血を行い血液をきれいにします。

輸血を行うと脱水症状になっている場合は水分を補うこともできますし、血液中の電解質の調整を行い、老廃物である窒素化合物を体外に排出することができます。

血液透析をする

高窒素血症の改善のために、腎不全と同じように血液を機械に通し血液透析を行います。人工透析を行うと血液から老廃物が取り除かれるので血液が綺麗になります。

ホルモン剤の投与

腎臓は血液を綺麗にしたり、血圧の調整などを行うホルモンの分泌を行っている重要な臓器です。

・ 腹膜灌流(ふくまくかんりゅう)
お腹の中の腹膜に灌流液を一定時間入れて回収します。

・ 窒素化合物を吸着させる薬を投与する
血液中の窒素化合物の数値が高い場合は、窒素化合物を吸着させる薬を投与します。

・栄養補給
たんぱく質以外の炭水化物や脂肪などで栄養を補給します。

急性腎炎の犬の食事療法は?

たんぱく質

急性腎炎になると腎機能が急激に下がるので、腎臓になるべく負担をかけない食事を取らせてあげることが重要です。

たんぱく質という栄養素は犬にとっては非常に重要なのですが、たんぱく質を通常通りに摂取すると、たんぱく質が出す窒素代謝物を腎臓がろ過紙切れずに体内に老廃物を蓄積してしまうことになります。

しかし、たんぱく質を完全に摂取させないという制限をしてしまうとカロリー不足になり、カロリーを摂るために体は体のたんぱく質である筋肉などを燃やしてたんぱく質を補おうとします。

自分の体の筋肉でも消費されることによって同じように窒素代謝物が排出されてしまうのでたんぱく質を完全に摂取しないという方法はよい食事療法ではありません。

カロリーを補うためにも、良質のたんぱく質を食事として与えることやたんぱく質に変わる糖質や脂質などでカロリーを補ってあげる必要があります。

良質のたんぱく質としては、とり肉や豚肉、卵、カッテージチーズやヨーグルトなどが適しています。

どの程度のたんぱく質を愛犬に与えるのかということは急性腎炎の病状がどのような段階であるのかということなどが関係してくるので、かかりつけの獣医さんとよく相談して決めると良いでしょう。

塩分制限

塩分は体にとって必要なものですが、腎機能が下がっているので体に必要な塩分量をコントロールできない状態になっています。

腎臓が塩分を排出できないので体の中に塩分が溜まってきますが、塩分は体の中にあると体内の水分と結合します。このため、腎炎になると体がむくむという症状が多く見られます。

急性腎炎はむくみもはっきりしていることも多いので塩分制限の食事をあげることが大切です。塩分をどの程度制限するのかということは獣医と相談して検査データなどを基にしっかり決めて行いましょう。

脂肪

カロリー摂取の根本である脂肪が腎炎にとっては負担になることがあるので、たんぱく質摂取制限によってカロリーを取ることができない分、脂肪でカロリーを補います。

腎機能が低下しているのでリンを過剰摂取しないためにもリンの含有量が少ない脂肪は肉よりも適した栄養源と言えます。

しかし、急性腎炎の犬は高脂肪食にすることで膵炎を併発しやすいので脂肪をたくさん摂ればよいというものではありません。

動物病院で定期的に血液検査を行い、血液中のアミラーゼとリパーゼの数値をチェックしながら獣医と相談して決めましょう。

腎臓病の愛犬用に、獣医師である宿南章が開発した腎臓サポートという療法食もありますので参考にしてみて下さい。

急性腎炎の犬の余命は?

急性腎炎は急激に症状が出ることが多いので、早期発見しやすい病気でもあります。

細菌が原因の急性腎炎は薬の投与で治りやすいこともありますが、急性腎炎は病状が急激に悪化して急性腎不全になり尿毒症を発症した場合などは、数時間から数週間で命を落とすこともあります。

急性腎炎は治る場合もあれば、命の危険もある病気です。

まとめ

犬の急性腎炎は、症状がはっきり現れる場合が多いので、早期に動物病院に連れて行ってあげることが一番大切です。薬や透析などの治療を行うことで症状は快方に向かいます。

また、それと並行して腎臓に負担をかけないように食事療法を行うことも大切です。たんぱく質の制限や塩分の制限などは飼い主の自己判断で行うことなく、獣医と相談して食事をあげるようにしましょう。

腎臓病用のドッグフードなどが市販されていますので、信頼できるフードを利用してください。

犬の急性腎炎

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獣医師が犬の進化の歴史を研究。
進化栄養学など、様々な角度から
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記事を書いた人

宿南 章(しゅくなみ あきら)
獣医師
【文責】 獣医師・宿南 章(しゅくなみ あきら)
【資格】 獣医師免許(1993年取得)
【所属団体】
The Royal Society for the Protection of Birds 会員
日本盲導犬協会 会員
野生動物救護獣医師協会 正会員

【プロフィール】
1969年生まれ 兵庫県養父(やぶ)市出身。
日本大学農獣医学部(現日本大学生物資源科学部)獣医学科卒業。 獣医師。
横浜で犬猫の動物病院に勤務。その後、米国のCAM( Complementary and Alternative Medicine )を日本に導入している 研究所に移籍。北海道の農協の依頼を受け、牛のサルモネラダブリン症の治療を行い、当時抗生物質も効かない病気を治癒させるなど、数多くの治療実績を持つ。
その後、予防医学に特化した自然療法動物病院を設立し現在に至る。


【研修・研究内容】
1983年…アメリカ ウィスコンシン州、400エーカーの酪農家で住み込み実習
1985年…北海道 中標津 200頭飼育の酪農家で住み込み実習
1988年…獣医薬理学研究室にて薬草の薬理作用の研究(3年間)
1993年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(1回目)
1994年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(2回目)
2006年…オーストラリア メルボルン イアンゴウラー財団でガン医療研修

【論文】
Efficacy determination test for the Vibrational therapy in case of the skin ulcer induced on mice A.SHUKUNAMI Eastern Medicine 2004

【著書】
「薬いらずで愛犬の病気は治る」WAVE出版 は、17部門で1位を獲得するベストセラーとなり高い評価を得ている。
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